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大全集無視の戦闘力考察⑩~フリーザ戦中盤~【ドラゴンボール考察】

*題画出典:ドラゴンボール完全版21巻

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前提

  • ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版の描写のみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)

基準

  • 全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。

  • ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍前後の差があるものとする。

引き続き、フリーザ戦中盤の戦闘力について考察していきたい。


第2形態フリーザの戦闘力

ベジータに挑発されたフリーザは第2形態へ変身する。
変身したフリーザは以下のように言及している。

ちなみに戦闘力にしたら100万以上は確実か・・・

出典:ドラゴンボール完全版20巻

このセリフは劇中で戦闘力が言及される最後のシーンでもある。
戦闘力がわかっている相手に比較対象がいないため、「100万以上」が具体的にいくつなのかは全くわからないが、「確実か」というニュアンスからは、100万は超えているが200万近くまではいかないような印象も受ける。
そしてこの100万以上が第2形態の全力なのか、それとも気を入れていない今の状態のことなのかもわからない。ただフリーザの有名な「私の戦闘力は53万です」のシーンは力を抑えた状態での発言だったため、この時も恐らく「全力を出せば100万以上」と推測できそうだ。

また、この変身直後のフリーザを見たベジータは非常に狼狽していた。

ま・・・まさか・・・こ・・・こ・・・・・・こんなことが・・・

出典:ドラゴンボール完全版20巻

くっくっく・・・なさけない面だぞベジータ!
どうやらここまで強くなってしまうとは想像外だったらしいな!

出典:ドラゴンボール完全版20巻

ベジータはザーボンの事例から変身による戦闘力の上昇幅を概ね推測していたはずだが、フリーザはその想定を上回っていたのである。ザーボンの変身後のアップ幅は約2倍(本考察基準)だが、フリーザの変身が2倍を大きく上回っていたことは確実と思われる。

しかし1点、ベジータがフリーザの全力(53万)を事前に知っていたかは疑問がある。この時のベジータはかなり考えが甘い印象を受けるため、そもそも初期フリーザの戦闘力見込みが正しくできていなかったのではないだろうか?
そうだとすると、変身直後のフリーザは53万の2倍以上というわけではなかったのかもしれない。

結論としてはこれらを踏まえ、ここでは第2形態のフリーザは気を入れる前の状態で90万程度、最大で145万程度だったと推測したい。

気を入れる前の90万については、ベジータと力比べをしたフリーザの30万(前回考察参照)を基準に、ベジータは2倍になると考えていたが、想定を超えて3倍(90万)にまでなってしまって驚愕した状況と推測。
最大値には強い根拠は無いが、変身後から2度の気の開放を経ており、初期段階(90万)からある程度の差があるだろうことに加え、後のインフレをなるべく抑える観点も含めて145万程度と推測したい。

怒り悟飯の戦闘力

クリリンがやられたことにより悟飯は逆上、フリーザを一方的に攻撃する。

出典:ドラゴンボール完全版20巻

キック1発、アッパー1発、ボディブローを連続で複数発、さらにフリーザを蹴り飛ばしたところにエネルギー波で連続攻撃を加えた。

出典:ドラゴンボール完全版20巻

ベジータもこの時の悟飯には驚愕している。

出典:ドラゴンボール完全版20巻

しかし、フリーザには多少効いたものの、明確なダメージは与えられなかった。

出典:ドラゴンボール完全版20巻

この時のフリーザは前述の戦闘力基準で90万になる。
ベジータの驚愕っぷりからすると、この時の悟飯はベジータは超えていたと見て良いだろう。しかしそれでもフリーザにはさほどダメージを与えられなかった。

似た戦闘描写としてはリクームとベジータの戦いが挙げられるだろうか。以前の考察ではリクームは54000、ベジータ36000と想定しているが、フリーザと悟飯が同じ差だとすると、90万と1.5倍差で悟飯の戦闘力は60万になる。
ただし、フリーザはリクームよりさらにダメージが小さかったようにも見えるため、もっと差は大きいのではないか。差を1.7倍まで広げると、悟飯の戦闘力は53万になる。

53万、奇しくも第1形態フリーザと同じ値になった。この値を正とするならば、第1形態の時に悟飯が怒っていればいい勝負になったはずで、勝てるというベジータの見込みもあながち間違いではなかったのかもしれない。

なお、この後フリーザは悟飯をボコボコにするのだが、その時のフリーザは気を開放しており、110~120万くらいだったのではと推測する。

復活後クリリンの戦闘力

クリリンはデンデの回復によって復活、気円斬で奇襲をかけ、尻尾を切断する大戦果を上げる。

出典:ドラゴンボール完全版20巻

この時の気円斬はフリーザを切り裂いた。しかしクリリンの気が大きく上がっていたかというと少し疑問があるだろう。
クリリンは地球人なので死の淵からの復活で力が上がるわけではないし、悟飯の怒りのようなファクターも無かった。気が大幅に上がるような裏付けが無いのである。
この気円斬は不意打ちであることだし、クリリンの気が上がったからではなく、フリーザが尻尾まで力を入れていなかったために切断できた、という描写なのではないだろうか。

また、この後もフリーザは連続気円斬を避け続けるが、これもフリーザが気円斬を脅威に感じたからとは言えないだろう。
フリーザは気が読めないこともあって、瞬時に威力を判断できたとは考えにくい。恐らく生理的な判断として避けた+復活に驚いて慌てた、という状況ではないだろうか。避けたこと自体はクリリンの気が上がっていた裏付けにはならないと思われる。

これらのことを踏まえ、ここではクリリンの戦闘力は23000と想定したい。
クリリンも戦いの経験の中で気のコントロールがアップデートされ、前回考察(悟空ギニュー戦)の18000から伸びたとは推測するが、やはり特別な能力の無い地球人であるし、劇的な伸びでは無いのではないか。

ここはかなり解釈が分かれるポイントでもある。アニメ版では界王星で修行した面々がギニュー特戦隊を軽く片付けるなど、地球人も劇的に強くなっていた。
しかし、ギニュー特戦隊は本来、突然変異で生まれた戦闘エリートを宇宙中から集めた集団であるし、そんなに簡単に超えられるとも考えにくいのである。
アニメ版はあくまでパラレルワールドであり、別の世界だとここでは解釈しておきたい。

ネイル同化ピッコロの戦闘力

ネイルと同化後、ピッコロは第2形態フリーザと対峙する。
この時のフリーザは1回気を開放して上げているが、ピッコロは互角以上の戦いを繰り広げた。そしてピッコロを強敵と見たフリーザはさらに気を上げて本気を出す。
本気後の戦闘描写を見てみよう。

フリーザは突進して肘打ちを食らわせ、頭を殴りつける。

出典:ドラゴンボール完全版21巻

ピッコロは追撃を躱して空中に超スピードで逃げるが、フリーザは追い越し、ハンマーパンチで地面に叩きつけた。

出典:ドラゴンボール完全版21巻

ピッコロの体は震えており、一定のダメージはあったと思われる。

出典:ドラゴンボール完全版21巻

しかしピッコロは重い装備を身に着けたままで戦っており、「自分も本気では無かった」と宣言する。

この「本気のピッコロ」が第2形態フリーザと戦う描写は無いため、ピッコロがその前の戦いでどの程度力を抑えていたのかが焦点になる。

一番のポイントは重い装備だが、この重いターバンとマントは同化前から着ているものなので、同化前の戦闘力でも着こなせる程度の重さだったと考えられる。同化のパワーアップは非常に劇的な、それこそ何十倍にもなるものだったため、重さが影響を与えていたとは考えにくい。

この時のピッコロは急いで救援に向かっており、パワーアップ後にわざわざ重くし直すことも無かっただろう。だとすると、実は重い装備の影響は殆ど無かったのではないだろうか?

とするとピッコロの「本気」とは、単純に力を抑えていた分がどのくらいだったかになるのだが、これは全くわからない。事実としては、装備を脱ぐ前のピッコロは、本気のフリーザにはそこそこ一方的にやられており、ダメージも受けていたということである。
2人が殆ど互角の力を持っていたことは間違いないだろうが、上記の描写を踏まえると、ピッコロは第2形態フリーザにわずかに及んでいなかったのではないだろうか?

以上のことを踏まえ、ここではピッコロの戦闘力はフリーザよりわずかに下、135万と想定したい。

議論が分かれるところでもあるし、ピッコロが上だったとしても大きな矛盾は無いが、やはり重い装備の影響が軽微だっただろうことを考慮すると、全力同士ならピッコロがほんの少しだけ下だった説のほうが説得力があるのではないかと思う。

第3形態フリーザの戦闘力

ピッコロに苦戦するフリーザはさらなる恐怖を与えるために第3形態に変身する。

「ちょっと拝見」と襲いかかるフリーザから逃げるピッコロだが、あっというまに追いつかれてしまう。
その後はフリーザの目にも止まらぬ速さの「ひゃあ(デスビーム)」を連続で打ち込まれ、一方的になぶられる状態となった。

出典:ドラゴンボール完全版21巻

この時のフリーザは遊んでいるような態度で本気では無かったと思われるが、ピッコロはまるで手も足も出なかった。

これはさすがに「手も足も出ず瞬殺される基準」の1.8倍を上回る差がありそうなため、ここではフリーザとピッコロは2倍の差とし、第3形態フリーザの戦闘力は270万と想定したい。

フリーザの本気が全く見えない以上、もっと差があってもおかしくないのだが、あまり高くしすぎると今後の破壊描写との整合性も取れなくなるため、この程度に留めておきたい。

復活後悟飯の戦闘力

窮地に陥ったピッコロを救ったのは悟飯だった。
悟飯はフリーザに蹴りかかった後、フルパワーの気功波を放つ。

出典:ドラゴンボール完全版21巻

これにはフリーザもかなり苦戦をする。

出典:ドラゴンボール完全版21巻

最終的には無傷で弾き返すのだが、「あれほどの戦闘力」と評価するなどかなり強力な技だった。

出典:ドラゴンボール完全版21巻

悟飯は先ほど53万と想定しているが、その後に一度瀕死から復活して気を上げているため、さらに上だったのは間違いないだろう。

しかしこの時の悟飯には1点気になる部分がある。この場面の悟飯、そこまで怒っていないのだ

「やめろーっ!!!!」と必死で飛び出してはいるが、

出典:ドラゴンボール完全版21巻

その後の「おまえなんか死んじゃえー!」「フルパワーだ!」は、割と正気を保った状態で攻撃している。

その前に第2形態に怒った際は、こんな感じだった。

出典:ドラゴンボール完全版20巻
出典:ドラゴンボール完全版20巻

鬼の形相(しかし鳥山先生の絵の迫力は素晴らしい)で怒り、言葉にならない言葉を発している。そしてその後、正気に戻る描写も存在した。

出典:ドラゴンボール完全版20巻

それと比較するとこの時は冷静な印象があり、怒ってはいるが、理性を失うほどの怒りでは無かったと言えるだろう。そのため、この時の悟飯の強さは怒りよりもベースが強くなったことの影響が大きいのではないだろうか。

第2形態フリーザ時の悟飯の戦闘力は30000と想定しているが、それが怒りで53万までアップしたとすると上昇幅は17倍強になる。そして今回の怒りはこの時ほどではなかったとすると、上昇幅は10倍くらいに留まるだろうか。

また、フリーザは多少苦労しつつも無傷でエネルギー弾を跳ね返していたが、似た描写としてはナッパに放った悟飯の魔閃光が挙げられる。この時のナッパと悟飯の差は本考察基準で2.25倍だ。

この比率を270万のフリーザに適用した場合、悟飯の戦闘力は120万となる。そして今回の怒りの上昇幅が10倍だったと仮定した場合、悟飯の怒り無し状態の戦闘力は12万になる。

これはなかなかいい値ではないだろうか。元が30000の悟飯が激しく怒り、53万に達して第2形態フリーザに反撃した。
瀕死復活後、元が12万にアップした悟飯が怒り、120万に達して第3形態フリーザを押し留めた。描写として違和感は無さそうだ。

また、この時ボロボロのピッコロは優しく悟飯を褒めているが、そこに驚きや期待の感情は含まれていなかった。
ピッコロの慈愛が感じられる名シーンだが、悟飯がピッコロより上には達しなかったことの裏付けにもなるだろう。

まとめ

第2形態フリーザ(初期) 90万
第2形態フリーザ(全力) 145万
悟飯(激怒) 53万
クリリン 22000
ネイル同化ピッコロ 135万
第3形態フリーザ 270万
復活後悟飯 12万
復活後悟飯(怒り) 120万

この頃の戦闘力も大全集では記述が無い。ゲームの値では、SFCの超サイヤ伝説では第2形態フリーザは100万、第3形態で155万に設定されている。また、ピッコロは通常の同化では最大100万程度だが、オリジナル展開でデンデと融合することができ、その場合は190万までアップの上、流派が「超」になる。このピッコロだと最長老カード(戦闘力1.5倍)を使うことで(厳しい戦いだが)ソロで強引にフリーザに勝つことも可能である。

余談

  • 第2形態フリーザは自身の戦闘力値を正確に把握していないようだった。恐らく、普段変身をすることが無いためスカウターで測る機会が無かったのか、もしくは技術的に測れるスカウターが無いかのいずれかだろう。また、第一形態の53万は新型スカウターが爆発する数値であるため、惑星フリーザには53万に対応する携帯型で無いスカウターがあるのだと思われる。(アニメでは据え置き型のものが実際に登場している)

  • フリーザの戦闘ジャケットは実は外殻でフリーザ軍の戦闘服はそれを模して作られていた、という裏設定が後に明かされている。ということは、フリーザはパンイチ黒ブルマで戦っていたわけではなく、黒ブルマは皮膚だったのだ。(でもザーボンはやっぱりニーソブルマなんだよなぁ)

  • 悟飯が怒って第3形態フリーザにエネルギー弾を放つシーンは空中から下に向けて放っている。この時の悟飯の戦闘力を考えると、フリーザが受け止めていなければナメック星が危なかったかもしれない。

次回、最終形態フリーザ戦に続く

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