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緑のある環境が子どものメンタルヘルスにもたらす恩恵

子どもの精神症状に対する悩みは、多くの親御さんが共有する重要な課題です。
精神疾患の7割は青年期までに発病すると言われており、肌感覚では生涯有病率程度かそれ以上の学生さんが多くの困難を抱えているように思えます。

最近の研究によると、私たちの住む環境が子どもたちの心の健康に大きく影響を与えている可能性があることが示されています。
特に、住宅周辺の緑地の存在が、子どもの不安やうつといった内面化症状の軽減に関連しているかもしれないことがわかりました。


緑地が心にもたらす影響

アメリカ合衆国41州からのデータを用いた大規模な研究で(n=2,103)は、2歳から5歳の早期子供時代において、住宅周辺の緑地が多い環境に住む子どもたちは、そうでない環境に住む子どもたちに比べて、不安やうつ症状が少ないことが明らかになりました。
これは、自然が子どもたちのストレスを軽減し、心の健康を支える重要な役割を果たしていることを示唆しています。

緑と早期の健康効果

この研究結果は、緑豊かな環境が特に早期の発達段階で重要であることを強調しています。
自然とのふれあいは、子どもたちの感情的な発達を助け、心の健康を促進するための非常に有効な方法となり得るのです。
例えば、公園や庭での遊びは、子どもたちにとって重要な自然体験となり、心理的な恩恵をもたらすようです。

どのようにして緑を取り入れるか

お住まいの地域によって緑地の量や質は異なるかもしれませんが、子どもたちが自然と触れ合える機会を作ることは可能です。
近くの公園へ定期的に行く、家の中で緑の植物を育てる、週末には自然豊かな場所へ小旅行を計画するなど、日常生活に自然を取り入れる工夫をしてみませんか。

また、5歳以上の場合でも効果を期待できるため、同じような取り組みをしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

子どもたちの精神的な健康は、日々の環境によって大きく左右されます。

緑豊かな環境は、早期の精神症状のリスクを軽減するための一つの鍵となり得ます。
自然の中で過ごす時間を増やすことで、子どもたちの心の健康を育む手助けとして、今日からでもできることから始めてみませんか?

<Limitations>
この研究は観察研究であるため、因果関係を確定することはできません。また、緑地の質、アクセシビリティ、利用状況は評価されておらず、保育所や学校の緑地についても考慮されていません。さらに、緑地と精神健康症状の関連を検討するための統制されていない潜在的な交絡因子が存在する可能性があります。
また、外面化症状(攻撃性やルール違反など)と自然(緑地)との関連にも言及されていますが、社会経済的脆弱性(SVI)によって変わる可能性があり関連があるとまでは言い切れなかったようです。

なお、キャンプ大好きな我が家、しかもわりと田舎に住んでいるのですが、どうもこの論文は我が家には当てはまらないようです。
とはいえ、幼少期の様々な体験(自然体験に限らない)は、回復力(レジリエンス)に影響を与える論文を見かけたことがあって、まぁ自然と触れあうのは悪くはないのかなと思います。

<出典>
Green Space and Internalizing or Externalizing Symptoms Among Children
Nissa Towe-Goodmanら(2024)

<画像について>
DALLE-3で生成

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