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【夏休み特別寄稿】ゴリ郎と小さな狂言師

どうも。
猿人全開ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ
サンシャインゴリラ🦍です。

Skypeがマイブームだった20XX年の話。
ネットサーフィンの楽しみ方として、作業(宿題、勉強)のついでにSkype通話を繋げて趣味や作業内容を初対面の誰かさんとシェアすることをしていた、知人のゴリラ君の「ゴリ郎君」お話である。
皆様方におかれましては、ゴリ郎君の視点で読んでいってほしい。

この「作業スカイプ」こと「作業イプ」は、複数人で作業をすることもあれば、最初のうちに何の作業をするのかお互いに話してから、「じゃあ作業やりますか〜」と2人だけで黙々と作業をして、1時間ごとにたまに休憩がてら会話をする。この繰り返しを誰かさんとしていた。

午前3時頃に相手が寝落ちしたようだ。スゲーいびきが聞こえるwww
俺はまだ眠くなかった。ずっと黙りこくってテスト勉強をしていたので何だか他人としゃべりたい気がした。俺の中の「多弁スイッチ」が入った。たまに湧いてくるこの感情をうまく発散するにはSkype掲示板で話し相手を見つける事が生活の、ほんのほんの一部になっていた(“ほんの”って2回言ったけどドップリ使っていたわけじゃない)。
リアル知人が寝静まる頃に電話をかけたところでそうそう電話に出ないことが多いからである。。

寝落ちした通話中の相手に、作業が一区切りついたとお礼を兼ねたメッセージを送って、終話ボタンを押した。

話し相手を募集する掲示板を見たら、会議通話の募集が1つ。他は男→女の出会い目的、シモ系の2ショットチャット(死語)に関する投稿が目立っていた。

その中に「パソコンのことで助けて欲しい🥺」という投稿に目が止まった。

なんだろう、直感的にSkypeIDを入力しメッセージを送ってみようと思った。

「お助けします。」 【送信】

別に返事が帰ってこなくても「他の誰かさんが助けてくれているだろう」という気でいた。相手がピンチに瀕しているときに助ける側の長口上は聞いていられない。
俺がメッセージを送っても一番乗りでなければ意味がなく、相手はメッセージを返さないと思ったからだ。
掲示板の投稿者には共通した暗黙のルールが存在しているし、ネトナンに慣れた男連中は女性であることを察知すれば1分でも早くメッセージを送るようにしているだろう。
俺がネトナンする立場だったとしたらそーするもんね。

Skypeのコンタクトが成立したのだ。
通話を繋げてみると女の声がした。

俺「どうしましたか?」
女「パソコンの調子が悪い、とにかく遅い」
俺「(初手から厄介だな)キャッシュを消すか、ダメならOS入れ直してみようか」
女「どうやるの?」
俺「内部のいらないデータを削除する(大意)」
俺「パソコンに遠隔操作ソフトをインストールすることできます?(早口)」
女「多分できる」
俺「指示通りやればできるよ、時間あります?明日おやすみですか?」
女「休みです」
俺「なら安心だ、やってみよう」

初対面の割に他人さまにデスクトップを開陳するなんて相当困っていたのだろうか。指示と操作を終えてから遠隔操作ソフトのIDとパスを教えてもらう。
怪しい動きをするつもりはハナからなかったが、遠隔操作画面に目を遣ると

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※画像はイメージです

超ファンシーな壁紙、マウスカーソルがピンクのイルカちゃん🐬
空気読めない身分だから、思わず口にしてしまった。
俺「すげえ、マウスカーソルがイルカ!
女「かわいいでしょ!」
俺「かわいいねー和むわー、今まで矢印しかみてこなかったから目新しいよ」
俺「じゃー作業入りまーす、怪しいことしてると思ったらこの×ボタン押せば遠隔操作は強制的に終わるから。これからXXっていうソフト入れるよ」
女「わかった、何するかだけ言ってもらえればオッケーだよ!」

〜プログラムを走らせる〜

俺はとりとめのない話をするつもりで、仕事してるのか聞いてみたら、中学生であることがわかった。ファンシーな壁紙見てなるほどって思った。
この子はさっきまで何をしていたかというとニコニコ生放送の喧嘩凸をしていたそうだ。頭おかしいのかレスバがしたいのかわからん、謎い人を見ると色々と質問してみたくなる好奇心から、調子が悪いところを直しながら彼女の素性を聞いてみることにした。

学校の愚痴が出てきたところでプログラムが終了した。

女の子の姿が浮かび上がってきた。
話のネタをまとめるとこうだ

・15歳で中学在学中
・妹との出来(学力差)を引き比べられ、両親が私を口撃する。
とにかく妹びいきが止まらなくて辛い。
・学校がつまらない
・Skype仲間と徒党を組んで会議荒らしをすることがストレス発散
・上記のグループ内の仲間割れか派閥争いにより殺害予告を含んだ脅迫を受けている
・家から500キロ離れた場所まで家出をして警察に連れ戻されてしまい、匿った大学生の男の子は逮捕された。

胡散臭さが漂うトピックが揃い踏みしていた

何回か通話をしてわかったのが、ド平日にいきなり携帯電話に電話しても平気で電話に出る、ビデオ通話にすぐ応答することから不登校であることはほぼ真実に近いと類推できた。
真実味を加速させる内容が、ビデオ通話にて小学校の学習範囲ドリルを学習机兼本棚(小学生が使いそうな机)から引っ張り出し、小学校で習う単元を教えて欲しいと言ってきた事があった。

・15歳で中学在学中、12歳の妹との出来(学力差)を引き比べられる。

父親に強制されて勉強しているそうで、毎晩仕事から帰ってきたらチェックすると言っていた。
自分はもっぱら算数を教えていた。と言っても数えるほどで、内容は1億までの数の数え方、秒数の数え方、%って何?みたいなことを質問されたので、それに答えてあげた感じ。教える為の準備はしていなかった。
30秒が1分であると思っていたので1分は60秒だということを教えてあげた。1秒以下の秒数の表し方は100刻みであること。
百分率は「ダウンロードに出てくる"%"パーセントで〜」とか教えた。
俺は塾や家庭教師をしたことがなかったので、Google先生に裏取りをした上で、初歩の初歩である算数を教えた。

両親の対応

両親に何を言われるのか具体的に聞いたら、随分と妹を気に掛けるようで、姉である私のことは放置している内容の話をしていた。放置レベルはどの程度なのか知るために、家族旅行の話を振ってみた。旅行に行ってもつまらないし家にいた方がマシと言ってのけるあたり、隙をついて財布か現金を持ち逃げして電車に乗って都市部に出るつもりだろうと俺は邪推していた。この邪推は的中し、適当な新幹線に飛び乗って東京に出たいと話していた。

・学校がつまらない、ネットも楽しんでやってんだか微妙

そりゃ学校が合わない人もいて当然。
リアル知人の話はすることはなかったけど、かといってネット界隈で上手くやっているとは必ずしも言えなかった彼女。彼女はネットでも焼き畑農業のようにコミュニティを荒らしまわる子で、ゲーム等で仲良くなっても上下関係と優劣がついて回る潰し潰されの修羅道を経験しただけの子で、やさしいせかいとは無縁そうだった。。

【議論と考察が大好きで白熱しちゃいます、今日もイキった大学生を論破してきました。】んなわけない、フタを開けたらバカアホ死ねしか言わない荒らし行為だった。そりゃ殺害予告も受けるでしょ。
殺害予告については、ニコ生かなにかで知り合ったSkypeユーザーから度々脅され、「お前の住所を特定した、頃合いを見て殺しに行く」と散々悩んでいた事を打ち明けていた。

Skypeに限らずネットやるだけでIPは抜かれているし、市区町村までは一般人なら誰でも割出しができ、それ以降は警察の捜査で第三者が初めて知ることができると丁寧に説明してあげた。自分のことを喋らない限りは住所は割れないし、人数を使ってソーシャルエンジニアリングをしないととても住所は特定できないと説明した。

殺害予告については自分とコンタクトを取る1月前に、俺以外の誰かさんに相談したこともあったという。自称弁護士に相談したようだ。ネットに強い弁護士か、児童福祉系の弁護士かなと思考を巡らせ、だったら俺のアドバイスの1つ上を行く話はしているはずじゃないかと思っていた。相談の内容を聞いてみたら結局騙されていたようだ。
殺害予告そのものの相談はGoogleの一番上に表示されるサイトを見ながら答えていたのが後々わかったようだ。結局相談料金の引き換えに自分の自慰行為の写真と動画を送ってしまった。と回答。アドバイスらしいことはされておらず虚無感だけ残ったと話していた。
それから自暴自棄になったのか、野良でライブチャットを繰り返し、電子マネーを集めて小遣い稼ぎをするなどして配信機器を揃えた。使いすぎて物質的に豊かになっても両親が部屋に突撃するとバレるから、オンラインゲームの課金に使うことで散財をしていた。悪銭身につかずとはこういうことで、BitCashを中心にアマギフを募っていても、何も満たされないままネットコンテンツに溶かされていった。欲しいものがあったらコンビニ留めで買い物をし、懐に隠して部屋に持ち込むこともあった。段ボールの処理は細かく破いてコンビニのゴミ箱に捨てていたが、分別を店員に注意されて以来は追跡番号がわからないように伝票を剥ぎ取り段ボールは堂々とポイ捨てするようになったという。

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※ゴリ郎君から送られてきた実際のやり取りの一部

脱走計画の後日談とゴリラ君の略取未遂

数日後、彼女は俺に1つ脱走の経緯を語った。
地方都市のN市に脱走を試みたことがあった。
Skype掲示板で知り合った男と意気投合し、自分の地元まで来てもらった。そこから車に乗り、脱走を企ておよそ500km離れた男の住む某県N市のアパートに2ヶ月ほど住んでいたらしい。
逮捕の状況はコンビニに行ったところで2人して職務質問を受けてお縄にかかった。親が児童相談所を介して警察に通報したとのこと。
捕まった男はその場から走って逃走したが、結局捕まり罰金刑に処され40万円を払ったらしい。

狂言

この示談金の相場についてはゴリ郎君の話を一方的に聞いて、俺の中で疑問が残っている。

なぜ一緒に捕まった女の子が知ることができたのか、親から聞いたことにしても、罰金額なんて俺が親だったら子供に言わない。
相場を聞いても「で、どうするの」って思うだけだ。多少は親の立場からして教育を改めるとか考えることはあるにしても、問題を起こしてしまったという事実から子供に対してあまりよくは思わない。当事者だったとしても親を怒らせるだけだから絶対質問しようと思わないくらいにはカンが利くけど、「親に聞いちゃった」って言った時点で狂言臭いなと思った次第です。

嘘を嘘と見抜く人、嘘を嘘と楽しむ人、ゴリ郎君の出会った女の子はメンヘラの形をした嘘を嘘と楽しむ人だったと思った。

この話はもっとキツいエロ要素があったけど、書くことが憚られる思いがしたのでやめました。生々しいエロイプは書けない。
残念ながら、ゴリ郎君の話を書き起こすことは俺の文章力的に難しいです。彼の記憶を辿らないといけない部分もあったり、登場人物も多いからな。







この文章は4545文字で揃えてあることがオチ。

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