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SNSで不快になるのは 「社会的比較バイアス」

SNSが敵意を生む?

SNS、とくにInstagramは、メンタルに悪影響を及ぼすと考えられています。これは英国王立公衆衛生教会(oyal Society for Public Health)が行った約1500人を対象とした調査(※2)で、SNSのなかで高い評価をうけたものはYoutubeで唯一肯定的な評価を得たメディアでした。2位がTwitterで、3位はFacebook、4位はSnapchat、最下位がInstagramでした。

YouTube以外のSNSは、うつ病や不安症の増加との関連が見られました。これはSNSが、非現実的な期待を抱かせ、不十分さや低い自尊心の感情を生み出す可能性もあるためだといわれています。個人的な写真が中心となるInstagramが、ボディイメージや不安感で最悪のスコアを記録したのは、このためかもしれません。ある調査回答者は、「Instagramは、女の子や女性が、自分の体が十分ではないかと感じやすい。完璧に見えるようにフィルターを加えたり、写真を編集したりする人が多いためです」と書いていました。

このように過度に社会全般と自分を比較することは、メンタルの悪化につながる可能性があります。また人は、自分より優れている存在に対して敵意を抱くようになることもあります。これを「社会的比較バイアス」といいます。

社会的比較バイアス

社会的比較バイアス(Social comparison bias)とは、

自分よりも精神的、或いは肉体的に優れているように見える者に対して
敵意を持つ傾向

です。わたしたちの多くは、自分が周囲の人と比べてどれだけうまくいっているかを基準にして、自分の気分や感情を決めています。例えば、自分は、低価格帯のお店によく行くのに、同僚はラグジュアリーなデザイナーズストアで頻繁に買い物をしているとします。そうするとこの同僚に対して、恨みや怒り、妬みの感情を引き起こす可能性があります。この社会的比較バイアスには、富や社会的地位が関係しています。また多くの場合、私たちは、同世代の人や似たような人と自分を比較しようとします。

SNSでは、普通の場面や望ましくない場面ではなく、自慢したくなる場面のみを公開しがちです。くわえてフィルターを加えて美しくみせます。そうした刺激と自分の日常を比較し、人は自己評価を下げてしまいます。


対策・応用

(1)比較を軽減する

SNSに触れる機会を減らすのがもっとも健康的な対処法です。アプリの削除や制限の設定などが手軽にできる対処法で、このように環境を変えることで行動を変えることを行動アーキテクチャといいます。わたしの場合は、SNSは投稿だけに使用して、他者の投稿をあまりみないでいます。

(2)自分を乗り物だと捉える

どのみち、わたしたち人間は社会的な生き物なため、ヒエラルキー上位に上がりたくなる欲求とそれを成就させるための情報収集として他者との比較をする傾向を持っています。自分には良い点も悪い点もあります。そのあたりを車やバイクのように熟知して、「こうするとエンストを起こしてしまう」という具合に捉えると冷静に自分も他人もみられるようになってきます。この乗り物を使って、ゴールに向かうというのが、健康的な生き方にちかづき、且つ競争社会にいてなおストレスを下げることに繋がります。


認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。


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参照

※1:Social comparison bias

※2:Why Instagram Is the Worst Social Media for Mental Health

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