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分岐点

ウェリントンに来てから、日々やらなければいけないこと、考えないといけないこと、自分がやりたいと思ったことをこなしながらも、どこかモヤモヤする気持ち、焦りが常にありました。

どうにかしてウェリントン生活を良い方向へ進ませようとして、考え、行動を起こしました。

まずは、日本人の友達を作ろうと思いました。同じ日本人の知り合いがいた方が心強いし、オークランドで知り合えた日本人の友達たちから、多くの刺激を受けたからです。

そこで、ニュージー大好きという、ニュージーランドに来ている日本人向けサイトの掲示板で、友達募集の書き込みをしていた人にメッセージを送りました。メールでやりとりし、実際に何人かお会いしました。

一緒にご飯を食べたり、カフェに行ったり、観光したり、合計5人と会いました。

会ったらインスタや、LINEを交換しましたが、これから先も連絡したいと思えた人は、最初にお会いした方、1人だけでした。その方は短い滞在だったので、1回会ったっきりですが、インスタでたまに連絡を取り合っています。

次会えば好きになっていくのかもしれない、とも思いましたが、どうしてももう一度会う気になれず、連絡はしませんでした。

そして、英語面です。
学校が終わり、英語を話す機会が減りました。このままでは英語力は変わらないままだ、と焦りました。
話す機会を得るため、海外の友達を作らねば!と決心し、まずはミートアップというサイトを使い始めました。

オークランドにいた時に、友達に誘われて1度ミートアップのイベントに参加しました。それをウェリントンでやったら、英語を話す機会にもなるし、もしかしたら友達もできるかもしれない、そう思いました。
実際に参加したイベントは2つです。

1つ目は、内向的な人のための、社交場のコミュニケーション方法をレクチャーしてくれるイベントでした。
握手の仕方や、グループに割り込む方法、話を切り上げる方法など、パーティーなどの場でのテクニックなどを教わりました。そしてそれをグループワークで実践練習、という内容でした。

英語も使えたし、勉強にもなったのですが、やっぱり私は、こういう社交場は苦手だなあと実感しました。

2つ目は、パブリックスピーキングです。自分の名前を書いて帽子に入れ、くじ引きで出た人が前に出て短いスピーチをする、というイベントで、その日のお題は、「私を笑顔にする思い出」でした。

私はこのイベントに参加して、大事なことにたくさん気付きました。

スピーチが始まる前に、近くの席になった女性に「とても緊張します」と話しました。

「緊張なんてしなくていいのよ。主催者はウェルカムハートで皆を歓迎しているし、このグループは優しい人ばかり。もしお題に沿った話が無かったら、あなたの自己紹介すればいいわ。何したって良いのよ。ただ、ありのままのあなたを見せてくれればいいだけ」

ものすごく勇気をもらいました。
そして、これが大きな学びでした。

スピーチが始まりました。5人ほど終わり、私の番が来ました。思い切って、笑顔は絶やさず、大好きなおじいちゃんの話をしました。片言の英語になってしまうことも何回もありましたが、何とか言いたいことは伝え切ることがてきました。

4人の方が、すぐにフィードバックをくれました。
勇気がすごい、簡単な言葉と簡潔なストーリー展開でわかりやすい、笑顔が素敵、とにかく褒めてもらいました。
素直にめちゃくちゃ嬉しかったです。

席に戻ると、先ほどの女性が「あなたは本当によくやったわ!」と言ってくれました。

それから20人ほどのスピーチを聞きました。聞き取りやすい人、全く聞き取れない人。ジェスチャーが大きい人、道具を使う人、人柄がにじみ出る人。
立ち方、話し方、全てが十人十色で、聞いていて飽きず、良い勉強になりました。

終わって会場を去る時も、「僕はあなたのスピーチ、好きだよ!感動したよ!」と言ってくれた方がいて、とても嬉しかったです。

本当に大事なことは、英語ではなく、伝えたいこと、そして、伝えようとトライすることなんだ、と感じました。
このイベントに参加してよかった、心からそう思いました。



次に、ミートアップと同時並行で、ハロートークという言語交換アプリを始めました。
第一言語と学びたい言語を入力し、言語がマッチする相手と、チャットや電話ができるアプリです。
私はこのアプリで実際に2人の方とお会いしました。

1人目は、ペルー出身で、ニュージーランドの市民権を持っていて、もう長いこと住んでいる方でした。日本居酒屋で夜ご飯を食べました。
彼の第一言語はスペイン語なので、お互い英語の大変さが分かるため、言葉が出てこないところは補い合ったり、英語の勉強方法を聞いたりできました。
楽しかったし、良い友達になれそうだったのですが、ちょうどクリスマスホリデーでクライストチャーチに行ってしまうタイミングだったので、会ったのはそれっきりでした。

2人目は、キウイの方で、日本にワーホリしたことがあり、日本語もすごく上手でした。
アイスクリーム屋さんに行きました。2人とも日本語で話す時間、英語で話す時間を交互に作って会話しました。
話の中で、これは日本語で何て言うの?英語でどう言ったらいいの?と質問し合うこともでき、貴重な体験になりました。
日本語を教えるのも、楽しいなと感じました。
また、英語を教えてもらうばかりでなく、私も日本語を教えることができ、ウィンウィンの関係ということで、「私ばかり英語を教えてもらって申し訳ないな」というような気持ちにならなくて済んだのも、新鮮な感じでした。
LINEを交換して、次の予定も立て始めていましたが、予定が合わずフェードアウトしました。


やりたいこととしては、観光したり、ジブリ最新作「君たちはどう生きるか」が映画館でつい最近公開されたということで、まだ見ていなかったのでせっかくだから見ようかな、と1人映画をしました。
Embassyという立派な、まるで劇場のような映画館でした。
日本語音声の、英語字幕の映画でした。最初は字幕も、「こう訳すのか!」と勉強がてら読んでいたのですが、中盤から映画に集中しすぎて読まなくなりました。

内容は、ただ圧巻でした。
事前情報を何も入れずに行きました。見る前は、家族や友達が、日本で公開された時に見て、「とても難しかった」と言っていたので、「風立ちぬ」みたいに分かりづらいのかなあ、と思っていました。(何回見ても難しい!)
ところが、私にとっては全く難しくなく、引き込まれ、夢中になり、ラストシーンで涙が出るほど感動しました。
映画の中盤からずっと、「俺はこの映画を作った。主人公はこう生きた。それをお前に見せた。次は、お前の番だ。さあ、どう生きる?それを俺に、見せてくれ。」と、宮崎駿さんに問いかけられているように感じました。
そして、その問いに答えを出したい。そう思いました。




このような、様々なことを経験しました。
そして、モヤモヤと向き合おうと決心し、ワーホリの目標を見直すことにしました。

日本でワーホリに行く理由、目標を立てていました。
1, 長年の夢を叶える
2, 英語がペラペラになる
3, 1年間海外で自力で生活し、魅力的な人間になる

2の目標達成までの道が思っていたより遥かに遠く、それが大きい焦りの原因でした。
しかし、私は本当に英語がペラペラになりたいのか?そもそも、何でペラペラになりたいのか?
紙に書き出しながら、深く掘り下げていきました。

そして、私はただ、自分に自信が欲しかったんだと気付きました。

英語がペラペラになれば、自信がつくだろう。
海外で1年生活すれば、自信が持てるに違いない。

私は今まで、自己肯定感が本当に低かった。
誰かと比べては、自分はまだまだだ、もっと頑張らなければ価値がない。
自分なんて、と自分で自分を下げてしまう思考回路でした。

それがニュージーランドに来てから約3か月、様々なことを見て、聞いて、体験して、感じとって、このタイミングだったからこそ気付けました。

自分はもう既に、自信を持って良いんじゃないの?
ありのままの今の自分、けっこうすごくない?

後はもう、自信を持って自己表現していくだけでいいんじゃない?


それに気付けた瞬間、一気に心が軽くなりました。
モヤモヤが消え、「よし!目標再設定だ!」と気持ちが明るく切り替わりました。

新しい目標
1, 自分に合う自己表現方法を探ろう
2, やりたいことは全部やろう



ピアノ、歌、文字を書くこと。
既に好きな自己表現と、新しい自己表現も試してみることにしました。今まで苦手だったSNSや、実はnoteも、その一環です。

私は、人とコミュニケーションをとるということがあまり好きではないので、会話・言語・英語はそんなに重視しなくていいのかも、とも思いました。

ウェリントンではやりたい!と思ったことをやってきたつもりでしたが、結局、2カ月半ほど迷走している状態でした。
それでも、それが無かったら気付けなかったことや、知らなかったことがたくさんあったので、全部のことに意味がある。
無駄な事なんて無い。
全てが今に繋がっている。
つまり、結局やりたいことはどんな結果になろうがやるべきなんだ、と思いました。
それでこの、2つの新しい目標を立てました。

気持ちも軽やかに、新しい目標へまっしぐら!!
迷走から抜けだし、向かいたい方向をまたしっかりと見据えることができました。

間違いなく、私の人生の大きな分岐点。








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