組織も人も変わらない
そのとき、私は、就職の最終面接を受けていました。
目の前には役員の方々が座っています。
いくつか質問を受けましたが、その中で思い出に残る質問がありました。
役員の一人の方が、
「みずほ銀行のシステム統合は何故失敗したと思うか?」
と聞いてきました。
この質問で何を探ろうとしたのか私には分かりませんが、
この質問に対して私は、
「現場のエンジニアはシステム統合の失敗を確信していたと思いますが、経営層が現場の意見に十分耳を傾けなかったことが理由だと思います。つまり、経営サイドの現場軽視が問題の主原因だと考えています」
という旨の回答をしました。
結果的に、経営層の問題点を目の前の経営層に強く指摘することになりました。
帰り道に
「経営層の人達にあんなことを言ってしまってまずかったかな。。。」
これは落ちたな。
とトボトボと家路につきました。
しかし、結果は合格でした。
意外な結果にとても喜びました。
ちゃんと私の話を聞いてくれて懐の深い会社だなと思いました。
その後、より希望度が高い会社に受かったので、その会社に行くことはなかったのですが、今でもその会社にはとても感謝しています。
久しぶりにその会社のホームページを見たのですが、売り上げは当時よりもはるかに増えており、大きく成長していました。
一方、この会社の面接で登場したみずほ銀行ですが、
未だにシステム障害が多発しているようです。
そして、これは私の単なる個人的な予想ですが、
こうしたことは今後も起こるでしょう。
そして、今後もエンジニアを大切したり、その声に真に耳を傾けることはないでしょう。
社風的にそのような発想はないのだと思います。
ここで学ぶべきは、「組織は変わらない」ということだと思います。
キツイ言い方になりますが、「駄目な組織はずっと駄目」だということです。
もちろん、実際には、そうした組織が大きく変化してよくなることはあると思います。100%変わらないとは言い切れません。
ただ、私は、「そう思っておいたほうがいい」と考えています。
言い換えるなら、「組織が変わることを期待してはならない」と考えています。
そのような不確実な期待に基づいて動いていると、不満がわいたり、思わぬ不利益を被ることがあると思います。
変われるのは自分だけです。
例えば、長年組織ぐるみで悪質な不正を行っていた企業が日本にはありますが、私はそのような企業は永久にそのような企業だと思っています。
そのような悪い社風というのはなぜか鍋の底の焦げのように、いつまでもこびりついているものだと思います。
もし、自分の所属している企業が不幸にもそのような企業であったなら、そこから早めに離脱したほうがいいかもしれません。
こうした企業を事前に見抜くのに、以前に書いた以下の記事の方法が役立つかもしれません。
ここまでは企業について書きましたが、私は人間も同じだと思っています。
組織が人の集まりであることを考えると、ある意味当然のことかもしれません。
例えば、以前に書いた以下の記事で登場する上司はタバコの箱をポイ捨てしていました。
そのとき、その上司はおそらく50代くらいだったと思います。
50代でタバコの箱をポイ捨てするような人は、今後、変われるでしょうか?
何かを自ら学び、価値観も常にアップデートして、自分の価値を高めながら時代の変化についていけるでしょうか。
おそらく無理でしょう。
そして、おそらく私が目撃したポイ捨ての後もポイ捨てしていたと思います。
やはり、この例からも分かるように、組織だけでなく「他人にも変わることを期待してはならない」と思います。
そして、さらには他人を「変えようとすること」も出来たらやめておいたほうがいいかもしれません。自分が疲弊するだけになる可能性があります。
この上司の例ばかり使用して申し訳ないのですが、例えば、上記のポイ捨て事件の時に私が、「ポイ捨てはしない方がいいですよ」と言ったらその上司は変わったでしょうか。もし、「そうか、ポイ捨てはいけないことだな。指摘してくれてありがとう。今後はもうしないよ」となるような人なら、その年齢でそんなことはしていないと思います。逆に根に持たれて自分の印象を悪くするだけかもしれません。ただリスクだけが伴う行為に思えてなりません。
「他人を変えることはできない」
とも思っておいた方がよさそうです。
「組織や他人に期待しないこと」を徹底していると、不満や怒りがコントロールできます。何かあってもそもそも期待していないから、不満や怒りがわかなくなります。
逆に会社/上司/部下なら、こうしてくれるはずだ!こうあるべきだ!このように変わるはずだ!と思っていると、自分の思い通りにならなかったときに怒りがわきます。その怒りの根源は、「対象に対する自分の勝手な期待」です。したがって、期待しないことで精神的な安定を得ることができます。
「期待度を下げておくこと」は他にも利点があります。仮に会社/上司/部下が何かいいことをしてくれた場合、期待していない分、深く感謝することができます。
「期待しないこと」は、私が社会で学んだことの1つです。
読んでくださいましてありがとうございました!