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【眠れないときには、童話でも。】第四夜、たった1000文字の少女の小さな物語

きれいさっぱりなくなってしまったとき、たちまち、たかい空の上から、お星さまがばらばらおちて来ました。

こんばんは、そしてはじめまして。向日葵へいと申します。
「眠れない時は、小さい頃に戻った気持ちで、懐かしい童話でも1つ読んでみてはどうかな?意外と面白いし、いい睡眠導入剤になるよ」コラムもどき4回目。

noteを書くのがかなりお久しぶりとなってしまいましたね。
身体は至って元気ですし、時間は持て余しているのですが、メンタルがやられていまして文章を書く気力が起きませんでしたw

まあ、私の身の上話はどーでもいいのですよ。

今回紹介する童話は、グリム兄弟が編纂したグリム童話のなかの1つ、

『星の銀貨』

たった1000文字ちょっとの短い物語です。

「星の銀貨」ってなんかファンタジックな題名ですよね。グリム童話の一つなので、ドイツの昔話にあたります。

ドイツ語の題名は『Die Sterntaler』。Dieは定冠詞、Sternは星、Talerは銀貨なので、直訳ですね。

直訳でも美しい言葉の響きが失われないのは「昔話あるある」かなと勝手に思っています。昔話の題名はその物語の本質、伝えたい教訓、登場人物、キーとなる事物をただそのまま、端的に表現されることがほとんどです。だからこその素朴さや奥深さが見えるというか。
脱線しましたね、話を元に戻しましょう。

といっても今回はそもそも童話自体が1000文字程度しかないのであらすじを読むより

星の銀貨 青空文庫

で検索してもらって読むほうが早いのではないかと思います。
検索してください……。あらすじは書きますけども。以下あらすじです。

・・・

あるところにとても貧しい少女がおりました。信心深く素直な子でしたが、両親も住むところも食べるものもありませんでした。少女がかろうじて持ち得るものは、親切な人が憐れんでくれたパンと今自分が着ている服だけでした。しかし、そのパンも着ている服も道で困っていた男性や小さな子供にあげてしまいます。持つものなど何もない素っ裸な状態です。その時、ふと空から星が少女に降り注ぎ始めます。よく見るとそれは銀貨でした。そしていつの間にか、少女の身体には上等な服が着せられていました。少女は銀貨を拾って一生豊かに暮らしましたとさ。

・・・

私が書いた雑なあらすじ、239文字なんですよ。元の童話、この5倍未満の長さなんです。多分このコラム1000文字は超えるんです。……言いたいことはただ一つ、どうですかね?(読んでください、コラム過去最高に短い物語です)

いつもならあらすじを言い終わった後に、推しポイントをつらつらと書いていくのですが、今回取り上げた「星の銀貨」は短い上に展開がよくある形なので「ココ」というポイントがないんです。テーマも「辛く大変な日々を過ごしていても、信心深く生きていれば救われる」という昔話によくあるパターンで、先の読めるものです。

そのため、私がこの童話で言いたいことは、

「物語に流れる雰囲気を楽しんでほしい」

それだけです。

この童話はただ訥々と語りかけてきます。


『本当は恐ろしいグリム童話』(作者 桐生操)なんていう本もあるぐらいですし、グリム童話には生々しい話が多いと皆さんすでにご存じだと思います。(グリム童話に限らず、昔話が生々しいなんてことは割とざらにあるしな、ほら桃太郎とかさ)
中学校の時、クラスでグリム童話は「エロ本」扱いされてましたよ、懐かしいな。

でもグリム童話すべてがそういった話ばかりではありません。グリム兄弟は数多くの昔話を編纂しましたから、このような話もまたあるのです。

何も着色されていない淡白で、素朴な、砂糖菓子のような物語もグリム童話にはあることを知ってほしかったのです。

興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。

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飾り気ない静かな童話が今夜のあなたの寝物語となりますように。

p.s.
本屋さんが開いていないのなら、青空文庫を開けばいいじゃない。なーんてね。(パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない風)紙の本の方が個人的には好きではあるのですが、デジタルにも長所はあるし、青空文庫は良いですよ。昔の名著が読み放題です。

あ、このコラム1300字超えました。『星の銀貨』より長いです。

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