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「私のお気に入りな奴」ジャルジャル風

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その名の通りです。私が好きな文集めました。一応、好きな順ではあります。
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2023年9月の記事一覧

拝啓 好きだった人へ

拝啓 好きだった人へ

私を好きだったことはありませんか。

いつか教えてくれた思わせぶりな題名の曲。何回スキップして、何回リピートしたかな。

別にもう好きじゃないよ、その音楽。でも、いつまでも作業用BGMにはなりそうにない。

別に大した会話はしていない。だから、何気ない会話が大した会話になってしまったんだ。別に特別な時間も過ごしていない。だから、何気ない時間が特別になったんだ。

少ない思い出に色を付けてしまって、

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朝のスタバのすきなとこ

朝のスタバのすきなとこ

今朝、思ったよりも私の行動は宮崎駿味があった。親友がそう言った。

今日という日に思ったよりも気合が入っていた私は、完全に冷めた頭で起き上がってからのタイムスケジュールを立てる。数弱な私もこういうのはどうも得意なようで、「よし!」と力を入れたその2秒後には重力を頭から感じた。30分後には私から私に課せられた”出発までのミッション”は成功していた。

廊下を走って、マスカラは上だけで「今日はナチュラ

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髪からコーヒーのにおいがした

髪からコーヒーのにおいがした

音楽を聴いて蘇る思い出があるように、匂いで、香りで思い出すシーンもある。

気が付いたらそこにいた的な感じで行ってしまうのが、そのカフェだった。コーヒーの香りが、二階のホコリっぽい隅っこにまで染みついている。昼間は学生で若く明るく、夜はまばらに暗く暖かく。そんなカフェ。

そのカフェに出向いた夜のシャワーは、いつだってコーヒーの匂いがしていた。

頑張ってみた証、好きな時間を過ごした証にその匂いを

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靴への告白

靴への告白

靴を愛してやまない、この抑えきれない気持ちを本人に伝えたい。

上を向いて歩こうと坂本九さんは言ったが、たまには好きな靴を履いて下を向いて歩こう。

チラつかせるソックスとの相性を占うような朝。

靴に見惚れて立ち止まって #足元倶楽部  でシャッターを切りたくなる昼。

靴から束縛されてたような気分で、玄関に並べてあげる夜。

雨の日は少し心配して、白はなるべく止めておこう。

冬じゃないなら肌

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