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漫画みたいな毎日。「おせち作りの効用。」

おせち作りをしながら、子どもたちと様々な会話をしなが作業をする。

田作り用の煮干しの入った袋は、プラスチックで出来ている。そして、煮干しが輸送中に崩れてしまわない為の配慮もあってか、中にもプラスチックのシートが入っている。お煎餅を購入したときなども入っているあのちょっとやわらかいデコボコしたシートだ。

「どうしても、こういうゴミってでちゃうよねぇ。この中のプラスチックシートもないと駄目なのかなぁ。」と私がつぶやくと、一緒に煮干しのはらわた取りをしていた長男が、「やっぱり、生分解性プラスチックにすればいいのにな。」と。

長男は、先日、「ひらめきときめきサイエンス」という、大学の子供向けの科学講座で「プラスチック」について学んで来た。生分解性プラスチックにとても興味を持ったようだった。

「やっぱり生分解性プラスチックがいいよ。土に還るプラスチックなんだって。コストは、通常のプラスチックの約3倍かかるみたいだけど。」

「それでも、土に還るのであれば、焼却することもなく、リサイクルしきれず、結果的にゴミになる確率が低いということになるかな。でも、厳密に考えると、埋めたてる場所がどれくらい必要になるのか、分解されるまでにどの程度の時間を要するのか、などの計画も必要になるだろうねぇ。」

「企業に生分解性プラスチックを推進するには、国単位で、生分解性プラスチックへとシフトする取り組みが必須になるよね。お金がかかると、小さい企業だったら、踏み切れないこともあるかもしれないからね。」

そんな会話をしながら、煮干しのはらわたを取り除いていく。

「無印良品では、ペットボトルをアルミ缶に移行してたね。」

「そもそもさ、自動販売機で、ジュースやお水が量り売りみたいになったらいいのかな。マイボトルを持っていれば、買えるの。量も自分で選べたらいいよね。それに応じて、水筒の種類も、保冷とか保温に特化したものが開発されたりしてさ。」

「ペットボトルも水筒も荷物になるのは変わらないしね。あとは、衛生面をどう確保するかとかもあるけど。」

「スーパーで浄水を汲めるところだと、水を入れる前にボトル洗浄とかしてくれるから、そういう風にできるのかな。」

「自販機の飲み物の賞味期限の確保とかも問題になってくるのかな。」

「歯ブラシとかも、今、使い捨てじゃないものとか、プラスチックではなく竹のものとか、先だけ取り替えられるとか、いろいろあるよね。」

煮干しのプラスチック袋ひとつから、こんな風に会話が展開していく。

もし、学校の授業で、「プラスチックを減らすにはどうすればいいでしょう?」と投げかけられたら、この話題は、どんな展開になるのだろう。

直ぐには答えの出ない事柄を、時間を区切ることなく、こうして考えていくのは、面白い。

何かひとつ、既存の物事を変えて行こうとすると、様々な可能性と、問題点が見えてくる。

実現可能なこともあれば、直ぐには実現できないこともある。どんなに良いと思った方法にも、デメリットが見つかる事がある。

長男が先日、講座を受けた時に書いたnoteの中でも書いたが、「二極化しない」ということは、何事に於いても、大事なスタンスなのかもしれない。

ひとつの事柄に対して、ゆっくりと思いを馳せるだけでも、自分の中で、今までとは違う世界が広がっていくのだと思う。

手仕事をしながらの会話は、リラックスし、普段の生活の中では、意識せずに暮らしていた事や見落としていた事に気が付くことがある。

これもまた、おせち作りの効用かもしれない。

今日は、皆で金柑の甘露煮を作った。
金柑が入れられた容器もプラスチックだ。

おせち完成まで、あと約一週間。
どんなおせち作りの効用が現れるのだろうか。

期待し過ぎることなく、起きる事柄を感じていきたい。

金柑の種取り部隊。お節作りのありがたい戦力。


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