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#調香師
100年前の ある挿話_1_彼女の希求
序ある香水は、何故、身体の芯を震わせ、心に響きわるのか.
そうではない、香りとの違いは、何なのか.
当ラボのミッションは、精神に響く”香り”の存在を理解することで、そのために様々な角度から香りを捉える試みを続けている。
香りを理解するためには、物質としての香水のみならず、それを捉える人の仕組み、さらには香りの文化としての一面をも知る必要がある(Fig.1)。
目で見ることができない、現在主力の
東京残香_青山一丁目
***失われていく街の香りを、物語の印象として記す試み****
東京残香 青山一丁目
ラルチザンパフューム L’ARTISAN PARFUMER
TIMBUKTU EDT composed by Bertrand Duchaufour 2004
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あれ、通り過ぎてしまった?
道を間違ったのかも?
思わず歩いて来た道を振り返る。
Short story_水鏡
水鏡 MARIAGES FRÈRES flavor tea_Lotus
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イメージを想起させる香りがある。香りを想起させる物語がある。
感覚的実体をもたない、個人のイメージに、香りという実体を与える試み。
あなたはこの物語からどんな香りを感じますか?
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女は怖い。
いまやこの寺の名物、池に咲く満開の蓮の花の周りで、端末のカメラをかざしながら恥も忘れてヒステリックに騒いでい
Marguerite
生花:マーガレット
マーガレットはあの夏ずっと、白い花を絶やさなかった。
伸びるままに任せた苗は瞬く間に木質化し、
茂みとなって庭の一角を塞いだ。
花の可憐さとは程遠い野生。
触れればキク科に特有の、苦みを含む青臭さが手に残る。
あの頃のメタファーとして繰り返し蘇る白い花弁、深い緑の葉、青い匂い。
手に入れたいものはたくさんあった。
何一つ叶えられる当ても無いのに、絶えなかった望みの数々。