うつむいて、ラベンダー。
ラベンダーの香りが好き。
香りを選ぶタイミング(マッサージ屋さんとか、ディフューザーのオイルが切れてから向かう雑貨屋さんとか)ではほぼほぼ紫色のそれを手にとるし、北海道の富良野に出向いた時には、この畑に埋もれてしまいたいと考えたりする。
ハンドクリームでも香水でも、最近は甘ったるい香りが苦手。ちなみに母も全く同じなので、DNAが匂いの好みまで引き継いでしまうのなら、ちょっと怖い。
嗅覚って、五感の中で一番記憶に残るものらしい。
確かに、シャネルのCHANCEを嗅いだら風俗嬢だった頃を、天日干ししたお布団を持ち上げた時は実家のことを、ぐつぐつ煮込む料理の匂いは一緒に食べた人を、思い出させる。半ば強制的に。
フェチの話になった時、多くの人は「匂い」と言う。
確かに好きな人の匂いは最高にいい。もはや匂いに恋しているのではないかと思うほど、近くに寄らないと知り得ないその香りには中毒性がある。
体臭って、フェロモンらしい。なんかエロいって思うのは私だけでしょうか。笑
だって服を着て、髪をワックスでセットして、女の子は化粧して・・・動物としては不自然なことばかりのヒトという生き物が、香水に頼らずともフェロモンを出してるんですって。なんかすごいな。
匂いというこびり付いた記憶は、忘れてしまいたいことも忘れさせてくれないし、忘れちゃいけないことも忘れさせないでいてくれる。
だから匂いを嗅ぐと旅に出られる。
未来には行けないけど、過去には行ける。記憶が存在するところまで、好きなように。
うつむいた日には、あの時の香りを嗅ぐ。そしたらまた、忘れないで居られるし。
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大好物のマシュマロを買うお金にします。