なんとなく内省日記22〜強み•役割〜

今年初めての息子のサッカーの練習日。いつもは太陽が高く昇る時間で日向も多く暖かいが、今日は少しお昼をまわった頃。太陽も傾きはじめ、また先日の雪がところどころに残っており、その冷気を纏った風が吹きつけ肌寒い。でも練習場には子供はもちろんのこと、保護者もたくさん来ていて、賑わっていた。

いつも通り基礎練習から。普段、息子はやらないので貴重な練習時間。腿をあげるのを意識して足を細かく素早く動かしたり、ジャンプをしたり。みんなでやるのは楽しそうだ。その後はドリブルの練習。最近は家の中でボールを足で動かす練習をしているせいか、ボールが足から遠くに離れないようボールタッチできていた。グランドをあちこち探検する娘を横目に見ながら、上手くなったなあと息子を見守る。

基礎練習は早々に終わり、今日はミニゲームをやることに。年上の子も混じったチーム編成。ゲームの前にチームメンバーで話し合うのが見えた。新しいコミュニティでもすんなり入っていける社交性を身に付けたんだな。自分のポジションを理解したのか、左サイドに立つ。ゲーム開始のホイッスルとともにいっせいにみんながボールに集まる。しかし、そこに息子の姿はなかった。左サイドに立ったままボールの行方をじっと眺めている。今すぐパスが受けられるよう近くに動けと声をかけたいところだが、我慢して息子の様子を見守る。ようやく息子のところにボールがきたが、ドリブルでボールを運ばず前に蹴り出してしまった。ドリブル上手くなったのになあとちょっと残念に思いつつも、息子の様子を見続けた。ところが時間が経つにつれ、相手のドリブルやシュートを防いだり、前に向かう仲間の後ろにまわりフォローをしたりするようになった。『仲間がパスを出しやすいように、もっと仲間に近づいた方がいいよ。』とだけ声をかける。仲間の位置を確認してパスを出すのも挑戦していた。そしてしまいには相手のゴール前でこぼれ球をシュート。ゴールネットに突き刺さった。ガッツポーズで飛び跳ねて喜んでいる。良くやった!

自身のチーム内で誰がボールを動かせるのか、自分の役割は何なのか、どうポジションを取れば仲間をフォローできるのか。普段から観察することが好きな息子はその強みをゲームで発揮できた。時間はかかったものの、周りの状況、皆が動く様子を観察して状況を理解しようとしていたのかもしれない。最初は一見消極的に見えたが、それは彼の中で必要な時間であったと思う。彼の特性とその瞬間に置かれている状況を理解し、じっと見守る。そして動き始めた時に声をかけて背中を押してあげるのが、親の役割であることを改めて認識する貴重な時間であった。

練習後、体が温まって頬を赤くし息を切らしながら息子が近づいてきた。集中してたくさん走ったため疲れてそうだったが、満足気に『シュート決めたよ!』と言ってきた。一緒に喜んだ。あれっ、娘は…?息子のプレーを見るのに集中し、娘をしばらく見ていなかった。周りを見渡すと、おてんばな娘が草の茂った急な斜面を声を上げながら滑り降りていた。服が上から下まで砂だらけだ…。

太陽はもう沈みかけている。あたりは薄暗く、風も強くずいぶん寒くなってきた。手を繋ぎ子供たちの温もりを感じながら、家路についた。

この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

33,203件

#子どもの成長記録

31,931件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?