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映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章 考察メモ

この記事は、 映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章を見たが よくわからなかったという人と、 もう一度見ようと思っている人に向けて さらに楽し…

徒野
3か月前
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死にたいときに聴く死なないためのプレイリスト(2022年)

ずいぶん昔に「死にたいときに聴いている曲」を公開しました。 これを読んでいる人の 「死にたさ」が少しでも落ち着けば と思ったからです。 あのときプレイリストを公開…

徒野
2年前
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12/03 08:17-08:23

布団にへばりついて眠っていると、カタツムリというのは自分の殻に対して、私が布団に思う気持ちと同じような愛を持っているのかもしれないな、と思ってしまう。 私にとっ…

徒野
2年前
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最近のIQテストは承認欲求の対価に金を求めるらしい

寂しさというのは人を狂わせる。 ゴッホは友人の画家を失い 耳を切ったし、(しかもその耳を友人に渡そうとした) 実家で一人暮らしをしている私の母だって 齢66でトラン…

徒野
2年前
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笑顔で明るい人が好きです

誰かと分かり合うなんてことは無理かもしれない。 一人で生きていかないといけないかもしれない。 ドトールから出てカフェオレが残った口で そんなことを考えながら横断歩…

徒野
2年前
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空白に重さはあるか

セロテープとダンボールで作られた神様が、さっきまでの晴天が嘘のように降り始めた雨の水滴にあたって少しずつ崩壊していくのを見ていた。 フリーマーケットに集まってい…

徒野
2年前

千年後の風景画

フリスクの雨の影響でリニアモーターカーが遅れて サラリーマンのアイコンが 906号専用オープンチャットで 駅員にtoをつけて「さっさと動かせ」とキレている投稿に badのマ…

徒野
2年前
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ペンギンののど飴.jpg

体がマックシェイクみたいにドロっとしていてだるくて 心がタピオカミルクティーに詰められたタピオカみたいに ぐにぐにしていて ひと思いに噛んだら潰れてしまいそうだ。 …

徒野
2年前
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植物は天国の夢を見る

君の温度に値札がついていたころ 下駄箱に入っていた上履きは 左右がいつも逆で リノリウムの床に 叩きつけるように 上履きを落としたとき 弾丸のような音は 肺を一気に…

徒野
2年前

それできみは

言葉というのが自分の身体の延長線上にあって 肌をつねったりひっかいたりしたときに痛みが生じるように ただ生きている事実だけを形に残せたらどれほど良いだろう。 無人…

徒野
2年前

おやすみの代わりに

ぺんてるの絵の具のチューブを締め付けて広がった黄色の液体に溺れて死にたい。 1日が焼け野原みたいに何もない、何も育たない。咀嚼音ばかりが壁に染み込んだ部屋の中で…

徒野
3年前
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電子書籍派としての意見

電子書籍派として語らせてもらう。電子書籍の良さは数えきれない。まず、持っているときの感覚。専用デバイスから伝わる10gに満たない重さは、「読書をしている」という崇…

徒野
3年前
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好きな人に話しかけるように書くといいよ

太宰治が文章を書くコツのひとつとして 「好きな人に話しかけるように書くといいよ」 と言ったらしいので、 だから僕も 恋多き死にたがりの文豪にあやかって 好きな人に向…

徒野
3年前
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三人称日記のススメ

よく宇宙人が地上に降り立ったときに 「我々は宇宙人だ」と地球人に言うようなイメージがあって それは勝手な偏見かもしれないなって思うけど きっと宇宙人はマッチングア…

徒野
3年前
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冷蔵庫のため口問題

 物が人に敬意を抱くのは作った側と作られた側として当然のことで、だから人に敬語で話しかけるのが道理なのはみなさんもご存じでしょう。テレビは「へ、へ、に、人間様、…

徒野
3年前
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水中の匂い

魚にも嗅覚があるのかなと思い立って調べてみたら、 あるみたいだった。 ということは水中にも匂いがあるということで、不思議な感じがする。 水の中がどういう匂いなのか…

徒野
3年前
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映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章 考察メモ

この記事は、 映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章を見たが よくわからなかったという人と、 もう一度見ようと思っている人に向けて さらに楽しんでもらえるように書きます。 そのため、 映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章 のネタバレを含みます。 ただ、今後の展開に対しての原作のネタバレは含みません。 原作ネタバレ無しで、後半パート「小学生時代」を解説 ①映画後半の小学生シーンを読みとく最初の鍵 まず映画が始まって、少しする

死にたいときに聴く死なないためのプレイリスト(2022年)

ずいぶん昔に「死にたいときに聴いている曲」を公開しました。 これを読んでいる人の 「死にたさ」が少しでも落ち着けば と思ったからです。 あのときプレイリストを公開した日から 半分くらい変わったので 僕が聴いている「死にたいときに聴いている曲」を紹介します。 1 歌詞の意味わからないけど通じる話と 僕はこのPV(非公式)の断片的な映像が好きで 地下鉄の乗るときは トンネルで真っ暗な窓を見つめながら この曲を聴いています。 2 羊を数えると眠りにつけるというのは Sl

12/03 08:17-08:23

布団にへばりついて眠っていると、カタツムリというのは自分の殻に対して、私が布団に思う気持ちと同じような愛を持っているのかもしれないな、と思ってしまう。 私にとって布団は殻であり運命共同体、切り離してはいけないものなのだ。しかしそう主張して布団から出ずにいれば、会社はクビになり家賃は払えず路上で野垂れ死ぬ未来しか見えない。 有名なアリとキリギリスの童話は「アリみたいに真面目に働けよ」という教訓ばかりちらつくけど、キリギリスには頼れるアリという希望がいた。私にはアリみたいな希

最近のIQテストは承認欲求の対価に金を求めるらしい

寂しさというのは人を狂わせる。 ゴッホは友人の画家を失い 耳を切ったし、(しかもその耳を友人に渡そうとした) 実家で一人暮らしをしている私の母だって 齢66でトランポリンを始めた。 とにかく人間にとって寂しいという感情は 心臓から流れる血液のように 身体中をめぐりにめぐり 人間の内側から「狂い」の道へ突き動かすのだ。 こんな風に書いている私も 恋人と別れて一人暮らしを始めたは良いものの 「寂しさ」に支配されるまで数週間もかからなかった。 なぜなら一人暮らしに加えて 会

笑顔で明るい人が好きです

誰かと分かり合うなんてことは無理かもしれない。 一人で生きていかないといけないかもしれない。 ドトールから出てカフェオレが残った口で そんなことを考えながら横断歩道の向こうを見ると ビルがあって、ビルというのはとても大きいなあ という当たり前のことを思った。 しかし、なんで良くない感情というのは 車の窓ガラスにこびりついた水滴のように 自分の内側からだと決してぬぐえないような 絶望的な感覚を与えてくるのだろう。 地上に落下した水槽から 飛び散った水や魚のように 何が起き

空白に重さはあるか

セロテープとダンボールで作られた神様が、さっきまでの晴天が嘘のように降り始めた雨の水滴にあたって少しずつ崩壊していくのを見ていた。 フリーマーケットに集まっていた人々の姿が少しずつ遠ざかっていくのを足音やざわめきで感じ取っていた。 ビニールシートに座っている少年は任天堂スイッチでポケモンのようなゲームをやっていた。 君がつくったこの1200円の神様がどんどん雨で腐っていくけど良いのかな、って私はたぶん君に話しかけたい。 話しかけてどうなるかわからないし、セロテープとダ

千年後の風景画

フリスクの雨の影響でリニアモーターカーが遅れて サラリーマンのアイコンが 906号専用オープンチャットで 駅員にtoをつけて「さっさと動かせ」とキレている投稿に badのマークが 桜の花びらが咲くように一斉につきはじめて 音量MAXにしていた僕のタブレットに ぽんぽんぽんぽんぽんぽん、と たぬきの祭りのような気持ちの良い音がしている。 前に座っている人たちの体温が 僕のかけているレンズ越しに伝わってきて ピントを窓にずらすと、丸い建物が並んでいる町並みに たくさんのフリス

ペンギンののど飴.jpg

体がマックシェイクみたいにドロっとしていてだるくて 心がタピオカミルクティーに詰められたタピオカみたいに ぐにぐにしていて ひと思いに噛んだら潰れてしまいそうだ。 仕事を無理やり終わらせて 水族館に行ってペンギンやアシカが 同じ場所をぐるぐる泳ぎ回るのを ずっと眺めていた。 僕がニーチェかニュートンだったら その光景を見て何か人類史に残るようなことを 閃きそうだったけど、 僕の頭ではそれを 2021/08/01フォルダーに 画素数の粗い携帯で撮影したような ぼんやりとし

植物は天国の夢を見る

君の温度に値札がついていたころ 下駄箱に入っていた上履きは 左右がいつも逆で リノリウムの床に 叩きつけるように 上履きを落としたとき 弾丸のような音は 肺を一気に貫いて 押し出された空気が 固く閉じた唇の裏側に 突き放すように触れた。 生きることがしんどいと 思ったことは一度もない。 ドン・キホーテで買った 恐竜の目の色をしたランプが 夜になると勝手に点灯するようになり 町を歩いていると 通り過ぎていく通行人の 顔や笑い声のように ただの背景のような天井や壁が

それできみは

言葉というのが自分の身体の延長線上にあって 肌をつねったりひっかいたりしたときに痛みが生じるように ただ生きている事実だけを形に残せたらどれほど良いだろう。 無人島に漂流したときに何日経過したのかわかるように 木を削って彫りつけていく無数の☓のように 生きている、もしくは生きていたという事実が残れば それで十分だ。 色が混ざりあって濁りきった感情が チャーリー・ブラウンの洗濯機に詰め込まれて 漂白剤で真っ白にされて漫画の3コマ目を飾っている。

おやすみの代わりに

ぺんてるの絵の具のチューブを締め付けて広がった黄色の液体に溺れて死にたい。 1日が焼け野原みたいに何もない、何も育たない。咀嚼音ばかりが壁に染み込んだ部屋の中で、思い任せに言葉を書き連ねる。 書いている間しか自分は生きていないんだ、なんてそんな腐ったセリフをぼくは吐くほど芸術を愛していないし愛されてもいないけど、書いている間しか存在しない自分もあるわけで、その自分は今から3分という限られた時間しかいない、そう決めた。 つまりこれから3分の間で文章を書き続けて、その電光の

電子書籍派としての意見

電子書籍派として語らせてもらう。電子書籍の良さは数えきれない。まず、持っているときの感覚。専用デバイスから伝わる10gに満たない重さは、「読書をしている」という崇高な気持ちにさせる。 肌触りもいい。硬いフォルムはすべすべとしていて一晩中撫でていても飽きない。 そしてページをめくるときの快感。文章が消えたかと思うと、さっと新しい文章が表れる気持ちよさ。そして、購入した大切な本たちをライブラリに並べられるのが良い。 こういったものは電子書籍だからこそ味わえるものだ。少なくとも粒子

好きな人に話しかけるように書くといいよ

太宰治が文章を書くコツのひとつとして 「好きな人に話しかけるように書くといいよ」 と言ったらしいので、 だから僕も 恋多き死にたがりの文豪にあやかって 好きな人に向かってこの文章を書くことにする。 と、開幕早々宣言したのはいいものの あなたに正直に伝えると 僕はいま何を書けばいいかわからない状態で、 それこそ好きな人をはじめて デートに誘ったはいいものの 何を話せばいいかわからず、 小さく微笑んだまま固まっているような そんな状態。 「誰かに何か伝えたいことを伝える」

三人称日記のススメ

よく宇宙人が地上に降り立ったときに 「我々は宇宙人だ」と地球人に言うようなイメージがあって それは勝手な偏見かもしれないなって思うけど きっと宇宙人はマッチングアプリでマッチした相手が どれだけかわいかろうが 「我々は宇宙人です」とメッセージを送り MEではなくWEということを 画面越しに訴えてくるのかもしれないと思っている。 たとえばそれは ポケモンで言えばモグラみたいなものが 3匹集まったダグドリオのようなものかもしれない。 宇宙人は1人で宇宙人ではなく必ず複数を

冷蔵庫のため口問題

 物が人に敬意を抱くのは作った側と作られた側として当然のことで、だから人に敬語で話しかけるのが道理なのはみなさんもご存じでしょう。テレビは「へ、へ、に、人間様、いまつけます。いまつけますからね」と言うし、椅子は「人間様に座っていただけるのが我が最高の喜びでございます」と言う。  なのにこのところ冷蔵庫の野郎があろうことか「よ、人間、喉かわいたの?」と同級生のようにフランクに話しかけてくるから困った。  私がいくら親切心と愛情をもって「その口の利き方なんとかしねーと廃品工場でス

水中の匂い

魚にも嗅覚があるのかなと思い立って調べてみたら、 あるみたいだった。 ということは水中にも匂いがあるということで、不思議な感じがする。 水の中がどういう匂いなのか 興味はあるものの、 何かしらの道具を使わないと人間は 地上でしか呼吸ができないから 水中の匂いは嗅ぎたくても難しい。 海へ出かけたりすると潮の匂いを感じるけど、 海の中を潜って感じる匂いは やっぱりあれとは違うのだろうか。 そもそもの話、匂いを言葉にするのは難しい気がする。 ○○みたいな匂いとか、 酸っぱい