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劣加法性効果 (Subadditivity effect)

劣加法性効果

劣加法性効果 (Subadditivity effect)とは、

全体が起きる可能性は、部分の可能性よりも低いと考える傾向

です。例えば、ある実験では、アメリカでがんで死亡する確率を18%、心臓発作で死亡する確率を22%、「その他の自然死」で死亡する確率を33%という情報を被験者に提供しました。しかし被験者は、自然死の確率を58%と判断しました。自然死とは、がん、心筋梗塞、「その他の自然死」で構成されるので、18+22+33で合計は73%となるのですが。こういった傾向は一貫して観測されます(※2)。


2012年にPsychological Bulletin誌に掲載された論文では、亜加法性効果は、客観的な証拠(観察)が、主観的な推定(判断)にノイズ的に変換されることを前提とした情報理論的な生成メカニズムによって説明できることが示唆されています(※3)。この説明は、※2のTverskyとKoehlerが提案したサポート理論とは異なり、追加的な仮定が必要となってきます。メンタルノイズは、ヒューリスティクスや行動を伴う説明よりもはるかに単純でわかりやすい十分な説明であるため、オッカムの剃刀では、その根底にある生成メカニズムとして支持されます(仮定が最も少ない仮説となります)。

オッカムの剃刀

オッカムの剃刀(Occam's razor)とは、、オッカムの剃刀(Ocham's razor、ラテン語:novacula Occami)、または平行法の原則(ラテン語:lex parsimoniae)とは、「実体は必要以上に増やされるべきではない」という問題解決の原則です(※4)。不正確に「最も単純な説明は通常、最良のものである」と言い換えられることもあります。この考えは、イギリスのフランシスコ会修道士ウィリアム・オブ・オッカム(William of Ockham)(1287年頃~1347年頃)に由来しています。オッカムはスコラ学の哲学者・神学者であり、単純さを好みました。この哲学的な剃刀は、同じ予測について競合する仮説が提示された場合、最も仮定が少ない解を選択すべきであると提唱しています。


対策・応用

大事なことは計算する

人間は、確率と真実に弱い生き物なので。


認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。


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参照

※1:Subadditivity effect

※2: Tversky, Amos; Koehler, Derek J. (1994). "Support theory: A nonextensional representation of subjective probability”

※3:Nakao, Takashi; Tokunaga, Satoko; Takamura, Masahiro; Nashiwa, Hitomi; Hayashi, Shunsuke; Miyatani, Makoto (January 2012). "Altruistic people show no self-reference effect in memory"

※4: Who sharpened Occam’s Razor?

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