一人暮らしで認知症になった私のおばあちゃんが施設に入るまでの話
こんにちは。
森のくまさんです。
私の父方のおばあちゃんは認知症です。
約5年前から発症し、現在施設に入居しています。
おばあちゃんは一人暮らしでした。
病気とは無縁というほど元気なおばあちゃんでしたが、ある夜、深夜0時に私の母のスマホに警察から電話がありました。
「〇〇さん(おばあちゃん)が徘徊されていたので、保護しました。」という内容でした。
私は母と姉、3人ですぐ家を出て自宅から車で30分ほどの祖母の家へ向かいました。
祖母の自宅へ着くと、玄関前にパトカーが1台停まっていました。中へ入ると、警察官2人がおばあちゃんが座っているソファーを見下ろす形で私達を待っていました。
警察官から聞いた話では、夜中のパトロール中、徘徊しているおばあちゃんを発見したとのこと。おばあちゃんから話を聞くと、何かにびっくりして家を飛び出したと話していたそうです。
私がおばあちゃんに近づき、「大丈夫?何にびっくりしたん?」と言うと、おばあちゃんは「分からへんけど、何かにびっくりして」と言いました。
おばあちゃんの体は震えていて、目から涙がこぼれ、何かに恐怖を感じているようでした。おばあちゃんが泣いている姿を、この時初めて私は見ました。
実はこれ以前にも、私達はおばあちゃんに対して、おや?と思うことがいくつかあり、デイケアなどでおばあちゃんのお手伝いをお願いしたことがあったんです。
でもお手伝いに来てもらっても、おばあちゃんは「来る人が色々触って物を動かすから、わからんくなる」と言って、ヘルパーさんを辞めさせました。
バスでお迎えがくる通院型の施設にも通っていましたが、挨拶を無視されたと感じたおばあちゃんが勝手に行くのをやめてしまった、ということもありました。
皆、おばあちゃんなんかおかしいかも…?という疑念を持ちつつも、まぁ大丈夫だろうと思ってしまっていました。
ですが、今回は深夜徘徊ということで、いよいよ真剣におばあちゃんの今後について考えないといけないと皆が思い始めました。
警察官の方も何かを察し、母に「一人暮らしということですが、施設か何かに入られないんですか?」と質問しました。
母は「今施設の空きの順番待ち状態で…」と答えました。
実は母は、この1年ほど前からおばあちゃんからの希望もあり、祖母宅近くのいくつかの施設に入居希望を出していたのです。
ですがどこも定員オーバー状態。
おばあちゃんも1人で家に住めないほどの状態ではないということで、施設側もなかなか受け入れてくれるところがありませんでした。
おばあちゃんの施設は大金を払えば入居させてもらえるタイプではなかったので、ひどい状態にならないと、入居の順番の優先順位は上がりません。
家族的には、今すぐおばあちゃんは入居したほうがいいと思っていても、優先順位をあげてもらうには医師の診断書が必要だったんです。
ですがおばあちゃんは、病院に行くと、なぜか元気になり受け答えもはっきりし、ハキハキ話すようになるので、先生たちは特に問題なしと診断書はだしてくれませんでした。
調べてみると、認知症の方でも病院に治ってしまうことがよくあるそうです。
最終的にいくつか病院を回り、過去におばあちゃんと同じような人を診察したことがある先生に、やっと診断書を出してもらうことができました。
その結果、おばあちゃん宅の近くの施設に入居させてもらえることになりました。
そんなおばあちゃんが入居して、もう5年ほどになりますが、とても元気に生活しています。
やっぱり人の根本の性格は認知症になっても変わらないんだとつくづく気付かされます。
おばあちゃんは身なりをきちっとしているタイプだったのですが、今も人のことは忘れても、身なりだけはきちっとするのを忘れません。
家族以外の人の前で冗談を言うところも変わらず、私がおばあちゃんにひ孫を連れて行った時は、施設の人に「この子は私の子です」と冗談を言ったりしていました。
施設に入ると弱っていくイメージが頭の中にあったのですが、おばあちゃんの場合は逆で、すごく元気になっていっています。
そんなおばあちゃんが、これからも元気で過ごしてくれることを家族一同願っています。
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