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世の中がどれだけ変化しようが、ビジネスで1番大切なことは「人間として正しい行動」をすることだ

京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者の稲盛和夫氏の言葉です。

常に「原理原則」に基づいて判断し、行動しなければなりません
常日頃より、原理原則に基づいた判断をしていれば、どんな局面でも迷うことはありません。

「原理原則」に基づくということは、人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人間として正しいものを、正しいままに貫いていこうということです

わたしは、大学時代に稲盛氏の『生き方』を読み、「判断基準は、人間として正しいか否かである」という考え方を知り、それからは、ことあるごとにその教えを思い出し、したがってきました。


1. なぜ「人間として正しい行動」が重要か

「お金」=「信用」です。
言いかえれば、お金は「信用」を映す鏡です。
「信用」がなければ、「お金」はもらえません。

会社が売上を上げたければ、利用者からの「信用」を増やすしかない。
サラリーマンが給料を上げたければ、会社からの「信用」を増やすしかない。

資本主義とは、いかに社会からの「信用」を獲得するかのゲームであり、
ビジネスの本質は、その「信用」を社会から獲得することにあります。

その本質を考えてみると、人間として正しい営みをすることで、社会からの「信用」を獲得でき、その結果として、ビジネスがうまくいく、という考え方はとてもしっくりときます。

人間として正しくない営み(例えば、詐欺や、恐喝など)でも、お金を得ることができますが、一時的なことで、まわりまわって自分が損をこうむったり、長期的にお金を得られたりすることはないでしょう。

健全に、社会から信用を獲得するためには、人間として正しい道を歩み続けることが、重要なのです。

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もちろん、人間なので、誘惑にのってしまい、正しくない判断をしてしまうことがあるでしょう。わたしも、人を悲しませたり、やるべきことを見て見ぬふりをしたりして、正しくない判断をしてしまったと後から後悔することがあります。

ただ、心の中に「正しい判断をしたほうがいいんだ」という心を持っておけば、あとから反省をして、少しずつ、正しいふるまいができるようになっていきます。

2. サラリーマンは正しい行動がむずかしい?

しかし、サラリーマンをやっていると、正しい判断をしづらい状況があります。評価を上げるためには、会社や上司の判断にしたがって行動をする必要があるからです。

また、クライアントが強いお仕事も同じように、評価を上げるためには、クライアントの判断にあわせる必要があります。

この記事を書こうと思ったのも、「どうするのが正しいのか?」と悩めるコンサルタントサラリーマンの話を聞いたことがきっかけでした。

とあるプロジェクトの話です。

コンサルティングファームでは、クライアントがM&Aをする際のビジネスデューデリジェンス(=通称BDDとよびます)をお手伝いすることがあります。BDDとは、簡単にいえば、売買する会社の事業性の評価をすることです。これによって、その会社にはいくらの価値があるのかを見積もります。

BDDをする際には、財務データや事業計画をリサーチするのですが、上場企業ではないことが多く、その会社から直接、データを頂いたり、インタビューをさせて頂いたりします。

その会社が売却されることを知っていればよいのですが、リサーチの段階では、まだ知らないこともあるので、その場合にインタビューをする際には、「デューデリジェンスをするので、御社の〇〇について教えてください」とはいえず、「御社の親会社から依頼されて、中期計画をつくっているので、御社の〇〇について教えてください」と聞きます。

そう、ウソをつく

悩めるコンサルタントサラリーマンは、このウソをつくことが、正しかったのかを納得できずにいました。

ウソとは知らずに、また、自分たちが親会社に売られるとは知らずに、親会社のために、熱心に自社のビジネスプランを教えてくれたその社長の姿を思いうかべながら。

これは、人間として正しくない行動でしょうか?

ウソをついたことだけを切りとれば、人間として正しくない行動でしょう。一方で、ウソをつき、真実を知らせないことで、モチベーションを下げずに、社会に価値を出し続けることも狙っているのであれば、一周まわってそれは正しい行動とも考えられます。

個人的には、どんな理由があろうが、ウソをついてまで価値を出すことに、正しさがあるとは思えません。しかし、案件の状況まではわからないので、これ以上はなんともいえません。

ここで重要なことは、この話が人間として正しいか否か、ということではなく、ビジネスをしていれば、「人間として正しくない」とわかりながらも、それをせざるを得ない状況があることを理解しておくことです。

なにかを得るためには、なにかを捨てなければなりません。
カメラが欲しかったら、お金を払わなければいけないのと同じように、収入がほしければ、自分の労働時間をささげる必要がありますし、ときには、自分の意思もすてなければならない時もあります。

「人間として正しくない」ことができないのであれば、そんな仕事はやめてしまった方がいい!とは思いません。

やるかどうかはさておき、まずは、その行動が「正しくない」と判断ができることが重要です。その意味で、悩めるコンサルタントは、正しい感覚をもっていてよかったと思いました。

3. えらくなったら正しい行動をしよう

サラリーマンであれば、そのうち、メンバーからリーダーになり、さらに、リーダーたちをマネジメントする立場になります。

上にあがればあがるほど、じぶんの判断でものごとを進められるようになるでしょう。それに伴い、その判断に責任がどんどんと重くなっていきます。

つぎに大事なのは、このタイミングです。

じぶんの裁量で行動をコントロールできることがでてきたら、そのときこそ「人間として正しい」行動ができればいいです。

裁量があるということは、責任があります。責任があるということは、そのとき直面しているビジネスや人間関係で、「信頼」を得ることができるか、否かは、じぶん自身にかかっています。

その時こそ「人間として正しい」判断をして、気持ちよくビジネスをするチャンスです。

わたしは、ほとんどのじぶんの仕事をコントロールでき、クライアントから受ける仕事も選べる立場にいます。

なので、クライアントからの依頼内容が正しくない場合は、その仕事を受けない、もしくは、正しいと思うやり方でカウンターオファーを出すことにしています。はっきりと理由を説明すれば、理解してもらえるものです。

逆に、利益がほとんど出そうにない仕事であっても、クライアントが本当に困っているときには、大変であることを覚悟して、その仕事を受けるようにしています。

そのような振る舞いをしていたら、結果的に、クライアントからつよい「信頼」を得られて、多くのお仕事をいただけるようになっています。仕事以外にも勉強になることをいろいろと教えていただけるようにもなりました。

4. まとめ

まとめると、以下となります。

まとめ
①「人間として正しい」行動をすることが重要

②しかし、「人間として正しい」行動ができない場面はでてくる
 もし、「正しい」行動ができなかったとしても、
 その行動が「正しくない」と判断できることが大事

③じぶんの裁量で行動をコントロールできることがでてきたら、
 そのときこそ「人間として正しい」行動ができればいい


「人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人間として正しいものを、正しいままに貫いていこう」という考え方のもと、何かを判断するときには、つねに「人間として正しいか、否か」を考えています。

ビジネスなんてことを考えなくても、人間は、人とのつながりなしには生きていけませんし、人とのつながりによって心が癒されます。

みんなが少しずつ「人間として正しい」判断を増やせれば、もっといい世の中になるような気がします。「ペイフォワード」にも近いですね。


みなさんも、日々、判断をするタイミングがあると思いますので、次に判断するときに、少しでも意識をしてみてください。

次は、この機会に久しぶりに思い出した『生き方』の内容をまとめてみたいと思います。

少しでもおなじ悩みをもつ人たちの心の助けになればと、noteを書いています。多くの人に読んでもらえる機会をつくれるように、書き続けます。もしこの記事を読んで、「いいな」と思ってくださった方は、広めていただけると嬉しいです。

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