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助けた相手を好きになる 「ベン・フランクリン効果」

ベン・フランクリン効果

ベン・フランクリン効果(Ben Franklin effect)とは

誰かを助けるとその人に好意を持つという効果

です。助けてくれた人を好きになるのではなく、助けた人を好きになります。これは認知的不協和によって発生します。認知的不協和(cognitive dissonance)とは、「思考と行動が一致しない感じるストレス」です。「助ける」という行為をするということは、「好意がある」。でないと行動と思考が一致しない。行動はすでに行っている。なのであとは思考をそれに合わせる。これが助けると好意を持つ構造です。


ベンジャミン・フランクリンとは

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ベンジャミン・フランクリン

この効果の名前の由来となったアメリカの物理学者であり政治家であったベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)。現在の100ドル紙幣に肖像画描かれています。彼は、その自伝の中で「古い格言」と表現した言葉を引用しています(※2)。

“一度親切にしてくれた人は、自分が親切にした人よりも、
ふたたび親切をしてくれるだろう”

フランクリンは自伝の中で、18世紀にペンシルバニア州議会に所属していたとき、ライバル議員の反感にどう対処したかを説明しています。

彼が自分の図書館に非常に貴重で興味深い書物を持っていると聞いたので、私は彼に手紙を書き、その書物を読んでみたいので、数日間貸してくれないだろうか、とお願いした。彼はすぐにそれを送ってくれました。私は約1週間後に、その好意を強く感じたことを記した手紙を添えてそれを返しました。次に議会で会ったとき、彼は、それまで一度もしたことのなかったのに、非常に礼儀正しく私に話しかけてくれました。その後も、どんな場合でも私に奉仕する姿勢を見せてくれたので、私たちは大の仲良しになり、その友情は彼が亡くなるまで続いたのです。


逆に、冷たく接するとと相手を嫌いになる

行動と感情を一致させるのが認知的不協和の効果。ゆえにベン・フランクリン効果の逆も起きます。例えば、看守は受刑者を見下うようになっていく。捕虜を冷たく扱うとき、見下すことで、認知的不協和を解消しようとします。


対策・応用

相談をする

セールスにおいて潜在的顧客に何かを提供するより、支援を求めることで好意を形成できます。「どんな製品が魅力的か」とか「市場はどうかわっていくと思いますか」という質問や相談は顧客獲得につながるかもしれません。相談をするということは、「相手のほうが知識をより持っている」という姿勢になります。

動物への接し方

犬や猫の世話を焼くと好意が強化されますが、一方で厳しくしつけると好意は強化されません。しつけは、犬だけではなく、飼い主にも影響を及ぼします。


おすすめの本

土居 健郎の「甘え」の構造にも、依存的な行動が、相手に世話役という自意識を形成させるとあります。



認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。



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参照

※1:Ben Franklin effect

※2:The Autobiography of Benjamin Franklin

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