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[小説] 筋肉いじめ隊

「俺達筋肉いじめ隊!」
「いえーい!」

 毎日筋繊維をブチブチと千切っている。

「とにかく特訓だー!」
「マッスルマッスル!」

 今日も飽きもせず筋肉いじめ隊はジムに通っているようだ。

「うあっ…! 筋肉が熱くなっていると感じるぜ!」
「んあっ…! 筋肉が気持ち良い…! 快感だぜ…!」
「んぁっ…♡ 気持ち良すぎてっ…♡ 声が抑えられない…♡」

 筋肉いじめ隊はとにかく変態で変人の集まりだ。みんな筋肉ムキムキマッチョマンでとにかく筋肉を追い込みたがるのだ。

「筋肉が悲鳴をあげているのが最高だね!」
「こいつはとことんまでいじめ抜いて、もう無理だって解放された時の快感がもうたまらなく快感で辞めらんねぇぜ…!」
「たまんねぇ…♡ んあっ…♡」

 各々が好きな筋トレをみっちり行った。

「ストップ!」
「はい!」

 筋肉いじめ隊が1ヵ所に集まる。

「よし、今日もみんなでベンチプレスだ!」
「はい!」

 筋肉いじめ隊はとことん筋肉をイジメ抜いている。

「やっぱり筋トレは楽しくて気持ちいいね…!」
「なんでみんな筋トレをやらないんだい?」
「そうだよな。こんなに楽しい筋トレをやらないなんてもったいない!」
「やるだけでもう頭がハイになっちまう…♡ 人類は皆筋トレをすべきだ…!」
「俺が筋肉担当大臣になった暁には全国民に筋トレを義務付けるぜ…!」
「それいいね!」
「キタキタキター! 筋肉がプルプルしてきている! 何かが生まれるぞ!」

 何かが生まれてしまうらしい。それは筋肉を追い込んだ者にしか分からない感覚みたいだ。

「またイッちまったぜ…」
「ハハハ! お前もなかなかの変態だなぁ! まあ俺もだけどな!」

 筋肉いじめ隊は筋肉をイジメ抜いて快感を得る変態集団だ。筋肉をいじめることこそがこの世で最も生きがいとしている。

「筋トレは良いよな。こんなに気持ち良いのにしかも体にまで良いなんてよ! こんなのやるしかねぇだろ!?」
「そうだよなー。しかも筋トレをするとめちゃくちゃポジティブになれるんだぜ!」
「みんなもう家で引きこもってばかりいないで筋トレしようぜ!」
「まあ家の中でも筋トレできるけどね」
「そうだったな。悪い悪い! そういえば筋肉いじめ隊の中に引きこもりのやつが1人いたな」
「影野ってやつだっけ?」
「そうそう。あいつこそ真の変態マッチョマンだ。移動の時間がもったいないからって家の中でひたすら筋肉をイジメているらしいぞ」
「間違いないな。あいつはとびっきりの変態野郎だ。筋肉いじめ隊の中でもあいつが一番筋肉が肥大化しているからな。どんだけ筋トレしてんだよって感じだぜ」
「ああ、さすがの俺でも引いちまうぞ」
「あいつは仕事もせずにひたすら筋肉ばっかりいじめ抜いてるからな」
「そりゃ親御さんさんも大変だろうな」
「だな。でもさあ最近あいつ動画配信始めたみたいでなかなか筋肉をいじめ抜く動画が好評みたいだな」
「クソ、いいよなぁー。俺も動画投稿やった方がいいのかな」
「でもお前、影野のドデカイ筋肉にはさすがに勝てないだろ。それに影野は動画の編集スキルもずば抜けてるぜ」
「たしかに…」
「そもそもあいつほどの筋肉ムキムキマッチョマンの才能を持ったやつが人知れず埋もれなくて本当に良かったぜ。あいつの筋肉はエベレスト級だからな」
「だな。あの筋肉は世間に見せても恥ずかしくねぇ筋肉だしな」

 筋肉いじめ隊の筋肉雑談なのであった。

「とりあえず、今日のジムでの筋トレはおしまいだな」
「エアロバイクでも漕いで帰るか!」
「おう!」

 こうして今日の筋肉いじめ隊の活動は終了したのであった。

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