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漫画みたいな毎日。「仔犬や仔猫がじゃれ合うように。」

子どもたちと過ごす日々においては、兄妹喧嘩など、まさに日常茶飯事である。

最近は、二男と末娘の喧嘩が頻繁だ。

数年前は、台頭してきた二男とそれを抑えこもうとする長男の攻防が繰り広げられていた。それが、下の世代に移行した、というだけなのだが。

喧嘩は、見ているだけでも、それはそれはものすごく疲れる。
どんな喧嘩であれ、気持ちが波立つ。

できるだけ、客観的な視点で、「これは子どもたち同士の、個人対個人の問題である」と捉える様にしている。

横目で状況を観察し、なるべく口を挟まない。

どちらにも言い分があるし、どちらの味方をしても遺恨が残ると思うから。

しかしまぁ、二男も、末娘も頑固だ。意地っ張りだ。譲らない。

場所の取り合いとか、
どちらが使ってたとか、
見たいアニメが違うとか、
足が当たっただの、なんだのと・・・・

大人からしたら「くだらない」としか思えないことだが、彼らにしてみれば、大問題なのかもしれない。

いや、実は、そのこと自体が問題ではないのかもしれない。

先日は、ソファーの場所の取り合いになり、足で相手を押しのけあっていたところから喧嘩が始まった。

末娘が挙げた手のひらが、二男の頬に当たった。

たまたま、である。

それに、カッとして、条件反射で叩き返した二男の手のひらが、末娘の頬に当たり、ばちーん!!!といい音をさせた。

「殴ったね!親父にもぶたれたことないのに!」


私の頭の中には、機動戦士ガンダムのアムロの言葉が浮かんだ。

びっくりした末娘は、はじめキョトンとしていたが、そのあとに何か起きたのかを把握したのか泣き出した。

わんわん泣いて、顔中が鼻水だらけになっていた。

私と夫は顔を見合わせ、〈あ~あ、思い切り顔に入っちゃったねぇ・・・〉と思いつつ、黙って様子を見ていた。

長男もこういうときは、決して、口を挟まない。

すると、自分でも思いもよらないことだったのか、二男がハッとした様子になり、いつもの優しい口調で、「そんなに泣いたら顔が鼻水だらけになっちゃうよ・・・」とティッシュで末娘の顔を拭き始めた。

末娘は、鼻水を垂らしながら、なかなか泣き止まなかったが、二男は、黙って鼻水を拭き続けていた。

どちらが謝るでもなく、譲るでもなく、なんとなく、その喧嘩は終わった。

兄妹喧嘩ってそんなものだと思う。

そして、こんな場面で、「ごめんね、は?」とかいう余計なことを、大人は言ってはならないと思う。

末娘はいつもこう言う。

「二男は、優しい。」と。

怒りもするし、
喧嘩もするし、
時々意地悪だってする。
でも、優しい。

そんなものだよね。

長男を車で送迎する用事があり、私と二人きりで束の間のドライブをしたことがあった。いつもは賑やかな車内が静かだった。

「あなたが、ひとりっ子だったら、毎日、こんな感じだね~。」と私が言うと、

「居たら、うるさい、って思うけど、居なかったら、寂しくて嫌かも。」とツンデレの長男がボソッと呟く。

夕飯が終わった後、3人の子どもたちが、お互いに纏わりついて遊んでいる。

何が可笑しいのか、ころころ、ケラケラと笑い声を立てる。

その様子は、仔犬や仔猫が兄妹で遊んでいる様子に似ている。

仔犬や仔猫は、じゃれ合いながら、喧嘩もして、加減を知る。

傍で、見ている夫と私は、思わず微笑んで目が合う。

夫が、「こういう様子をみてると、兄妹っていいなって思うよね。」と子どもたちには聞こえないくらいの小さな声で呟いた。

10年も経ったら、こんな風に纏わりついて遊んだりしないだろう。

でも、彼らの何処かに、じゃれ合って遊んだ兄妹それぞれの感触が、細胞レベルで記憶されているのだろうな、と思う。

そんな記憶がない私には、彼ら兄妹が眩しく、羨ましく思えるのだった。


今日は、こどもの日だということを、昨日、思い出した。
お寿司ケーキを作り、ガトーショコラでも焼こう。
夜は、菖蒲湯に入って、
あなた達が、元気に大きくなってくれていることに感謝したいと思う。

這い這いをする前の末娘と長男。
二男と末娘。
末娘は、赤ちゃんの時から二男が大好きだ。
何故か、一冊の漫画を3人で読んでいる。


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