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#226:ひとり旅のすすめ

結婚してからあまりひとり旅というものをしていなかったが、まとまった休み(転職に伴う有給消化)が取れたので久々にひとり旅に出た。


行き先は?

ひとり旅をすると決めた後、最初の壁はどこへ行こうか?という点である。

いくらでも行きたい場所はあるし、今回は休みもたっぷりあるし選びたい放題である。よく人は選択肢が多過ぎると決められないと言うが、まさにその通りである。

家族旅行では子供が楽しめる場所など条件を当てはめると自然に行き先候補が絞られていた。

ひとり旅の良さは、至極当然なのだが、自分が行きたいところに行ける点である。

しかし、常日頃から自ら湧き上がる心の声にも耳をしっかり傾けていないと、自分が果たしてどこに行きたいのかすら分からない。

その小さな心の声を救い上げて、あまり色々と悩まずに(いくらでも悩めるので)行き先は、広島に決まった。

旅の計画

続いて、広島の宿、交通手段、どこを巡るかをひとつずつ決めていく。

これも旅慣れた人とは違い、いくつか選択肢を洗い出して、その中から決めていくのはまあ骨が折れる。ある程度、旅の旅程を構想しながら一方であまり固定しない程度に予約する。

初日は新幹線の広島駅近くにある大浴場付きのビジネスホテルで、翌日は宮島の少し贅沢な宿を選んだ。ふるさと納税が宿代の補助に使えると気付いたので、その金額分の贅沢ができた。

宮島の宿にあるテラスからの景色

あまり細かく旅程を立てる方ではないため、宿と帰りの飛行機だけ決めて旅立った。

結婚以前はそのようなざっくりとした計画で旅していたものの、いざ久々にひとり旅に出ると細かい旅程が決まってなくてそわそわした。

でも旅行しているうちに、旅行しながら次の動きを決める旅の感覚を取り戻していった。

意外な展開

ひとり旅の醍醐味は、予期せぬ意外な展開が起きやすいことである。

初日のホテルの大浴場。入浴後に髪を乾かしていると海上自衛官(潜水士)のお兄さんが話しかけてきた。彼はラオス旅行帰りということで、少し髪を乾かしながら話を続けると盛り上がったので2人で部屋飲みすることになった。

詳しく聞くとラオスで色んな人(チェコ人夫婦や現地の家族など)と仲良くなったり、それをきっかけに、元々予定してなかったゾウ使いの免許を取ったり子供食堂のお手伝いをしたり。かなり濃い旅の思い出を語ってもらった。

広島でラオスの話が聞けるとは思わなかったが初日から予期せぬ展開。

それだけではなく、次の日の予定が決まってないことを伝えると呉の駅前にあるおすすめのお好み焼き屋(トッキー)を教えてもらった。 

こういう展開は全て乗っかることに決めているので、翌日は呉まで移動してそのお好み焼きを食べたのだがこれがすこぶる美味しい。しかも店の席もオープンエアで開放感があり、地元の人で賑わっていた。

トッキーのホルモン入りお好み焼き
やたら開放感のある席たち

大袈裟ではなく、これまで生きてきた中で1番美味しいお好み焼きだった。

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この出会い以外にも広島で旅してることをインスタに上げると、様々なアドバイスが届いた。

私が宮島に泊まっていると知った、前職の同僚からは厳島神社の鳥居を夜散歩して眺めるのがおすすめだとメッセージが届いた。

夜の厳島神社(鳥居)は幻想的

また義理の姉からは、おすすめのあなご飯屋の情報があり、それに従って開店の朝10時に店を訪れた。朝10時で既に10組以上待っていたが、その人気ぶりも理解できるほど、皮がパリッとしたあなご飯は絶品だった。

宮島口にある「うえの」のあなご飯

これらの出会いやアドバイスにより予期せぬ意外な展開に転んだことが全て旅のハイライトになっている。

旅の余韻

そして、実際にひとり旅して強く感じたのは、ひとり旅の場合、旅の余韻が長く続くこと。

家族や友人など誰かと旅する場合、風景でも、食べ物でも同行者と分かち合うことができる。この分かち合えることが、誰かと旅行する際の最大の魅力ではある。

ただ同行者と共有することで、その出来事(風景や食べ物など)はその場できちんと消化できてしまう。分かち合えたことで満足する感じ。

一方でひとり旅の場合、どんな良い風景も食べ物についても共有できない。元々はそれ自体がつまらないのでひとり旅に気乗りしなかった。

ただ誰とも共有できないと消化されず、自分の心にくっきりと跡を残す。旅を終えた後でさえその旅の余韻が波紋のように、自分の心の中に静かに広がり続けている。

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不思議な感覚であるが、ひとり旅の余韻を引きづりながらこの文章も書いている。

久々のひとり旅だったがとても満足度の高い旅になった。日頃、あまりひとり旅しない人にもたまにそれを試してみても良いのでは、とぜひおすすめしたくなった。

長文をお読みいただきありがとうございます。

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