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「選択的知覚」 人は好きな情報ばかり集めてしまう

ある教師は、受け持ちのクラスのなかに密かにお気に入りの生徒がいるかもしれません。そのとき、その生徒の成績が良くないとき、それを軽視しかねません。逆にあまり好きではない生徒の好成績も軽視するかもしれません。このように人は、自分にとって不都合な情報はすぐに忘れる傾向を持っています。これを選択的知覚と言います。


選択的知覚

選択的知覚 (Selective perception)とは

不愉快な情報や、それまでの信念に反する情報はすぐに忘れる傾向

です。認知バイアスのひとつ。選択的知覚とは、わたしたち人間が、ニュースなどのメディアが発信する情報の中から自分が望んでいるものを選び、嫌う情報を無視する傾向です。頻度錯誤という認知バイアスも、この選択的知覚と関わりがあります。

なぜ起こるのか

選択的知覚が起こるメカニズムは、わたしたちの知覚は、期待によって影響を受けてしまうために形成されています。わたしたちの周りには無数の情報があり、その全てに均等に注意を払うことはできません。空腹であれば、食べ物に知覚を集中させ、発情期であれば、異性に知覚を集中させます。


対処・応用

広告研究家のシーモア・スミス(Seymour Smith)は、1960年代初頭の広告研究において選択的知覚を発見し、それを「人々が、彼らが見たり聞いたりする機会を持っている広告素材を入れたり、選別したりする手順」であると定義しました。

あるブランドが好きな人、買っている人、買おうと思っている人は、そのブランドに対して、中立的な人よりも広告に気づきやすい。

これは広告効果の分析によってバイアスになります。広告の純粋な効果を抽出しづらいことを意味しているためです。

選択的知覚によってうまれる問題は、知覚の歪みです。ニュースはグーグルなどの検索サービスによりますます自分好みのものだけを選ぶようになり、SNSにより好きな人とのみ交流をするようになります。この偏りを是正するには、「好きではないものにも接する」という態度が良いでしょう。

そして応用ですが、人は好みの情報により惹かれるので、人が好む情報を入口にして発信すれば、ターゲットの獲得がよりスムーズになるかもしれません。


認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。



関連した認知バイアス

•内集団バイアス
自分が属している集団には好意的な態度をとり、外の集団には差別的な態度をとるバイアス。

•頻度錯誤
一旦気にし始めると、急にそれを頻繁に目にするようになる錯覚。

•プラシーボ効果


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参照

※1:Selective perception

※2:心理学用語「選択的知覚」とは?意味と具体例をわかりやすく解説

※3:心理学用語「選択的知覚」とは?意味と具体例をわかりやすく解

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