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「他のグループは性格が悪い」と考える 「究極の帰属のエラー」

究極の帰属のエラー

究極の帰属のエラー(Ultimate attribution error)とは、

好きな内集団のメンバーの行動や嫌いな外集団の行動は、その集団が持つ気質によるものだと考え、内集団のネガティブな行動や外集団のポジティブな行動は、気質ではなく、状況によって取られるものだとと考える傾向

です。帰属バイアスのひとつ。言い換えると、外集団のネガティブな行動を性格の欠点として説明し、外集団のポジティブな行動を偶然や状況の結果として説明しようとするのです。内集団に関しては、これが反転し、ポジティブな行動は、そのグループのもつポジティブな性格によるものだと考え、内集団のメンバーが、ネガティブな行動をした場合、それを状況的な要因の結果であると考える傾向です。根本的な帰属のエラー(fundamental attribution error)のグループ版です。

究極の帰属のエラーは、トーマス・F・ペティグリュー(Thomas F. Pettigrew)が1979年に発表した「The Ultimate Attribution Error(究極の帰属のエラー)」で初めて世に出た言葉です。確立されました。これは、ゴードン・オールポート(Gordon Allport)の帰属理論を拡張したものです。

帰属理論は、自分や自分たち(内集団)に関しては、とりまく状況などの情報を熟知しているため、行動の原因を探るための材料が比較的十分にあります。その一方で、他者や他者たちのグループ(外集団)については、その行動しか見られず、十分にそのとりまく状況を把握できません。この状態で、わたしたちは、とりあえず行動の要因を仮に判断しようとするため、他者や他者のグループの行動を気質によるものだと考える傾向があるという理論です。

ポジティブな行為や思想は、自分や自分たちの気質に帰属させたい。ネガティブな行為や思想は、自分や自分たちの外(つまり外的要因)に帰属させたい。

一方で、ポジティブな他者や外集団の行動は、状況に帰属させたいし、ネガティブな他者や外集団の行為や思想は、その気質に帰属させたい。

その結果、自尊心は、相対的に高まります。

帰属のエラーの弊害

他者や外集団を歪んでとらえてしまうのが、こうした帰属のエラーの弊害です。その結果、差別や迫害、対立などが生まれます。


対策・応用

相互依存するタスクを両グループに与えると対立が減る

帰属のエラーは、進化の過程で形成されたバグのため、軽度であれば致し方ないものだとわたしは考えます。しかし過度になるとさきほど触れたように、差別や対立に発展します。なので、対立というものは生まれるのがデフォルトだと知ること。それを頑張ることで解決するのではなく、科学と工夫で解決しようとすることが良いと考えます。


関連した認知バイアス

根本的な帰属のエラー(fundamental attribution error)
個人の行動を説明するにあたって、気質的または個性的な面を重視しすぎて、状況的な面を軽視しすぎる傾向。帰属バイアスのひとつ。


認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。


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参照

※1:Ultimate attribution error


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