コンサル6年目で、同僚からも頼られる後輩が、"いつになっても自信がつかない"と悩んでいたことについて答える
コンサルタントとして6年目にさしかかったのに、まったく自分に自信がつかないでいるので、これから先も、自信がつかないんじゃないか。そもそもいくらがんばっても成長していないんじゃないか。
そんな悩みを抱える後輩から相談がきたので、『自信』というものについて答えてみました。
1.自信がないのは健全
その後輩は、仕事はふつうにできるし、成長もしているし、周りのコンサルタントからも信頼をされているちゃんとしたコンサルタントです。
ちなみに、コンサルといえば、できるやつらがたくさんそろっているイメージがあるかもしれませんが、実は、仕事ができる人間はそこまで多くありません。頼れる人は、多めにみても3割程度です(完全に私見)。
みなさんは、
自分に自信はありますか?
と、聞かれたらどう答えますか?
わたしは、
まったくありません
と答えるでしょう。
へりくだったり、謙虚になっているわけではなく、素直な回答です。
『自信』とは、自分の期待値に対する自分の実力の見立て、です。
だから、じぶんにどれほど実力があろうが、自分がさらなる高みを目指していたとしたら、いまのじぶんに自信は湧いてこないでしょう。
もしくは、まわりから、これまでよりも高い価値をだすことを期待されていたとしたら、自分があるべき期待値にたいして実力がたりないと感じて、自信は湧いてこないでしょう。
見方をかえると、
「自信がない」ということは、まだ成長したい!とつねに上を目指しているか、もしくは、周囲からもっと高いレベルを期待されて、それに応えなければと思っているかのいずれかで、どちらにせよ、姿勢としては、健全な状態であると言えます。
2.具体的に説明する
もうすこし具体的に説明します。
健全な人は、自信がなければ、学習したり、経験を積んだりすることで、やりたかったことを少しずつできるようになっていきます。そして、それにあわせて自信をつけていきます。
ただ、自信がついた時には、次のレベルを目指してしまうものです。
なので、その時のレベルでやるべきことができるようになって、自信あるなー、と感じる機会はあまりありません。
人は無意識に成長を考えているので、同じレベルにとどまれないのです。
それで、次のレベルを目指してしまったら、そのレベルに対しては、まだ実力がないので、「自信がない」と感じてしまうのです。
たとえ、前のレベルであれば十分な自信を感じる実力があったとしても。
これがエンドレスで繰り返されていくので、成長をしたり、実力がついているのに、「ずっと自信がつかない」と感じてしまうのです。
ちなみに、ここでいうレベルとは、なんでも当てはまります。
・卵焼きができるようになったから、次はオムレツをつくる
・10kgのダンベルをあげられるようになったから、次は15kgをあげる
・TOEICで700点とったから、次は800点をとる
・月10万円かせげるようになったから、次は30万円をかせぐ
・LINEでふつうにやり取りができるようになったから、次はデートにいく
などなど。なんでも。
ただし、じぶんが目指しているレベルに対して自信がないと思っているだけで、じぶんが超えてきたレベルには実力はついているので、もし低いレベルに対して、自信ある?と聞かれれば、あるよ、と答えるでしょう。
3.もっと具体的に説明する
わたしの例をとって、もっと具体的に説明します。
わたしは経営コンサルタントをしています。
コンサルタントは、通常、以下のステップでレベルを上げていきます。
コンサルタントのレベルの上がりかた
レベル1|自分の仕事ができる
レベル2|チームリードができる
レベル3|プロジェクトリードができる
レベル4|クライアントから複数のプロジェクトを任せてもらえる
レベル5|複数のクライアントからプロジェクトを任せてもらえる
わたしがコンサルタントになって5年が経ち、ちょうどレベル2ができてきたころの話です。
じぶん自身でそろそろプロジェクトをリードできるようにならないといけないな~と思っていました。
そこにちょうどよく、新人研修のプロジェクトをリードしてほしいと会社の偉い人から依頼がありました。
新人研修のプロジェクト?というと変にかんじるかもしれませんが、コンサルファームでは、新人研修といっても座学は少なく、OJTに近いスタイルで疑似プロジェクトをいくつか経験させて、そのなかで最低限必要なスキルを身につけていきます。
その全体がプロジェクトのようなものなので、新人研修のプロジェクトととらえていて、リーダーとは、その3ヶ月の新人研修の計画から実施までをリードする役割です。新人もプロジェクトメンバーになるため、かれらを入れれば、数十人のプロジェクトのリーダーになります。
わたしには、まったく自信がありませんでした。
でも、やるしかないので、日々勉強して、改善して、なんとか最後までやり切りました。しかも、新人研修が終わったあとも別のプロジェクトのリードをすることになり、それもなんとかやり遂げました。
新人研修やその後のプロジェクトも、やっている最中は、まったく実力や自信がついてきたなんて思いませんでした。それどころかいつも自信なくて、期待にこたえられるかが不安でした。
でも、いま振り返ってみると、あのときプロジェクトをリードする中で、すこしずつ実力がついていたなと思います。
だけど、実力がついてきているタイミングには、自信を感じないし、実力がじゅうぶんについたタイミングには、次のレベルを目指して、これまた自信を感じない。
やっぱり、そういうものなのだと思います。
4.まとめ
よって、
「自信がない」ということは、まだ成長したい!とつねに上を目指しているか、もしくは、周囲からもっと高いレベルを期待されて、それに応えなければと思っているかのいずれかで、どちらにせよ、姿勢としては、健全な状態なのです。
自信がなくても、健全な姿勢をもっているひとは、成長しているし、実力もついているのです。実は。
これは、わたしの見方なので、そうではない捉え方もあると思いますが、こう考えることで、ずっと気持ちが楽になります。
仕事はできるだけ楽な気持ちでやっていかないとつらいですからね。
わたしは自分をやさしくかわいがっているので、そう考えるようにしています。
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次は、「いま自分がやっている仕事は正しいのか?」という同僚の悩みについて考えてみます。
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