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劇場版ハイキュー!!《好きすぎるが故に満たされない》①

※映画のネタバレ、好きが故の拗らせを大いに含みます。


【劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦】を観てきました。
まず言いたいのは、最高でした。
心臓を掴まれて、揺すられて。
見終わる頃にはグッタリ疲れるくらいに映画にのめり込みました。
あれ、タイトルとなんか違くね?って思った方、すみません。
基本的には大満足、映像で見れた事が幸せ。
キャラクターに命を込めてくれてありがとう。
本当に、本当に、幸せで有意義な85分でした。

ですが、欲も出てしまうんです。
大好きな作品だからこそ、もっと良い部分を見せれたんじゃないか。
もっともっっとキャラクターの魅力を伝えられたのではないか…と。
あのシーンが見たかった、あの台詞が聞きたかった…

そんな、《好きすぎるが故に満たされない》男の映画レビュー。
(拗らせたオタクが騒いでるよ、ニヤニヤ)
くらいの気持ちで読んで欲しいです。

映画のあらすじ、キャラクターの詳細はホームページへ。


「受けて立つ」


では早速、試合開始前の二人の握手から。
武田先生「満を持して、勝ちにきました。」
猫又監督「受けて立つ。」
と原作とは違う絡みに興奮しました。
ここでちょっとウルウルしてます。

良いアレンジ!とも思ったのですが猫又監督と鵜飼元監督の学生時代の話が無かったのはちょっと残念。

原作では練習試合で戦ったものの、公式戦では戦えず、お互いに指導者としての道を歩んでいく様が描かれていきます。
そのうえで
「次は負かす。」
「…受けて立つ。」
二人の掛け合いが何度もあるんです。

決戦直前に実況の人が試合前にこんな会話してましたよ〜と、鵜飼コーチと猫又監督の会話を話します。
「今日は勝ちにきました」
「受けて立つ」
それを鵜飼元監督が病室で聞くんです。
実況の人が言ってくれたお陰で、その場にいない鵜飼元監督に声が届くんです。
んで嬉しそ〜に笑うんです。
いやぁ古舘先生の優しさが感じられるシーンだなぁと。

結果的には映画版と原作、どっちも良い。


「残便野郎(笑)」

ここも原作ファンは見たかったんではないでしょうか

虎〜!頑張れよ〜!
東京のやつは応援多いな〜
的なシーン。

原作では音駒の応援席から黒尾さん格好いい〜
リエーフくんのほうが〜みたいな会話が繰り広げられます。
ですが、その時選手たちはこんな会話を…

めっちゃ見たかった(笑)
しょーもないシーンですが、音駒の仲の良さ。
良い意味で緊張感がほぐれている感じ。
真面目な顔でこれ話してるの最高です。
85分ですし、しょうがないですね。
制作側も苦渋の決断だったと、、。


「もう一回が無い試合だ、研磨」

試合のシーンに入りました。
1点目。いきなりの名作画。
息が止まりました。

試合開始の笛。影山のサーブ。
前日の稲荷崎戦、過去の強豪たちを苦しめてきたエグいサーブです。
観客も初めから5点くらい獲っちゃうんじゃ?
と思うほどの強烈なボール.…
音駒の海くんがスッッと動いて当たり前のように上げます。
リベロでもない、ラインギリギリにグニャっと曲がるようなボールなのに!!!!
Aパスで研磨の頭上へ→リエーフ速攻!!!!

西谷があげるも、少し乱れる。
影山はすぐに落下点に入り、田中にトス。
アンテナまで伸びる、フワッとした綺麗なトス。
前日の稲荷崎戦で開花した、超インナースパイク!
ブロックの内側!!!!…を攻めたのに。

トラがあげる〜〜
見たの初めてですよね?なんで居るの。
だけど少し長いボールはネット際に。
リエーフが烏野コートに押し込む。

大地さんが辛うじて上げます。
影山から日向へのマイナステンポの速攻!!

からの日向と研磨の回想
「勝ってどう思った??」
「別に、普通かな…。」
「次は必死にさせて、俺達が勝って、『別に』以外の事言わせるからな!!!」

「最近思うよ。翔陽は面白いから練習じゃない試合やってみたいかもって。負けたら、即ゲームオーバーの試合」

場面は試合シーンに。

日向の打ったボールは、研磨の手を弾いて後ろの客席へ。

「『もう一回』が無い試合だ!研磨!!!!!」

ニヤリ.…


くぅぅぅぅううう。
ここはやばかったですね。
一点目、観客と実況を置いていきます。
両チームがどれだけ高いレベルで戦っているのかが、ギュッと詰まったシーン。

どの部分がどうすごいのか、初見の人は絶対にわからないんじゃ…
細かい部分はファンにだけ伝わるのかもしれない。
でも試合の臨場感、スピード感。
その再現性の高さはきっと多くの人を試合に、作品に一気に引き込んだともいます。
テンションあがりました。

『祭りじゃあああああああ!!!!』


音駒目線で烏野を見たシーン。映画の感じも良いですが
漫画の描き方は日向の不気味さが際立ってもっと好き。


実は何名かのレビューを見て、ハイキュー初めての人は「もう一回がない試合」って意味が正確に伝わってないな~ってちょっと悲しくなりました。
確かに文字だけ見ると、『三年生にとって引退になる最後の試合』『負けたら春高が終わって、敗退してしまう試合』という意味に感じてしまうのは分かるんです。

研磨や日向が言っていたのは、
練習じゃない試合。負けたら即ゲームオーバーの試合。

同じようで、違う意味なんです。
研磨は試合の勝敗にも、先輩が引退だとか、ゴミ捨て場の決戦を多くの人が待ちわびてたとか、興味はないんです。
研磨はそういったことには熱を持たない。
目の前の敵がどんな奴で、どう攻略すれば勝てるのか。

そして出会ったのが、日向。
会うたびに進化していく。
何をするか、何を考えてるか分からない。
常に想像を超えてくる相手。
合宿で何度も戦い、「もう一回」を繰り返してきた。

そんな奴らだから、本気でやって、全力で潰したい。

RPGのゲームでラスボスに何度も挑むのでは無く。
この戦いに負けたら、世界が滅びてしまう、勇者は死んでしまう、そんな戦いを。
”ナイフを突きつけあうような戦い”を
研磨はしてみたかったんです。

それが彼らの『「もう一回」が無い試合』

この映画をきっかけに、ハイキューのアニメを見たり、漫画を読んだりする人も増えると思います。最初のシーンは、原作を知った後だと色んな事が詰まっている最高の場面です。面白いと思った方は最初から見て、もう一回映画館へ。きっと見え方が変わります。


②に続く。

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