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孝のように書きたい 〜齋藤孝の研究1〜

タカシはほんとに多筆・速筆である。

さっき平野啓一郎氏のスロー・リーディングを探していて、ついでにそこで紹介されている「遅読のすすめ」の山村修氏の本を検索するために「遅読」をキーワードに検索したら、読書術関連の本が検索結果にメチャクチャ出てきて、そんなメソッドにも孝はいっちょかみしているから、口述筆記なのか、孝自身がすでにAIなのか、ちょっといぶかしんだ。

昔、われわれの若いころに孝のポジションに君臨していたのは、加藤諦三という人である。まだご存命なのは喜ばしいが、さすがにポジションを孝に明け渡さざるを得なくなったのか、刊行スピードは遅くなっている。1938年生まれだから、故・三宅一生と同じくらいか。

じゃあ、そんな孝の本を自分はどれくらい持っているのかと言うと、あんまりもってないかも。うぃきで調べたら、2020年の刊行数やばいよ、孝。さすがに出し過ぎでしょ、孝。

たぶんウィキペディア書いている人も、著書目録を書くの追いついてなくて、2012年に刊行したリストから、急に2020年の著作リストにとんでる。それくらいなんだよ。もしかすると、孝、どこかでAI実装したのかもしれないな。なんで、それに気づいたかっていうと、『読書する人だけがたどり着ける場所』(SB新書)買おうかな、と思ったら、それがウィキにないんだもん。

実際、2013~2019年の間にどれくらい孝が出してるのか、わかんないよね。誰か、孝を止めてくれ。孝の暴走を止めてくれー。ウチダでいいから、ちょっと苦言を呈してくれー。

いやいや、こんなこと言ってるけど、俺は別に孝の行為を茶化したいわけじゃなくて、孝に向き合いたいんだよね。向き合うために、新宿の駅ナカの本屋に寄ったら、孝の本、あったよ。すごいよね。読書術の本があればなー、と思ったけど、読書術の本は流石になかった。

あったのは『本当に頭のいい人がやっている思考習慣』(2024)

新書なのに1000円もしやがったぜ。

孝はもともと身体論に基づいてる。90年代末から2000年代初頭にかけての身体論ブームのときに、孫悟空の如くBorn from an egg on a mountain top登場した孝。そういえば、『人は見た目が9割』のイチロー竹内さんも、演出家で身体論をベースにしていたよね、そんな時代。

でもそこからどんどん孝は、活動の場を広げて、NHKまでも手中に収め日本語であそぼた。SNSをやってるのか知らんが、もうbotみたいなもんだよね。声に出して読みたい孝。脳内アプリみたいなもんで、孝がインストールされてない人、あんまりいないよね。だって、教育テレビは孝の独壇場だから。

ごめん、孝ファンごめん。言いすぎたかも知らん。でも、諦三さんと比べても、ちょっと2020年は多すぎる。これ孝の全集とか出したら、どうすりゃいいのって話だよ。

俺もさ、孝のことは嫌いじゃないよ。なんかいい人そうだし、炎上しないし、もしかしたら本当に真剣に何かを伝えようとしているのかもしれず、理想の老後印税生活がそこにありそうだけど、一体何を伝えようとしているのかを考えようとしたら、あまりに著作が多すぎてビビったんだよ。

俺、読んでてわかると思うけど、あんまり孝のようなポジションの人の書く本って買わない方なんだよ。でも、家の中を探したら3冊くらいあって、どこにでもいるな孝って思って、「社会現象としての齋藤孝」「いいひと」の表象と令和の御代について考えようと思ったんだね。でも、挫折した。多すぎる。

AbemaTVとかには出ないけど、芥川賞狙うよりも、孝の次のポジション誰か狙い目じゃね、という話。


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