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育児家庭で"朝練メイン"に変えて3ヶ月半、単独練習のみでハーフ1:09:15→1:07:45(※社会人ベスト相当)まで縮めた34歳の私の練習メニュー

Facebookには1年前や2年前の投稿の振り返りができるようになっているが2年前の3月に私はハーフマラソンを1:27:49で完走した。それから2年が経ち、21.1km走の"練習"で1:07:45で走るまでになった。

そこで、この3ヶ月半の練習内容を以下に振り返りたいと思う。

この記事は【私の2019年11月ハーフ1:19:15(3:45/km) → 2020年11月1:09:15(3:16/km)までの1年間の練習メニュー】の続編となる。

【私の近3年間の"上半期"のハーフマラソンシーズンベスト】
2019年:1:27:49(3月 / 32歳:いとまんトリムハーフ)大会リザルト
2020年:1:16:05(1月 / 33歳:手賀沼での※練習タイム)Stravaログ
2021年:1:07:45(3月 / 34歳:手賀沼での※練習タイム)Stravaログ
ハーフPB:1:06:46(2007年2月 / 21歳:京都シティハーフ)
社会人PB :1:07:53(2014年11月 / 27歳:いわい将門ハーフ)
※レースは2019年12月の奈良マラソン(3:40:46)以降、1年4ヶ月出場無し

【体重:上半期】
2019年:64-66kg
2020年:60-62kg
2021年:56-58kg

この記事の要点

私は2021年3月現在34歳。10代や20代のランナーの"伸び"の話ではない
→ "工夫"が必要になる。特に30代や40代の人に響く内容かもしれない。

午後練メイン → 朝練メインに切替(CVインターバルも朝に数回実行)
→ 朝に練習を移行すると、生理学的に体にどんな変化がもたらされるのか

走行距離の増加(週70-80km月間350km → 週120-130km月間500km)
→ 走行距離を増やすと、どういうメリット / デメリットがあるのか

21.1km走以外は単独練習のみ(誰かに引っ張ってもらっていない)
→ 単独練習の積み上げでも競技力を上げることはできる

多くの"時短練習"(ファルトレク、アップ無しの有酸素ランニング等)
→ 少ない時間で成果を上げる効率重視。ここでの"効率"とは継続性が前提で、たまにしかやらないのであればそれを効率的とは言わない。この3ヶ月半で総練習回数97回に対してウォーミングアップをやった練習は13回のみ。とにかく、アップを削って練習の序盤で体を温める方法を採用した。

高強度練はウェイト/坂ダッシュのみ。TT/レペ/高強度インターバルはゼロ
→ いわゆる努力度の高い練習は一切無し。"キツかった練習"も一切無し。

3ヶ月半大きな故障はゼロ。数日の練習中断は①風邪 ②プチ故障の2回のみ
前回の自分のトレーニング記事同様に"継続性"が1番のポイントである。

基礎練習を順調にこなしただけであって、ハーフの為の特異的な練習は多くない。結果的にハーフだけでなく多くの種目の競技力が以前よりも向上
→ 中長距離走のための基礎練習を"漸進的"に積み重ねていけば(各カテゴリのトップレベルの選手を除いて)特異的な練習を詰め込まなくても中長距離種目のほとんどの種目で以前よりも競技力を高めることができるといえる。


ハーフ1:09:15と1:07:45の条件比較

記事の内容に入る前に、2020年11月の21.1km走の1:09:15の時と、2021年3月の21.1km走の条件を比較してみる。なお、2回の21.1km走のコースは全く同じで(5km往復×2+1.1km)、距離もほぼ正確である。

11/22:21.1km走:1:09:15Strava】@手賀沼(5km往復×2+1.1km)
気温12℃ / 晴時々曇り / やや風有 / ペーサー有 / 靴👟:飞影PB(乔丹)

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スクリーンショット 2021-03-15 9.54.20

3/12:21.1km走:1:07:45Strava】@手賀沼(5km往復×2+1.1km)
気温13℃ / 曇り / 微風 / ペーサー有 / 靴👟:飞电2.0ELITE(李宁)

スクリーンショット 2021-03-15 20.08.51

スクリーンショット 2021-03-15 9.54.02

・それぞれの21.1km走の間隔は110日間(オフ1週間+3ヶ月半の練習)
・コースは同じ、気温も天気もほぼ同じ(気象条件はどちらも良い)
★ 気温12℃ / 晴時々曇り / やや風有 / ペーサー有 / 靴👟:飞影PB(乔丹)
★ 気温13℃ / 曇り / 微風 / ペーサー有 / 靴👟:飞电2.0ELITE(李宁)

・ペーサー有りでペース設定をそれぞれ設けて走行
★ 1:09:15:16:12 / 16:43(32:55)/ 16:40 / 16:23 / 3:18
★ 1:07:45:15:47 / 15:48(31:36)/ 16:02 / 16:27 / 3:40

結論:条件は"ほぼ"一緒。

この3ヶ月半のトレーニングの成果が、そのまま結果として反映されたと考えることができる。

なお、どちらも中国メーカーの厚底カーボンシューズを使用している。もしこれをお読みのあなたが、中国のよりもナイキの厚底カーボンシューズのほうがいいと思っているなら、私はもっと記録を縮められるのかもしれない


つらくない練習は効果がないのか? → 中長距離走においては大いに効果がある

練習内容の振り返りの前に、以下の為末大さんのnoteからの学びを。

大事なのは「辛い練習」と「パフォーマンスが向上する練習」は違い、パフォーマンスが向上する練習でも辛くない練習はあるということを前提に、毎回意識して立ち返る必要があるということです。
その見極めを自分なりに手に入れるには、結局自分がやっている競技の一番重要なことは何かと考え、それを向上させるために一番良い練習方法が何だろうか、と考え抜くことだと思います。
さらにそれを考え抜くために一番良いのは、練習時間をギュッと凝縮して本当に重要なことだけしかできない状況に自分を追い込むことだと思います。
そうすると「本当に意味があること」しかできなくなるため、結果として競技力向上に直結するような練習を選択するようになります。

以下に記す、私の3ヶ月半のメニューでのポイントは3点
継続性に重きを置いている(低強度練習がほとんど)
練習での努力感は重視していない(中強度練習の工夫)
つらくない練習の継続(つらくない練習は効果がある)

簡単にいえば、基礎練習の積み重ねとは腹八分の練習を継続していくことである(中長距離走の基礎練習の種類については前回の記事に書いている)。


月間走行距離に対する強度の割合

12月【低強度74% / 中強度15% / 高強度11%(ウェイトのみ)
・月間396km(26日)① 16km / ② 90km / ③ 100km / ④ 126km
・練習回数:27回(うちウォーミングアップをした練習:4回)

1月低強度82% / 中強度10% / 高強度8%(ウェイトのみ)
・月間537km(31日)① 115km / ② 129km / ③ 120km / ④ 129km
・練習回数:38回(うちウォーミングアップをした練習:4回)

2月低強度78% / 中強度13% / 高強度9%(ウェイトのみ)
・月間361km(28日)① 124km / ② 30km / ③ 101km / ④ 106km
・練習回数:23回(うちウォーミングアップをした練習:3回)

3月低強度78% / 中強度13% / 高強度0%
・月間106km(12日)① 40km / ② 66km
・練習回数:9回(うちウォーミングアップをした練習:2回)

【2020年12月-2021年3月中旬:約100日間】
・総練習回数:97回(うちウォーミングアップをした練習:13回=13%)
・朝練61回 / 午後練35回(×7中強度練 / ×8ウェイト / ×7坂ダッシュなど)
・2021年は夜(18時以降)の練習:"ゼロ"
・1週間以上の長期の故障や体調不良:"ゼロ"
・追い込む練習 / 引っ張ってもらう練習:"ゼロ"
・(坂ダッシュを除き)3:05/kmより速い走速度の練習:"ゼロ"
・自宅周辺以外での練習:97回中2回のみ
(①25km走 ave.3:26/km ②21.1km走 1:07:45)

基礎持久力を養成する基礎練習の積み重ねは、中長距離走における広範囲での競技力を向上させると私は考えている。そのための練習では、故障せずに継続させることが重要。1人でもできる強度に抑えるということは、そこに追い込む練習 / 努力感の高い練習を必須としない。

また、工夫することによって、自宅周辺での練習の積み重ねで良い練習を重ねることはできる。ここの根幹がしっかりできていない競技志向のランナーは、これらの点の見直しをすると競技力が伸びるかもしれない(少なくともエリートレベルはこれらができているのが当たり前)。

市民ランナーの間でも合同練習でモチベーションを高めることは有効であるが、ほとんどは毎日合同練習をするわけではない。その場合、自宅周辺での練習に注力すると、競技力が高まることがあることを念頭に置きたい。


練習内容【2020年12月】育児家庭の定番:"朝練メイン"に移行して意識していた点

12月以前もロングランの練習に限ってはそのほとんどを朝食前に行っていた。起床後はコーヒーのみ飲んで、脂質酸化能力へのアプローチを。朝練では強度は上げすぎないように適度に。

朝練後には砂糖"小さじ3杯"(あえて大さじでなく)を入れた牛乳を250ml飲む。朝は色々バタバタしているので朝食は控えめにそこまで多く食べない。昼食でゆっくりと糖質を補給する。

牛乳は、どんなプロテインよりも安価で安定して供給されている。味も安定しており、重宝している。最近、練習後にはプロテインもアミノ酸も摂取していなくて牛乳しか飲んでいない。これで十分かな、と思っている。

朝練に移行して意識していたのはシンプルで、早く寝ること。それによって早く起きれるようになった。当たり前すぎることではあるが、夜にすることができなくなるというデメリットも当然ある。

また、冬の時期は朝が寒いので練習前に足先をお湯で30秒程度温めておくのと、股関節周りの動的ストレッチを30秒程度行っていた。

朝練への移行は、この数ヶ月で体重を2-3kg落とす、良い契機になったと感じる。たしかに、糖質が少ない状態で朝に継続して練習を行うと、その適応期間においては体が引き締まり体重が落ち、フィットネス(基礎体力)の向上を著しく感じた。朝に脂質優位の持久運動を行うと、日中も走っていなくとも日常生活において脂質利用の亢進が働くそうだ。

朝に走れば、冬なら綺麗な朝日が東の方向に見えるし、朝ラン後の水分補給は身体中に浸透する。それが気持ちよかったので、朝練はすっかり日課となってしまった。

11/22:21.1km走:1:09:15Strava
11/29:42.2km走:2:38:12Strava】★社会人ベスト相当(非公認)
11/30-12/5(月-土)シーズンオフ(6日間運動ゼロ)

この1週間はジャンクフード食べまくりだったが、体重変動はなし。6月から週1でウェイトやって筋肉量が増えたからかな。これからはしばらく朝練メインで取り組み、中強度のインターバルやファルトレクも朝にやります。これから体がどう変わるかが楽しみ。

という内容の投稿を12月6日のシーズンオフ明けにStravaにしている。

シーズンオフを設けるのは、好きなものを好きなだけ食べて心身の回復とリフレッシュを目的としており、それによってその後のトレーニングに集中して打ち込めるから。

※全てのメニュー内容はStravaに記入。

練習内容【2020年12月】
【第1週:16km】オフ6日間
12/6(日)昼 66'有酸素ランニング(16.0km, 4:08/km)

【第2週:90km】練習5回(18.0km / 回)ウェイト1回 / 休養日1日
12/7(月)休み
12/8(火)朝★27'ファルトレク:3(3'/1')+3(4'/1') ave.4:01/km
★:ウォーミングアップを行った練習(★以外は全て"アップ無し"で開始)
12/9(水)朝 84'ミディアムロング(18.5km, 4:32/km)
12/10(木)朝 63'有酸素ランニング(16.5km, 3:51/km)
+5(35"/35")※200m弱の流し
/ 午後 ウェイトトレーニング(ベントロー /スクワット/デッドリフト)
12/11(金)朝 62'有酸素ランニング(15.0km, 4:10/km)
12/12(土)朝 25kmロングラン1回目(3:59/km)1:33:51
12/13(日)休み

【第3週:100km】練習7回(14.3km / 回)ウェイト1回 / 休養日1日
12/14(月)朝 49'イージージョグ(10km, 4:57/km)+【6×200m登坂走】
12/15(火)朝★CVインターバル【10×1000m(3:19-3:17)R200m65-70"】気温2℃ 👟 飞电チャレンジャー(李寧)/ 午後 30'イージージョグ 6km
12/16(水)朝 82'ミディアムロング(18.6km, 4:27/km)
12/17(木)朝 68'有酸素ランニング(17.4km, 3:55/km)+5(35"/35")
12/18(金)朝 52'イージージョグ(10km, 5:16/km) 
/ 夕方 ウェイト(ベントロー /スクワット/デッドリフト/ ランジ)
12/19(土)朝 92'ミディアムロング(うち71'が芝生 / 20.0km, 4:37/km)
12/20(日)休み

【第4週:126km】練習8回(15.7km / 回)ウェイト1回 / 休養日0日
12/21(月)朝 58'ビルドアップ走 4:10/km → 3:37/km
(15.0km, 3:51/km)+6(35"/35")
12/22(火)朝 51'イージージョグ(10.0km, 5:08/km)
/ 夜★20×400(76-74")R100m 26-28" @墨田F 👟 飞电チャレンジャー
75.6 / 74.2 / 73.0 / 74.3 / 74.7 /
75.2 / 73.9 / 74.9 / 75.3 / 74.8 /
75.8 / 75.1 / 75.2 / 75.2 / 75.1 /
76.1 / 74.9 / 75.2 / 74.6 / 75.0 /
Total. 10km 34:08 (17:07 / 17:01) ave.3:26/km
12/23(水)朝 90'ミディアムロング(18.6km, 4:50/km)※うち12kmは芝生
12/24(木)朝 60'有酸素ランニング(16.0km, 3:46/km)+5(35"/35")
/ 夕方 ウェイト(ベントロー /スクワット/デッドリフト)
12/25(金)朝 50'イージージョグ(9.3km, 5:25/km)
12/26(土)朝 25kmロングラン2回目(3:35/km)1:29:45 👟 Mile 42K Turbo 惊碳(必迈)
12/27(日)朝 40'イージージョグ+坂ダッシュ【5×150m+5×120m】

【第5週:106km】練習7回(16.6km / 回)
ウェイト0回(年末年始ジム休業) / 休養日0日
12/28(月)朝 69'イージージョグ(15.2km, 4:32/km)
12/29(火)昼★10kmTT:5.2kmでDNF(3:15/km)※"基礎構築期ながらも10kmTTを"仕事の一環"として実施したが動きが悪かったので無理せずDNF
12/30(水)朝 84'ミディアムロング(19.5km, 4:20/km)
12/31(木)朝 62'有酸素ランニング(16.1km, 3:53/km)

【12月:396km / 26日】① 16km / ② 90km / ③ 100km / ④ 126km
※最初の5日間はオフ(月間472km相当)

ある程度体に負荷をかける以前にボリュームをとってキャパシティを拡大したいと考えていたので、走行距離のボリュームを増やすことから始めた。低強度練習が中心であるが、月末の10kmTTは"仕事の一環"として仕方なく実施(普段は基礎構築でTTは入れない)。とはいえ、ちゃんと走れるわけでもないので、あまり走りの内容がよくないと判断して5.2kmで終了した。

この1ヶ月はボリュームを増やしつつウェイトも継続してバラランスよく消化。低強度練習中心(74%)となっているが、ジョグの日に坂ダッシュを入れるなどもあり12月に純粋なイージージョグは4回しか実施せず

12月練習総回数:27回(全て自宅周辺)
【アップ無しの練習:低強度練習】20回(うち19回が朝練)
・イージージョグ×4(最長14km:4:20kmより遅い)
・【イージージョグ+坂ダッシュ(高強度)】×2
・ミディアムロング×5(18-20km:4:50-4:20/km)
・ビルドアップ走×1(15km:4:10 → 3:37/km)
・有酸素ランニング×6(15-17km:4:10-3:45/km)
・ロングラン×2(25km:4:00-3:35/km)

※アップ無しの"時短練習"を意識したものが全体の74% ↑これはピラミッドの土台部分に当たる必要不可欠な練習で中/高強度練習のベースになっている。

【アップをした練習:中強度練習】4回
・ファルトレク×1(10km程度:朝)
・CVインターバル×1(12km:朝:10×1000)R200
・ショートインターバル×1(10km:夜:20×400)R100
・10kmTT×1(昼)

【筋トレ系:高強度練習】3回(ジムが早朝に開いてないので全て夕方)
・ウェイト×3(広背筋、上腕二頭筋、臀筋、大腿四頭筋など)
※時短練習のため30分以内で終了できるメニューで実施

強度別割合:低強度74% / 中強度15% / 高強度11%月間396km
※ランの高強度練習は坂ダッシュのみで高強度インターバル/レペ/TTは無し。


練習内容【2021年1月】ロングランの継続:コンスタントにやらなければ意味をなさない

走行距離を増やす上で意識した点が、練習頻度を増やすことよりも、1回で走る量を増やすということである。具体的な例としては週の中日にミディアムロング(ロングジョグ)、週末にロングランとロング系を週2回にしてボリュームを増やした。

週末のロングランは2020年の5月からほぼ毎週やっているが、中日のミディアムロングは今回初めて取り入れた。火曜日の午後に強度がやや高めの練習をした翌朝にミディアムロングでペースはそこまで早くない(4:30/km程度)という練習を意識した。そこで走行距離は20km前後は走りたいので、刺激時間は80分前後でペースを4:30/km程度とした。

よく、ペース走とインターバルのセット練習ということを耳にするが、今の私の場合はペース走ををあまりやらない代わりにファルトレクや有酸素ランニングを重視しており、CVインターバルの翌朝にミディアムロングを入れて"セット練習"だと捉えていた。

インターバルで疲弊するのではなく、余裕を持って終えて、それから12-14時間後に80分程度走るというセット練。故に、インターバルを走り終えてからは翌朝に向けて準備しななければならないので、早く寝ることとなる。

1/1(金)朝 56'イージージョグ(10km, 4:57/km)
1/2(土)朝 ティンマンクラシックワークアウト
44'有酸素ランニング(4:16/km)→ 39分ファルトレク:7(3'/1') → 7(30"/1') → 7(15"/30") トータル20.8km(3:59/km)

1/3(日)朝 52'イージージョグ(9.5km, 5:33/km)

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