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プロジェクトのよくある管理方法
現場で行われているプロジェクトの管理方法やよくある悩みをまとめてみました。いわゆる”あるある”ってやつですね。
この記事では、よくある管理方法についてご紹介します。悩みについては以下の別記事でご紹介します。
よくある管理方法をQCDの観点でまとめてみました。
1.進捗管理について
・線表での進捗管理
作業タスクに予定の開始日と終了日情報を設定し、進捗率に応じて管理する方法です。
現時点で進んでいるべき進捗率に達していなければ遅延、既に達成していたら前倒しになります。現場によっては作業タスク間の依存関係を定義している場合もあります。
現場ではプロジェクト管理ツールのガントチャートで管理していることが一般的です。報告資料などはエクセルやパワポなど。
ガントチャートについてはこちらの記事でも紹介しています。
・チケット(Todo)による進捗管理
俗に言うかんばん方式です。
作業タスクをチケット(Todo)と呼び、ステータスに応じて管理する方法です。
小規模なプロジェクトやチーム間での進捗管理に用いられていることが多いです(アジャイルやスクラム)。
これらもプロジェクト管理ツールで実施していることが多いです(工場や生産管理部門などは大きな板に付箋で管理していたりもしますが)
・数量での進捗管理
予定数量に対しての実績数量に応じて進捗を管理する方法です。
定量的に管理できる場合に使用することができます。ソフトウェア開発であれば機能数やテスト数です(なので製造、テストフェーズで用いられていることが多い)。
これらはエクセルで管理されていることが殆どです(恐らくちょうどいいプロジェクト管理ツールがないから)
2.品質管理について
大抵の会社が自社オリジナルの品質プロセスや品質指標を有していますのでこれをもとに品質を管理しています。
ただし、会社によってこの品質プロセスや管理指標がバラバラです。なので一概に管理方法を説明できないですが、ざっくりいうと以下のような管理です。
1.プロジェクトの規模や種類(機能)に応じて適用する品質プロセスを決定
2.特定部門(PMOや品質管理部)が品質プロセスを遵守しているかチェック&指摘
3.特定部門(PMOや品質管理部)がテスト消化数や不具合摘出数を品質指標をもとに分析&指摘
品質プロセスは、どこのタイミングでどのようなチェック(会議体やチェック項目)が必要なのか、またその時の報告フォーマットなどが定義されているイメージです。
堅苦しい日本語で書かれたオリジナルのドキュメント(エクセルなど)が存在し、各フェーズに必要な報告用フォーマットも含めて複数の台帳から構成されています。
2のチェック&指摘は、特定部門のように第3者によって行うのが一般的ですが、プロジェクトの規模や種類に応じてその必要性を切り分けています。
3の品質指標は、一般的なテスト消化数以外にもオリジナルのしきい値(上限下限)による分析や密度(テスト密度など)やグラフによる分析を行っている場合があります。会社によって様々な管理をしているので奥が深いです。
最近は、BIを用いて効率的にデータ収集&分析している会社が増えている印象ですが、ほとんどはまだエクセルもしくは局所的にツールを用いていることの方が多いと思います(ソース管理、障害管理はツールを使用など)。
3.コスト管理について
・原価でのコスト管理
プロジェクトの予算と実際に発生する原価との予実差異をもとに管理する方法です。
ここでいう原価はプロジェクトに直課する労務費、経費(外注費含む)と配賦された共通費で構成されます。
共通費は配賦せず、直接費(労務費、経費)だけで管理している場合もあります。特に労務費は、実際に払い出した給料もしくは、みなし単価(標準単価)を基準に算出されます。
どちらを基準にするかは会社によって異なりますが、私の経験では標準単価で管理している会社が多い印象です。
プロジェクトの原価を管理できるツールが少ないため、会計システムや勤怠工数システムのデータを抽出し、Accesもしくはマクロなどで外部処理を行い、最終的にはエクセルを作成して確認するといった会社が多いです。
また、部門単位で収支を確認し、プロジェクト別の収支を把握していない会社も意外と多いです。
・工数でのコスト管理
予定工数に対しての実績工数に応じて管理する方法です。
予定に対して上振れしていたらそれだけコストも超過しているという考え方です。前述のようにプロジェクトのコストを金額で把握していない場合は、工数で管理していることがほとんどです。
ただし、この場合は工数に金額の重み付けができないので粗い管理になります(工数予実だけみても実際は人ごとに単価が異なるため実際のところは分からない)。
この工数をどの単位で確認するかは、人ごと/機能(タスク)ごと/プロジェクトごとの3パターンくらいです。
最初に機能もしくはタスクごとに工数を見積もり、メンバが確定したタイミングでその工数を人ごとに割り当てる流れが多いので人別で工数予実を確認し、その上で機能別、プロジェクト全体で確認するなどの複眼的に確認するイメージになります。
・原価と工数でのコスト管理
上記2つのハイブリッドです。原価での管理では工数の観点で確認できません(原価予算内だが、単価の高い人が稼働せずに安い人が予定工数を超えて稼働しているかもしれない)。
同様に工数での管理は原価の観点で確認できません(予定工数内だが、単価の高い人が稼働しているため実際は予算を超過しているかもしれない)。
これを解決するためにどちらの情報も取り入れて管理する方法になります。
原価での管理をしている場合はすでに情報としては揃っていることがほとんどです(配賦基準に工数を用いていることが多いので)。
ただし、一元的に管理できる場所(管理台帳やツール)を用意することが難しいのでここまで管理しているところは少ないです。
ちなみに工数の代わりにプロジェクトの進捗(出来高)を用いると以下に紹介するEVMになります。
・EVMでのコスト管理
指標とする3つの金額から管理する方法です。その金額は、予算金額/実績金額/出来高金額の3つです。
予算金額は、その名の通りプロジェクトの予算ですね。
実績金額は、実際に発生した金額です。プロジェクトの原価に該当します。
そして出来高金額は、プロジェクトの進捗率を反映した予算金額です。(予算1億に対してプロジェクトの進捗率が50%だったら出来高金額は5千万ということです)。
この3つの金額を比較して、もし実績金額が1.5億だったら先程の例でいうと予算オーバーかつ進捗も下回っていることになります。
逆に進捗100%で実績金額が8千万であれば生産性が良いことになります。これらから予定に対する差異や効率などを求めてコストを管理します。
説明はしましたが、この管理を行っている会社は私の経験上、ほとんどありませんので頭の片隅くらいに置いておくといいかなレベルです。
プロジェクトのよくある管理方法まとめ
上記で説明したそれぞれの管理をすべて一元的に管理しているかというとそうではなく、個別に管理されています(進捗はプロジェクト管理ツール、品質は管理台帳(一部ツール使用)、原価はエクセルなどのように)。
理想はすべて1つのシステムで一元管理できていることですが、なかなか難しいというのが現状です。また、会社によってこのバラバラ具合は様々です。
ほとんどシステム化されている会社もあれば、すべてエクセル管理(複数の管理台帳をエクセルで作成)っていう会社もあります。
次回は続編として、これらの管理から生まれる悩みを紹介したいと思います。
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いかがでしたでしょうか。
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