思い出の茨城ドライブ 常陸太田編
この記事は、2022年12月1日時点の内容です。
目覚し時計が鳴る前に目が覚めました。だって今日は楽しみにしていたドライブだもの! 向かう常陸太田市は、県内で最も面積の広い市町村。南北に長い市内には3本の川が流れ、山あり谷ありの起伏に富んだ地形が特徴です。
今回のパートナーカーはフルモデルチェンジしたばかりの新型『シエンタ』。愛着のわく風貌に多彩な機能が満載。街乗り、レジャー、ロングドライブと、乗る人のライフスタイルに寄り添い、使い勝手抜群のコンパクトミニバンです。さあ、まずは歴史ある商店街「鯨ヶ丘」をめざしましょう!
風情ある建造物と石畳
城下町の面影残す坂の町
A|梅津会館
茨城県常陸太田市西二町2186
駐車場:40台
常陸太田駅近く、まるで鯨の背のようにそこだけ小高い丘の上に建つ「梅津会館」は、地元出身の実業家 梅津福次郎氏からの寄付金により昭和11年に建設された旧太田町役場。現在は常陸太田市郷土資料館として活用されています。
外壁には当時流行のタイルが用いられ、エントランスはテラコッタに縁取られた曲線が描かれています。温かみのある色や形がレトロで愛らしく、改修や耐震工事を重ねながら大切に保持されています。
1階には常設と企画の展示室があり、議場として使われていた2階は、貸ホールとして演奏会や講演会などに利用されています。1階受付には周辺の観光ガイドなどが常備されていますので、鯨ヶ丘に来たらまずはのぞいてみましょう。
B|若宮八幡宮
茨城県常陸太田市宮本町2344
駐車場:20台
商店街を歩いて回るなら、「梅津会館」正面の無料駐車場がそのまま利用できるので便利です。お散歩がてら、そこから歩いて5分ほどの「若宮八幡宮」にも足を伸ばしてみませんか。由緒ある常陸国太田郷の鎮守さまで、樹齢650年のケヤキなどの大木が並ぶ閑静な境内からは、町を一望する景色が楽しめます。
歴史を感じる街並み
会話も弾む鯨ヶ丘商店街
C|金茶猫と庭仕事
茨城県常陸太田市西二町2185
駐車場:6台
「梅津会館」のすぐ隣にある「金茶猫と庭仕事」は、この辺りではめずらしい“ブック喫茶”。本棚をじっくりと吟味して、好きな本を手に取り、ページをめくる静かな時間を味わうお店。小説や雑誌のほか、建築、植物など、店主好みのジャンルが並び、一部購入可能な本も。
この地へ嫁いできて以来、庭や畑、そこで出会う昆虫のことなど、田舎暮らしの楽しさをホームページに綴ってきた店主。そのタイトルがそのままお店の名前になりました。週末は畑仕事に精を出し、自家製の野菜や果実を使って手作りしているケーキやジュース、スープランチ(数量限定)などがメニューに並びます。穏やかな日常が醸し出すやさしい雰囲気に、ゆっくりと長居されるお客さまが多いようです。
D|SUNNY SUNDAY
茨城県常陸太田市東一町2295-2
駐車場:5台
次に向かったのは「SUNNY SUNDAY」という雑貨店。隣の蔵と並ぶ様子は絵本に出てくる街並みのようです。マスキングテープの品揃えが抜群に豊富で、お洒落なペーパーアイテムも充実。布製雑貨や衣類など、雑貨好き、文房具好きなら目がハートになってしまうかも。
細かく仕切られた棚や引き出しに、さまざまなアイテムがぎっしり。海外の伝票やラベルなど一見すると用途不明ですが(笑)、でもなんだかお洒落。どう活かそうかと使い道を考えはじめるとワクワクが止まりません! お店のオリジナル商品も多数展開しており、それらを素材に作品を作るクラフト作家や、海外の文房具店からも注文が入るそうです。
「街歩きを楽しみながら、どのお店も気軽にのぞいてみてください」と、日頃から商店街の活性化にも一役買っている店主。歴史があり、風情があり、景色も良い高台の商店街は、ぶらりと歩くだけで旅の気分になってきます。
E|くじら屋
茨城県常陸太田市東二町2224
駐車場:「梅津会館」駐車場をご利用ください
そして、ここへ来たら外せないのが「くじら屋」の「くじら焼き」です。ご覧のとおりたい焼きのくじらバージョン。元はイベントから生まれたワンハンドフードですが、懐かしのおやつ、鯨ヶ丘土産として愛され、普段から買える常設店を構えることになりました。中身は小倉あん、カスタード、チョコレートの3種類。たい焼きよりもふんわりとした食感で、冷やしてもおいしく召し上がれます。
コロナ禍で一度閉店してしまいましたが、せっかく商店街に来てくれた方にくじら焼きを提供できないのは悲しいと、サッカークラブを主宰する茅根さんが4代目店長に立候補。昼はパートさんと交代で店に立ち、「くじら焼き」を販売するかたわら、手作りの箒(ほうき)など地域の特産品を紹介したり、お喋りしたり。鯨ヶ丘にいらしたお客さまのための無料休憩所、案内所も兼ねています。
人の思いから生まれた
常陸太田のおいしいもの
F|イタリアンレストラン楽生流
茨城県常陸太田市中利員町2975-2
駐車場:13台
すれ違うクルマも少ない田舎道に、ふいに現れたカラフルなお店。「イタリアンレストラン楽生流(らうる)」です。オーナーはコロンビア出身のラウルさん。日本に来て約16年、飲食関係の企業でエリアマネージャーやメニュー開発を担当してきました。移住してこの店をオープンしたのは2020年3月のこと。前職のスキルとフレンドリーなお人柄、そして何よりおいしくて、地元の人だけでなく、遠くから訪れるゴルフ客などもリピーターにつけた人気店です。
お昼は「ランチコース」がいただけます。パスタ、ニョッキ、ピザなど12種類のメインから一品選び、前菜の盛り合わせとドリンクが付いてきます。
この日の前菜は、新鮮野菜のサラダに白ナスのステーキ、三元豚のローズポーク、さつまいものポタージュでした。大きなチーズを削ってみせるパフォーマンスなど、食事を楽しくするおもてなしの心に溢れています。
野菜はこだわりの農家から直接仕入れ。地域のPRにも熱心で、地元愛にあふれているところも人気の秘密だと思います。
G|武龍ワイナリー
茨城県常陸太田市瑞龍町1351-2
駐車場:30台
食事の後は、新しくできたワイナリー見学に伺いました。2016年からワイン用のブドウ栽培を始め、今年ようやく初の自社製ワインがお披露目となった「武龍ワイナリー」です。1.3ヘクタールの畑で、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、メルローなど7種、2,500本のブドウの木を栽培しています。
代表は酒の卸問屋の4代目。若い醸造家との共同経営で、新しい日本ワイン作りにチャレンジ。2022年7月、本格的な醸造施設とショップが完成しました。常陸太田は言わずと知れたブドウの産地ですが、シーズン以外の時期にもブドウのお土産ができるのはうれしいですね。フレッシュなワインのこれからが楽しみです。
「武龍ワイナリー」では年間を通じて畑仕事の体験やお手伝いも受け入れています。農業やこの地域への理解を深めていただき、ワインのファンも増やしていきたいそう。興味のある方は気軽に問い合わせしてみましょう。
H|scone & coffee r.
常陸太田市白羽町755-2
駐車場:7台
おしまいはとっておきのお菓子屋さんをご紹介。「scone & coffee r. (アールドット)」です。畑の間の細い道を上り、着いたところはシンプルでお洒落な建物。お店から見える景色も素敵なんです。「スコーンと言えばあの固くてポソポソした焼き菓子?」と思う方もいるかもしれませんが、きっとその概念を変える出合いが待っています。
見た目はきりりとエッジが立ってカリッとした歯応え。なのに、ほろりと崩れた後はしっとり。これが「アールドット」のスコーン。しっかりと焼き切りながらも、適度な水分を残すための配合と焼き時間にこだわって、独自のレシピを確立しています。
優しい味わいのプレーンほか、チョコレートやフルーツなどを合わせた定番の品が15種類ほどと、季節のものが数種類。スコーンのほかに、マフィン、ビスケット、パウンドケーキなども扱っています。〝おいしい召し上がり方〟の紙を参考に、ぜひ焼きたての風味をお楽しみください。
今回も楽しいドライブでした。皆さまもどうぞ温かい格好でお出かけください!