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通り過ぎたものたち

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お酒と恋愛と友情とひとりごと。 切ない思い出がいつくかある人とは仲良くなれそうです。
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#小説

あのあえぎ声は風にのって

向かいの保育園は、週末は静かだ。 園児が壁に描いたのだろうか、カラフルないも虫のような何…

すみれ
4年前
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溶かした春の涙

1分、1時間、1日と、時間は確実に過ぎ去っていく。 私を押し流すように、何かから引き離すよう…

すみれ
4年前
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現在(いま)を生きる犬

---------------------------------------------------------- 「私にずっと覚えていて欲しい…

すみれ
4年前
18

夏のおとしもの

10,000キロとすこし。 今はこんなに密着しているこの肌、指先、足先、このくちびる、この粘膜…

すみれ
4年前
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虹色のハムスター

バルセロナの路地裏の、なんだかよくわからないお土産物をたくさん売っている露店を思い出して…

すみれ
5年前
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深夜3時のひまわり

深夜3時、夏前の水分を多く含んだ空気の中、1分以上の道のりを歩くことはできそうにない荷物と…

すみれ
5年前
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恋愛は人を弱くするのか、それとも横浜にあっさり馴染むのか

横浜という街は残酷だ キラキラと輝いた夜景を背景にして堂々とデートを楽しむ街を残酷だと思うかどうかは全くの人次第であって、まさかこの街にそんな気持ちを抱くとは思わずに人生を過ごしてきた ところがどうだろう、今はこの街をひどく残酷で涙の気配を含ませた街だと感じてしまう 街が美しく穏やかで華やかであればあるほど、自分の品行の悪さが際立つ 非現実的でとろりと甘く、息を苦しくさせる香りを一枚の幕でひっそりと覆い身体の中奥深くに飼っている、そしてそれはゆらゆらと揺れて大きくなったり小

スミノフを外で飲む季節にはいつも

寒さが緩むこの時期から 私はスミノフの瓶を手にとって この甘ったるい液体を楽しむ ぬるくな…

すみれ
5年前
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あの風に名前をやりたい

私は風が光る瞬間を見たことがある。 海辺を歩きながら振り返った時に、カモメがはたはたと空…

すみれ
6年前
10

不自然な友人関係とフローズンマルガリータ

私は男友達がほとんどいない。 好意を抱かない異性とわざわざ会おうと思うことがない。 好き好…

すみれ
6年前
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BAR すがはら:マイアミ

結構忘れられない男の話をする。 あなたをイメージしたカクテルです、と記憶が正しければバー…

すみれ
6年前
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ステラガーデン:モヒート

好きになる、ような気がしていた。 その感覚は、得てして正しい。 運命を感じるなんて大そ…

すみれ
6年前
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