共創から採用まで…いろいろな「デザイン」をさせてもらったマネーフォワードを卒業します
こんにちは、ちゅうさんです。
マネーフォワードを卒業しました。2019/09/01からちょうど3年間、本日2022/09/30でマネーフォワードを退職しました。
めちゃくちゃ濃密な3年間でしたし、色々やらせてもらったおかげでめちゃくちゃ成長できたと思います。また友人と呼べるような素晴らしい仲間にも出会うことができました。感謝しかありません。
「なんで辞めるの?」とよく聞かれますし、思ったことや感じたことを何も書かずに辞めるのは個人的に何か違うなと思いました。なので振り返りのためにも退職エントリを書いてみようと思いました。(書くって投稿しちゃったし)
あくまで私の目線、感じたことを書いてます。もしお読みになったマネーフォワード社員の中には「いやいや、そんなことない」って思う方も当然いるでしょう。1つの視点、1つの考えとして見ていただければと思います。
なにやってきたの
プロダクト・サービスの設計
マネーフォワード エックスカンパニーという事業部でクライアントさんと新しいサービスを共創していました。(概要は下記のnoteにて)
UXデザイナーとしてデザインパートをリードさせてもらうことが多かったです。実は入社してネイティブアプリって初めてだったし、リードするのも初めてでめちゃくちゃあたふたしてました。
具体的なプロダクトでいうとNTTファイナンスさんと共創した『楽クラライフノート』などを担当しています。これが初案件。一番大変だったけど、これがきっかけでメンバーとも仲良くなれたし、成長できたと思います。
自社プロダクトだと、『マネーフォワード 住まい』のコンセプト検証やユーザーテスト設計と実施とかも少し手伝わさせていただきました。
リサーチの設計から運用、分析までもいろいろやらせてもらっていましたね。
PoCを実行する
クライアントさんと一緒に新しい検討したアイデアやコンセプトの実現可能性や効果の検証もいろいろやりました。こっちのほうが多めかも。
某地銀さんとは将来的にアプリで実装すべき機能を検証するために、ワークショップで検討したユーザーペインやアイディアをベースにユーザー調査/評価を進めたりしました。
他には金融教育サービスのコンセプト検証したりも。
ビジネス上の都合でMVPまで行かなかったけど、そこからの繋がりで品川女子学院の生徒さんとプロダクト作りをしたりしました。
退職直前までやっていたプロジェクトとしては、東京海上日動さんと保険の理解度向上をサポートするサービスを検討・検証し、MVPの設計と運用をしたりしました。正式リリースまで関われなくて申し訳ない気持ち。
採用広報
勝手に採用デザイナーなるものを名乗り、最終的にはエックスカンパニーの採用広報とかインナーブランディングの人になりました。直後に退職したけど。
マネーフォワード全体のデザイナー採用のお手伝いしたり、スカウトとかバンバン打ってました。カジュアル面談とTwitterナンパ師の鬼になってました。マネーフォワードの説明は資料なしでできると思う。
1年間くらいで私経由で5名ほど入社していただきました(ドヤァ)
また所属していたエックスカンパニーが社内、採用候補者及びクライアントから見ても、どんなMISSIONで何をしているカンパニーなのかわかりづらいということで、採用広報もやっていました。
公式noteを立ち上げて記事をいろいろ書いたり、オンボーディング資料を設計したり、メンターとトレーナーの役割定義したりと、社内向けのこともいろいろやりました。
枠組みなどの立ち上げ
超特殊なやつだと、共創を行うエックスカンパニーのデザイン組織として外向けに名前が欲しいなーと思い、『Fintech Service Design Center by Money Forward X』という枠組みを作ったりしていました。
最近無事商標登録されました。やったね。
つい最近2024卒デザイナー向けに実施していましたが、マネーフォワードのデザイナーサマーインターン、その記念すべき1回目の設計と講師をやったりもしました。
なんで辞めるの?
自分の中で成長する組織とのギャップが出てきてしまった
今までやってきたことを見ていただけたらわかるように「組織・事業にコミットする、貢献する」という目標を掲げ、デザイナーに縛られない仕事をしていました。めっちゃくちゃありがたいことにそれを後押ししていただき、いろいろやらせて頂いてました。
その間に会社は急激に成長し、プライム市場に上場。毎月何十人も社員が入社するようになりました。純粋にすごい。
いろいろ整ってなかった制度などめちゃくちゃ整うようになりましたね。この「産休育休ガイドブック」とか素敵すぎる。
ただめちゃくちゃ急速に変化し、とてつもない人数が入社されてきてから組織が急激に大企業化していき、より構造化されて分業制に近くなってきたなと思いました。当たり前ですが目標も細かく設定してきっちり追うものになりました。
人が増えたので、よりプロダクトに集中しやすくなったって感じですね。この規模の組織では健全なことだと思います。
気づいた事を先回りしたり、誰もやらないことに手を挙げていた私にはちょっと動きづらい状況になってしまったのです。越境しにくいし、目標も立てづらい。自分にとってはギャップがある状態なりました。
いろいろ周囲に相談してやり方や、どうみんなに影響与えられるかとかも考えていましたが、「なにこいつデザイナーなのに、1人で採用大事とか言ってんねん」って1人空回りしていたのに耐えられなったのかもしれません。
カルチャーの捉え方が少し変化してきたかも
マネーフォワードはMission / Vision / Value / Cultureドリブンな会社です。MVVCに魅力を感じ多くの方が入社してきます。
私自身も素敵なものだと思っていますし、完全に体現していたとは思いませんがマネーフォワードメンバーとして大切にしていました。
個人的には会社の規模が大きくなりカルチャーの捉え方が変化しているように感じていました。「カルチャー大事!最高!」のように、なんとなく崇めるものに近くなってきたと思います。(この表現が正しいかわかりませんが)
「カルチャーマッチ」の捉え方はとても難しいですが、リーダーをさせてもらったり採用に関わっていた身からすると、カルチャーマッチはささいな発言や普段の行動、仕事への考え方から現れるものだと思っています。事業にコミットするには無くてはならないものですし、そもそもビジネスパーソンとして当たり前のことが書いてあると思っています。
上手く表現できないですが「常に意識すべきだけど、口に出して崇めるものではない」と思っています。カルチャーは大事なのは当然として何をするか。血のように常に組織の中に流れ続けるものかも。
そんな微妙な捉え方の変化から、なんとも言えない居心地の悪さを感じてしまいました。
コロナの影響でコミュニケーションが取りにくい問題の影響もあり、カルチャー浸透の捉え方も変化しているでしょう。また採用においてカルチャーは採用候補者を惹きつける良いきっかけではあります。もしかしたらカルチャーが独り歩きしているのかも?
簡単に言うと組織の変化やそこに伴う人の変化と、自分の価値観の間にギャップがある状態ですね。
ポジティブな意味で「いなくても困らない」ポジションに
特にチャレンジせずに、それなりの仕事をして、それなりの評価で一定以上に続けていれば、ポジション的にものすごく給与は上がりづらいけど、ずっとぬくぬくできる!!!
グレードでいうとシニアに片足突っ込んでいたので、仕事をある程度選べるようになりました。やろうと思うとそういうことをできるポジションになってしまった。
そもそも私は根は怠け者なので、こうなったら成長しなくなる。気づいた瞬間にヤバいな俺、と思いました。
そこから脱却するためにもチャレンジという意味でデザイナー採用広報やエックスカンパニーの採用広報をやったのですが、この領域って特別みんなにとって困っている部分でもないから関心も薄いし、「あ、特定ポジションの採用広報っていなくても誰も困らないやつかも?」となりました。
全社の採用広報は必要だと思います。ただデザイナーや事業部単位の採用広報はポジションや事業部の採用方針にも引っ張られるので、継続的にやらなくもいいとなることも。
またどうしても全社採用広報と比較すると話題が小さくなるので、関心は薄れてしまいます。必要な部分ではあるのですが、すぐに効果が出ませんし、常にやり続けるものなので、働きかけ続けるのは難しいところでした。
そもそもマネーフォワードはデザイナーそれぞれの発信やイベント、プロダクトのリリースなどがあるので人は採用しやすい状態にはありました。そこを踏まえてプラスの意味で、「私がいなくても全く困らない」と思ったのも1つのきっかけです。
プロダクトとその先のことをやりたい
マネーフォワードはご存知プロダクトの会社です。法人向けの『マネーフォワード クラウドシリーズ』と個人向けの『マネーフォワード ME』が主力です。エックスカンパニーも法人向けプロダクトに注力しています。
正直プロダクト”だけ”作るの、そんなに興味ない。
プロダクトも作るけど、プロダクトを作れるような組織になるように支援したり、プロダクトを正しく運用できる組織づくりをお手伝いしたりのほうが興味あります。
人材育成や組織の体制構築支援とか、評価制度を考えたりとか…。ツール入れただけではDXはできないので、デジタルに特化した人材を育てたり、考え方を腰を据えてインストールしたり、デジタル人材が活きる体制や評価を考えたりしたいのです。
マネーフォワードでやることも考えました。ですがその領域は時間かかるし、コストに見合わないから事業スコープになりづらいです。
ならそういうところないかな?と思い、転職活動をはじめました。
超要約
要するに、雰囲気的にもフェーズ的にも変わってきたし、マネーフォワードでこれ以上価値発揮考えるより、もっといろいろな意味での共創や組織づくりができる他の組織でもっと面白いことしてみよう!!ってことです。
ネガティブな感じのことも書きましたが、批判ではなく純粋にフェーズが変わったってことだと思います。そこに着いていくのをやめただけです。
組織としては正しいですし、成長している証拠だと思います。
ともかくめちゃくちゃ楽しい3年間で、自分のアセットがめちゃくちゃ増えたと思います。
関わった方全員に最高の感謝を。ありがとうございました!!!
次はどこいくの?
次はグッドパッチ、丸井グループと合弁会社である「株式会社Muture」の1人目社員として、UXデザイナーになります。
丸井グループ、グッドパッチの2社から集まった5名は役員なので、今のところソロ平社員だぜ!イェイ!!
グッドパッチのクライアントワークでも、丸井グループ所属のデザイナーでもない、JVとしての事業への関わり方ができることが魅力に感じました。またFintechかよと思われるかもですが、Fintech自体は大好きなのでしょうがない。
マルイのサービス作りから、デジタルサービスを作れる体制・環境・人材の支援もしますし、会社も4月にできたばっかりなのでMuture自体の組織も作っていかなければなりません。
マネーフォワードの中でできるといいなと思っていたことが全部できそうなので、とてもワクワクします。
ニュースリリース見たときからめっちゃくちゃ面白そうだし、エントリーしようとしていたらスカウト来たので運命めいたものも感じました。メンバーの5名のキャラクターも素敵ですし、「均衡・包摂・循環」、そして「相利共生」の考え方にもめちゃくちゃ共感を感じました。
個と互いを尊重して対話をする組織ってとても素敵ですよね。
絶賛採用中なので、気になったかたはぜひ!!!!!!!!!!!
そんなわけでMuture(ミューチュア)のちゅうさんです。絶妙に言いにくい。
よろしくお願いします!!!!
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