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月のうさぎは「パレイドリア」

月や火星にうさぎや人の顔を見出しまう傾向が人にはあります。のみならず街のいたるところに「顔」を見つけることもあります。これをパレイドリアと言います。

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これも人の顔に見えてしまいますよね。衛星が捉えた火星の一部です。


パレイドリア

パレイドリア(Pareidolia)とは

そこに存在しないのに、よく知っているパターンをそこにあるように感じること

または、無作為あるいは無意味な情報の中から、普段からよく知ったパターンを思い浮かべる現象です。ランダムデータの中に何らかのパターンを認識する「アポフェニア(apophenia)」の視覚的・聴覚的なものが、このパレイドリアです。音楽を逆再生し、そこに隠されたメッセージが聞こえたと感じるのもこのパレイドリアです。


語源

ギリシャ語の「横に並んで」という意味の「pará」と「像」という意味の「eídōlon」が語源です。


ロールシャッハ・テストはこのパレイドリアを活用したもの

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画像引用:リスタ!「15分でわかるロールシャッハテスト-無意識を投影する性格検査」

投影法のひとつロールシャッハ・テストは、このパレイドリアを活用したもの。


レオナルド・ダ・ヴィンチの手記にもあるパレイドリア

レオナルド・ダ・ヴィンチは、手記の中で、「パレイドリアは画家が持つひとつの道具だ」と記しています(※3)。「様々なしみがついたり色々な種類の石が混じった壁を見たとき、何らかの風景を創作しようと思っていたならば、山、川、岩、木、平原、広がった谷、様々な丘で彩られた色々な風景との類似を見ることができるだろう」(※1)。


文学にみるパレイドリア

ルネッサンス期の芸術家や作家は、パレイドリアに特に関心を示しています。例えば、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ハムレット』では、ハムレットが空を指差して、自分が狂っていると思われることを証明する宰相ポローニアスとのやりとりが描かれています。

ハムレット:ラクダの形をした雲が見えるか?
宰相ポローニアス:ああ、確かにラクダの形をしていますね
ハムレット:あれはイタチだと思う
宰相ポローニアス:イタチのような後ろ姿です。
ハムレット:クジラのようだ
宰相ポローニアス:とてもクジラに似ています。


対策・応用

パレイドリアを知っていれば、心霊現象や宗教的な逸話に取り込まれにくくなるでしょう。


認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。


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参照

※1:パレイドリア

※2:Pareidolia

※3:Full text of "Leonardo Da Vinci S Note-Books Arranged And Rendered Into English"

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