見出し画像

いつまでも子供心を忘れない

こんにちは、寿司は最高です。

文章を書く練習として、まずは自分の好きなことを書くことが大切だと考えました。そこで今回は趣味の1つである生き物採集について書くことにしました。

とにかく生き物が好き

画像3

私には歳が7つ離れた兄がいます。そして家には兄が子供の頃に買ってもらった分厚い図鑑が置いてありました。その図鑑は世界文化社の「新 ちきゅう大図鑑」というもので、1冊で昆虫、動物、魚貝、鳥、植物を網羅したものです。ささっと調べたところ、Amazonで中古で350円で売られていました。20年前のものですが、内容は十分に楽しめるためあまりにもお得に感じました。兄は図鑑に対してあまり興味を示さなかったらしいのですが、私は物心ついた頃には夢中になって眺めていた記憶があります。アメリカで17年に1回見られるジュウナナネンゼミの話や鉛筆の上に乗れるくらい小さなマメハチドリの話など、ワクワクする内容が満載でした。そして吸収した豆知識を親や友達に披露して、ドヤ顔をしてきました。あとは単純にアザラシやフェネックなどの可愛い写真・イラストに癒しを求めていたのだと思います。
また、山と海で囲まれた場所で生まれ育ったため、幼い頃から虫網と虫かごを持ってアメリカザリガニやショウリョウバッタ、ヤドカリなどを採って家に持ち帰って育ててきました。このようにして、生き物の面白さに魅了された生き物大好き人間が爆誕したのです。

高校生になって...

高校生になって、幼い頃一緒にザリガニを採って遊んだ友達はそういうものから卒業してしまいました。少し寂しい気持ちになりながらも、やっぱり楽しいので1人でも虫網を持って側溝を漁りに出掛けていました。
しかし、ある日その姿を近所に住む同級生の男子に見られて「まだそんなことしているの〜?😁」とバカにされ、悪いことはしていないはずなのに恥ずかしくなって出掛けにくくなってしまいました。
しばらくは生き物採集生活から離れていましたが久しぶりに散歩がてら、側溝をチラっと覗いてみました。すると何かが動き、水が濁りました。…何がいるんだ?フツフツと湧き上がる好奇心が抑えられない、知りたい、調べたい!ラッキーなことに、その側溝は今まで漁っていた側溝とは違い、同級生が滅多に通らない場所にありました。

「よし、虫網を持ってこよう!」

謎の生き物の正体

家から虫網を持ってきて、壁に沿ってガシャガシャと網を動かして掬ってみました。すると砂に混ざって、ピチピチと動く透明なエビが採れました。エビだ〜〜〜〜!!人生で初めて淡水エビが採れました。

⭐️ 捕まえたエビの特徴:目立つようなハサミなし、模様なし、無色で透明度が高い、たまに茶色のものもいる、淡水域で採集、体長1-2 cm、よく跳ねる

昔、タイドプール(干潮時に海水が引いて岩のすきまにできる水たまり)でエビが採れたことがあったなぁ...と懐かしい気持ちになりました。そしてやっぱり生き物採集は面白いと感じました。次に、なんという種類のエビなのか同定したくなったため、インターネットを駆使して調べてみることにしました。

画像2

淡水エビの分類

淡水エビの分類について書いてあるサイトを色々見て、特に分かりやすく書かれていた3つ(Crazy Shrimp蝦三昧Wikipedia)を参考に同定を進めていきました。
まず、淡水エビは大きく分けてテナガエビ、スジエビ、ヌマエビの3つに分けられるそうで、それぞれの簡単な特徴を書いていきたいと思います。

テナガエビ:名前の通り長いハサミ脚を持つ。第1歩脚が大きいザリガニやカニなどに対し、テナガエビは第2歩脚が非常に大きく、よく見るとその内側に小さな第1鋏脚がある。胸の横にm字模様がある。体長は小型種で8 cm程、大型種で28 cm程にもなる。ほぼ肉食性。

スジエビ:関東ではモエビ、関西ではシラサエビなどとも呼ばれている。テナガエビほどではないが、名前の通り体に横方向に黒褐色の帯模様が入っている。体長はメスで5 cm程、オスで3.5 cm程になる。歩脚は5対とも細長く、前2対は先端が小さなハサミになっており、鼻先を越える長さがある。ほぼ肉食性。

ヌマエビ:上記の2種に比べて、ハサミ脚が短いエビ全てがここに入る。ハサミ脚が鼻先を越えることはない。攻撃性や肉食性が弱く、ツマツマと忙しく脚を動かして水垢や藻を食べる。大量に食べ続けるエビ達なので、腸が太くて糞が多い。

→ これらの情報から、捕まえたエビはヌマエビであることが分かりました。

日本にいるヌマエビは主に9種。羅列するとオニヌマエビ、ヒメヌマエビ、ヤマトヌマエビ、ミゾレヌマエビ、トゲナシヌマエビ、ミナミヌマエビ、ヌマエビ、ヌカエビ、ツノナガヌマエビ。んんー...多いなぁ。頑張ろう。そして、色々と調べてみたが思ったより難しく、軽々しく同定に手を出すべきではなかったと少し後悔しました。以下、頑張った結果です。

オニヌマエビ:赤っぽく手足が太い。体に沿って線模様が入っている。

⏩  全然違う

ヒメヌマエビ:体は有色部と白色部にくっきり色分けされる。有色部の体色は赤、紫、茶色、緑黒色、黒など鮮やかで変異に富む。

⏩  全然違う

ヤマトヌマエビ:体の側面にオスは点線状、メスが破線状に赤い斑点が並んでいる 。

⏩  全然違う

ミゾレヌマエビ:眼から下に涙が流れるような線と、その線が下に達した所から跳ね上がる様に斜め上に伸びるもう一本の線がある。側面には 「〜」のような模様が4つ並ぶ。背中や腰が曲がっている。

⏩  全然違う

トゲナシヌマエビ:額角が小さく上縁に棘がない。太く丸みを帯びた体型で全体的に白くくすんだ色をしている。汽水域に生息し、分布は太平洋側は千葉県以南である。

⏩  似てるが違いそう

ミナミヌマエビ:色や模様に個体差が大きい。繁殖に塩分を必要とせずに一生を川で過ごす。分布域は静岡県焼津市(または沼津市)~琵琶湖以南の本州・九州。

⏩  似てる、卵を抱えたエビも同じ淡水域にいたことから一番可能性が高い

ヌマエビ:ミゾレヌマエビという商品名で売られている(ややこしい)。胸部にミの模様、側面に赤と黄の連続模様がある。目より後ろに棘がある。外肢という小さな肢が、歩く脚全ての付け根に生えている 。

⏩   違う

ヌカエビ:胸部に山形の点々模様があり背中や腰が曲がっている。黒目が小さく目より後ろに棘がない。ヌマエビ同様に外肢が生えている。

⏩  全然違う

ツノナガヌマエビ:額角が短いものもいれば長く反り上がっているものもいる。額角が第1触角柄部先端を1/3~1/2の長さで越える。分布域は日本では九州南部から南西諸島にかけて。

⏩  違う

見た目、生息域の情報からミナミヌマエビではないかと考えました。ミナミヌマエビはペットショップでもよく見かける種であり、繁殖に塩水を用意する必要がないため飼育は簡単とされています。…よし、飼える!飼おう!

飼って分かったヌマエビの生態

画像3

その後、ミナミヌマエビを飼ってみて分かったことをいくつか記す。

1. 農薬に弱い

ホームセンターの水草売り場で、エビ類には使用しないでくださいという注意書きが書いてあることがあります。インターネットで調べてみたらホームセンターの水草には残留農薬があることが多く、またエビ類は農薬に弱いということらしいです。過去に1回、ホームセンターで買った水草を、インターネットで調べて出てきた残留農薬の取り除き方法を試した後にエビ水槽に入れたところ、入れて数時間でほとんどのエビの動きが麻痺したように鈍くなり、ひっくり返ってしまいました。急いでエビを他の水槽に移して様子を見ると、そのまま死んでしまうものもいれば急に息を吹き返したかのように元気に動き出すものもいました。良かれと思って入れた水草が大量殺戮兵器となってしまい、悲しみに暮れました。「残留農薬、全然取り除けないじゃないか!😡」と怒りながらインターネットの情報を鵜呑みにしてはいけないという教訓を得ました。

とにかく、エビ類が入った水槽にはホームセンターで買った水草を入れてはいけないです!!

2. めっちゃ脱皮する

20匹くらいを飼っていると、ほぼ毎日新たな抜け殻が落ちています。触覚部分までしっかりと殻があることに感動するとともに、パッと見は死体と同じなため焦ることもあります。脱皮には2種類あるようで、1つは成長によって窮屈になるために行う脱皮で、もう1つは急な水質変化による脱皮だそうです。確かに水換え後に脱皮をしていることが多いかもしれないです。脱皮には大きなエネルギーを使うため、頻繁に大量の水換えをすることは止めておいた方が良いとですね。

3. 繁殖が容易である

透明なエビなため、お腹に黒い卵が付いているとすぐに分かります。そしていつの間にか稚エビが歩いています。稚エビは3 mmとか、もう本当に小さいのですがしっかりとエビの形をしていて感心します。エビを購入すると稚エビが混ざっていることが多いため、いるかどうかをしっかりと確認をした方が良いです。

4. 穏やかな性格

アメリカザリガニと比較するのも可笑しいことかもしれませんが、ヌマエビは本当におっとりしています。警戒心が弱く水槽に指を入れれば寄ってくるものもいます。そして噛んだり挟んだりして来ないため安心して飼うことができます。他の生物と喧嘩することもほとんどないため混泳が可能であり、一般的には水槽の掃除屋として飼われていることが多いです。脚をツマツマ、腹をパタパタと忙しなく動かしたりスィーっと泳いだりする姿は観察していると面白く、主役として飼っても十分に楽しめると思います。

今回はヌマエビについて書いてみました。興味を持った方は側溝を漁るか、ホームセンターや魚専用のペットショップで探してみると良いと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?