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【読書感想・要約】プロが語る胸アツ「神」漫画【鬼滅の刃と天使なんかじゃないの切っても切れない関係】

2021年10月に発売されたばかりの『プロが語る胸アツ「神」漫画』という本を読みました。1981年に13歳で少女漫画家としてデビューし、現在も現役の漫画家として活躍する「日本一漫画に詳しい漫画家」こと「きたがわ翔」さん(男性)が書いた本です。代表作としては反町隆史さん主演でTVドラマにもなった『ホットマン』が有名です。

『プロが語る胸アツ「神」漫画』は漫画史全体の歴史を掘り下げるというよりは、時代を変えた名作もしくは漫画家を、各章ごとに取り上げてて深掘りする構成になっています。

自己紹介

こんにちは、Nick(@supersoNick_boy)です。

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というブログを運営しています。

noteでは特にオススメな情報をコンパクトにまとめてお伝えします。

プロの少女漫画家が「鬼滅の刃」を掘り下げる!

『プロが語る胸アツ「神」漫画』では各章ごとに漫画の作品を取り上げて、その作品を深掘りしていくという手法を取っています。

作品単体ではなく、作者の生い立ちや当時の時代背景や、作者が過去に影響を受けたであろう別の作品にまで思考をめぐらしています。作品を単体の「点」ではなく「点」と「点」をつないで「線」として楽しむにはどう向き合えばよいのかということを学術的ではなく楽しんで読める形で伝えてくれます。

別の言い方をすれば、作品だけを見るのではなく、作品に関する「歴史」を学ぶことで、その作品や、作品を生み出した作者を「立体的」に楽しむコツを惜しみなく披露してくれているとも言えます。

最後の章である「『鬼滅の刃』の少女漫画要素」では、なぜ『鬼滅の刃』がここまでヒットしたのか、もっと具体的に言えば、なぜ30~40代の女性の間で大人気になったのかということについて分析されています。

「鬼滅の刃」を多角的に分析するとこうなる

鬼滅の刃を多角的に分析する場合は、『鬼滅の刃』そのものではなく、「なぜ『鬼滅の刃』という作品が生み出されることになったのか?」という視点で作者の生い立ちや、作者が影響を受けたであろう過去の作品や、時代の背景について掘り下げていきます。

『鬼滅の刃』の作者である吾峠先生に関してはほとんど情報がないので生い立ちや過去の出来事などを掘り下げることが難しいのですが、おそらく女性作家であるということはわかっています。

『プロが語る胸アツ「神」漫画』では、少女漫画で多用されている「登場人物が読者に向けた語りかける心の声」であるモノローグが、『鬼滅の刃』でも良く使われていることから、『鬼滅の刃』の作者である吾峠先生は少女漫画からの影響を多く受けているのではないかと推測しています。

そして、少女漫画の名でも、もはや伝説的な少女漫画家になりつつある矢沢あい先生の『天使なんかじゃない』から多くの影響を受けているのではないかと分析しています。

特に印象的だったのは、キャラクター同士の関係性です。『鬼滅の刃』でも『天使なんかじゃない』でも、「素直で元気な主人公とそれを支えるクールなキャラクター」という構造を採用しているという分析です。

素直で元気な主人公は『鬼滅の刃』なら炭治郎で、『天使なんかじゃない』なら冴島翠(さえじまみどり)、主人公を支えるクールなキャラクターは、富岡義勇に対して麻宮裕子という対比になっているのだそうです。面白いのは作品間で性別が逆転しているところですね。

他にも絵柄の類似点や「せつない表情」の使いどころなど、全部書いたらきりがないくらい共通点が解説されています。

このような、作品単体で読んでいるととうてい気づきもしないことをページをめくるたびにハッと気づかせてくれるのが『プロが語る胸アツ「神」漫画』という本です。

『プロが語る胸アツ「神」漫画』を読むことで「鬼滅の刃と少女漫画の関係性」を知識として知り、作品単体ではなく関連するいろんな要素を考慮して、作品を多角的、立体的に考察する醍醐味を味わう楽しさを気づかせてくれました。

『プロが語る胸アツ「神」漫画』のおすすめポイント

作品単体だけでなく作者の生い立ちや、作者が影響されたであろう影響された過去の作品、当時の時代背景までを掘り下げて「なぜこの作品があのタイミングで生み出され、そして名作として名を残すことになったのか」ということを多角的に分析しています。

全部で5つの章からなり、

  1. 普及の名作『ドカベン』と『スラムダンク』

  2. 少女漫画を変革した萩尾望都①

  3. 少女漫画を変革した萩尾望都②

  4. 「鴨川つばめ」が残したもの

  5. 『鬼滅の刃』の少女漫画要素

という構成になっています。

新書ということもありそこまでボリュームはなくあとがきまで含めても200ページくらいです。数時間あれば読み切れてしまいます。

もっと詳しい内容を知りたい方は

今回の内容はブログで書いた記事をかなりコンパクトに要約したものです。

元の記事ではもっと詳しく解説しています。例えば

  • 鬼滅の刃を作品単体で掘り下げて分析した場合の考察

  • 「ドカベン」と「スラムダンク」の関係性

  • 構成から学ぶ「伝わる」コンテンツの作り方

といった情報が満載で読み応えのある内容です。

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