鮨カレンダー ~鮨みずかみの1年~ 文月(7月)
本連載は、鮨歴10年超の鮨ブロガーが1年を通して毎月同じお店に通い、鮨の魅力をお伝えする企画です。鮨種(=すしネタ)の変遷から、旬を味わう喜びをお届けします。
1年を通して読んで頂ければ、鮨と魚に詳しくなり、鮨を食べるのが格段に面白くなるはずです。そして、誰かと一緒に鮨を食べに行くときも、鮨のトリビアを説明できる立場になれます。
水無月(6月)の記事
本記事は連載第7号です。
お伺いするお店は、半蔵門の「鮨みずかみ」さん。親方の水上行宣(みちのぶ)さんは、名店「すきやばし次郎」で16年間も修業された方です(他のお店での修行を加えると、修行歴はトータル23年)。
今回は、文月(7月)に伺った際の内容をお届けします。
7月については、タネの入れ替えがあり、夏らしさが一層強まりました。トリ貝とシャコは姿を消し、イワシが現れました。6月と同様にキスやイサキも登場しましたが、味わいは異なり、季節の変化を実感します。さらに、鮪も産地と味がガラリと違い、夏鮪の魅力を強く感じました。個人的には、大トロは旬の冬よりも夏のほうが好みかもしれません。
そして、6月から酒肴で提供され始めた【湯波半老舗の湯波と海胆】や【鮪の生ハム】に再会しつつ味の変化を実感。一層美味しくなりました。さらに、今回は水上親方としては非常に珍しい仕事をカツオに施されていて、伝統や系譜らしい仕事のみならず、独創性も感じることになりました。さらにご自身の色を強めているように感じましたが、色の出し方が穏やかな点が水上親方らしいです。
7月は全体を通して、「夏なのに端正である」と感じました。
それでは、お楽しみください!
文月(7月)の「鮨みずかみ」さんの魅力
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