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AJPMRで注目の新連載!Special Research Section

▼ 文献情報 と 抄録和訳

多忙な理学療法士のEvidence Informed Practiceを強化するための研究知識の統合。新しい「特別研究」セクションの紹介

Kumbhare, Dinesh, and Walter R. Frontera. "Integration of Research Knowledge to Enhance the Evidence Informed Practice of the Busy Physiatrist: Introduction of the New “Special Research” Section." American journal of physical medicine & rehabilitation 101.1 (2022): 1.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

✅ 新連載の紹介概要
- この度、American Journal of Physical Medicine and Rehabilitationに「Special Research Section」を設けることになった。このセクションの目的は、臨床疫学、統計学、リハビリテーションに特化した研究の実施に関する原則(基礎的なものから高度なものまで)の知識を読者に提供すること。
- 臨床経験と病態生理のみに基づく非体系的な根拠を重視することを減らすことで,リハビリテーションの分野での進歩を提供したいと考えている。
- このセクションでは、研究課題、介入、実験群と比較群の妥当性、サンプルサイズの決定、統計解析計画の適合性、提示された手法から結果が期待できるか、研究課題は解決されたか、研究の限界の理解、妥当性と一般化可能性、その他の重要事項を含む研究方法の評価において、読者を支援することを目指している。
- 本シリーズの記事は、発表された情報を解釈し、統合するためのツールや戦略を読者に提供することを目的としている。質の低い科学的研究と質の高い科学的研究を見分ける能力、システマティックレビューや診療ガイドラインを解釈する能力が強調されるだろう。私たちの意図は、読者に医学文献を理解するスキルを提供し、新しい情報を診療に取り入れることができるようにすること。そのため、読者の皆様にとって、興味深く、役に立つ内容であることを期待しています。

<第一回:Special Research Section>
『リハビリテーションにおける臨床的意義の理解;研究者・臨床家のための入門書』(doi.)

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▼ So What?:何が面白いと感じたか?

以上の説明文から読み解けること。
このセクションでやりたいことは、読者の「研究の実施能力(Data to Evidence: D2E)」「エビデンスをしっかり理解する能力(Evidence to Knowledge: E2K)」を高めさせることである。
D2E、E2Kなどの詳細については以下noteを参照。

こんな声が聞こえてきそうである。
「研究法の話?、もうだいたい知ってるよ。つまらなそうだし。というか近々で必要ないし」

勉強法には、大きく2つあると思っている。
バックキャスティング型とフォアキャスティング型である。

✅ 2つの勉強法の概要
▶︎バックキャスティング型勉強法(以下、バック)
・必要や目的にはじまる勉強法、「・・・のために」の勉強
・臨床でであった疑問や知識需要を埋めるための勉強などがあたる
・必要に迫られた強烈な勉強になりやすい
▶︎フォアキャスティング型勉強法(以下、フォア)
・必要や目的に迫られない、ただ方向性を持たない生長のための勉強
・教科書を網羅的に学ぶことや、論文の連載から学ぶことなどがあたる
・未知の可能性に着手しやすい、自分の既知領域を増やしやすい

バックは、レーザーポインター型である。
目的に向かって伸びる一本の光を強烈に鮮明にする。
知識が引き締まり最適化・洗練化される、その目的や必要だけに。
だが、最適化には弊害もある。
競輪選手の鍛えられた下肢筋肉では「うまく歩けない」というようなことが起こりうる。
いま持っている手札だけを強くしても、未知には気づけない、可能性を増やせない。

フォアは、太陽型である。
世界全体をその光源から照らしその範囲を広めていく。
知識が無目的に膨張する。
方向性を持たないため、その使い道は、その都度検討していく必要がある。
非効率的な勉強法、「知識の肥満」、と言えるかもしれない。
だが、新規の手札を増やす、という営みである。

「いま必要なことだけをやりゃいいじゃん。大人なんやし。」
いや、それはどうだろう。
お前が、いま、出会っている世界は、今、お前が持っている手札が規定しているとしたら?
世界は無限に広がっている。
でも、個人が経験する世界は、始めたてのドラクエのマップのように黒く塗りつぶされているんだ。
その世界を照らすのは、「既知」。知識だ、手札の多さだ。
歩いたことのある道が、僕らのマップを形成する世界だ。

必要は発明の母、とはよく言ったものだ、確かにそうだろう。
だが、すでに持っている知識が必要を見える化する、気づかせてくれる、という前段階があることを忘れたくはない。
ぼくは、まだまだ自分自身の未知や、環世界の拡大を強く信じるし、このセクションから全力で学んでいこうと意気込んでいる。

既知で世界を照らし広げながら
未知の存在を信じ続けよう

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【あり】最後のイラスト

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