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努力の塊 山岳ガイド加藤美樹さん/15days to 彼女たちの山

【15days to 彼女たちの山】
2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。
出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。

今回は、山岳ガイドの項に登場いただいたひとり、加藤美樹さんについて。
http://mikiyatsu.jp/
https://www.facebook.com/profile.php?id=100047122600771
インタビューしたのは、彼女が住む北杜市の里山である中山にて。旧知の仲だけれど、久しぶりに会うタイミングだったし、コロナ真っただ中で息抜きをしたい気もあり、美樹さんから「どこか歩きながら話さない?」と提案いただきました。

北杜市の中山山頂より、雲の中は甲斐駒ヶ岳

堤山、斑山、横尾山の案も出たけれど、テッパンのココになりました。晴れていたら真正面に見えるはずの甲斐駒ヶ岳は、姿を隠していましたね。
すぐに山頂に着いちゃったので、登ったり下りたり登ったりを繰り返して3本のルートを歩いてみました。
互いの近況報告や雑談をしながら歩き、最後は山頂に腰を下ろしてインタビュー。フツーに考えると、私がおにぎりや飲み物を持っていくべきなのですが、心優しい美樹さんが、テルモスにお湯を入れて、飲み物もたくさん持ってきてくれました。お代わりもしました。

美樹さんの飲み物コレクション、優しいおもてなし

美樹さんをインタビューしたのは、おそらく2回目。10年ほど前のその記事のタイトルは「努力の塊はしなやかに、たゆまず道を歩む」。『山と溪谷』とゴアテックスのwebサイトに、山岳ガイドの連載をしていたときのことです。
私は、美樹さんは努力の塊だと思っています。その印象は今回も変わりませんでした。
現行のシステムで、国際山岳ガイドにトライした最初の日本人女性は美樹さんと札幌在住の山岳ガイド・菊池泰子さん。お二人とも国際山岳ガイドになることはなかったけれど、道を切り拓いた方だと思っています。先頭を往くものは、ときには傷だらけになります。

最後、美樹さんに「今回の書き手が、柏さんで、本当に良かった」と言ってもらったときは、ほんとうに泣きました。
この下にリンクしたFacebookには、前回のヤマケイとゴアテックスのインタビューのときの美樹さんと飼い犬のケイティー、それと前述の泰子さんの写真があります。誌面にはキリリってした表情を載せたので、こちらのアナザーカットは笑顔です。
前回のポートレート→Facebook

加藤美樹さん「努力の塊はしなやかに、たゆまず道を歩む」 彼女の名前は、ケイティー

Posted by 柏 澄子 on Monday, June 23, 2014

今回の書籍に掲載した写真は、彼女のガイド仲間である黒田誠さん(国際山岳ガイド、写真家)が撮ったもので、こちらもとびきりの笑顔でした。
黒田さんが、美樹さん達とのイタリアクライミングに出かける前日、私は黒田さんとグランパラディーソというイタリアの山を登り、シャモニーの定宿に帰ってきたところでした。ギアの後片付けをして、ウエアを洗濯して、ひと息ついて、明けた次の日の朝。
ご飯を作りにキッチンへ降りていくと、既に食堂で黒田さんは山盛りのパスタをほおばっていました(日本人クライマー、ガイドたちが集まる自炊宿なんです)。思わず「すっごい大盛りですね。何グラムあるんですか?」というと、「これからロングドライブだから」と。
ドロミテで待つ美樹さん・久野さん夫妻のところへ、とても嬉しそうな顔をして向かっていったのを、よく覚えています。きっとものすごく楽しいクライミングだったのだろうな。写真の中の美樹さんも嬉しそうな顔をしているので、ぜひ拙著でご覧ください。

『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(山と溪谷社、3/14発売)


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