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白蛇伝から中国の恋愛観を学ぶ

皆さんこんばんは、日台ハーフのすーたまです!

台湾で長年教育を受け、中国文学に造詣の深い彼氏を持つと、日常生活で中国文学に触れる機会が増えます。最近すーたまは彼氏さんに、《白蛇伝》(はくじゃでん)の簡易版を拝借し、毎晩少しづつ読書しています。

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小学生向けの、ボポモフォ(台湾で使われる発音記号のことで、注音符号とも言う)がついてる小説で、本来何百ページもある難解な文章を易しく噛み砕いてくれています。おかげで中学高校時代、国語の成績が赤点の連発だったすーたまもサクサク読めちゃいました(小学生向けなので当たり前ですが)^^

この中国古典小説シリーズには《白蛇伝》の他にも、中華圏の人なら知っているであろう《西遊記》、《聊齋誌異》、《紅樓夢》、《水滸傳》......など、様々な作品があります。

と言うわけで今日は以前更新したブログ、「中国北宋の時代について」や「面白過ぎる中国の時代劇:「知否知否應是綠肥紅瘦」に続き、中国文学について語りたいと思います。

最初に皆様、「白蛇」と聞いてどんな印象持ちましたか?

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画像:Adobe Stock

恐らくこんな印象だと思います。

そうです、この燦々たるお蛇様が今回の主人公でございます。この白蛇が何百年も山奥で修業し、人に化けられる程の能力を持つ「妖」で、名前は「白素貞」(はくそてい)といいます。白素貞は美人さんなのです!

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以前のブログ、面白すぎた仙侠ドラマでも紹介したように、「妖」は人間の感情を持った生物の事で、永遠の寿命を持つとされています。ファンタジー要素を持つ中国小説やドラマでは「妖」がじゃんじゃか登場してきますよ。

鍛錬を積んだ「妖」は「人」に化けることができ、すーたまが以前観た中国ドラマ、《琉璃美人煞》には狐やバナナの葉が人間に化けていました。《西遊記》に登場してくるあの孫悟空も「妖」です。しかし孫悟空の力が「神」を超越してしまったので、彼は結果として神になる事ができました。

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本には「白蛇が下界へ行く」と書いてあったので、「白素貞」は恐らく天にいる妖、と言う特別な設定なのでしょう。神様のペット的な???

《白蛇伝》は《孟姜女》、《梁山伯と祝英台》、《牛郎織女》に並ぶ中国4大民間ラブストーリーの一つで、主に白蛇の妖怪「白素貞」と人間の「許仙」の紆余曲折を描いた恋物語です。

ではこの4作のラブストーリーを簡単にご紹介しますね。

《孟姜女》(もうきょうじょ):

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秦の始皇帝の時代のお話で、主人公の范喜良(はんきりょう)は当時万里の長城の建設のお手伝いをしていました。しかし工事中不幸にも死んでしまいます。そして妻の孟姜女は冬着を夫に届ける途中で夫の死を耳にし、メンタル崩壊。何日も号泣し続けた結果長城が壊れ、中に埋もれていた夫の死骸が出てきてしまいます。孟姜女はやっとの思いで夫を埋葬し終えると、海に身を投げて一生を終えるのでした。

《梁山伯と祝英台》(りょうざんぱくとしゅくえいだい)

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中国東晋の時代の物語。女である祝英台が男装して遊学するのですが、途中で梁山伯(男)に出会い、お友達になります。当初梁山伯祝英台が女だとは知らなかったのですが、その後事実を知り二人は恋に落ちます。しかしその後梁山伯祝英台が他人の男と許嫁になっていた事を知り、メンタル崩壊。梁山伯、悲しみのあまり、死す。一方好きではない人から無理やり結婚を迫られた祝英台は、結婚当日に梁山伯の墓場を通りかかりました。すると急に嵐が巻き起こり、墓が勝手に開いたのです。その瞬間祝英台は墓に身を投げ、墓が再び閉じた後、空には二匹の美しい蝶が現れたのでした。

《牛郎織女》(ぎゅうろうしょくじょ)

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七夕伝説の中国のあらすじです。日本の伝説とは内容が少し違うようですが、ほぼ一緒なので紹介はすっ飛ばします!

《白蛇伝》:

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何百年も山奥で修業し、人に化けられる程の能力を身につけた妖、白素貞は前世で結ばれなかった恋人、許仙が人間界にいる事を知らされます。前世の思いを果たすため、白素貞は美しい女の人に化け、あの手この手を使い許仙と無事結婚するに至りました。が、とあるきっかけで白素貞が白蛇だと知った許仙は驚愕し、法力をもった禅師と一緒に白素貞を退治しようと考えます。それでも許仙に一途な白素貞は、許仙が危険に会った時は命がけで幾度も幾度も助けます。最終的に二人は結ばれるのでハッピーエンドです。

以上です^^

そしてすーたまがこのブログで読者の皆様に最後にお伝えしたいのは、他にあるのです。

すーたまが今観ている中国ドラマ、《知否知否應是綠肥紅瘦》でも分かるように、昔の中国社会では、自由恋愛が許されなかったのです。恋愛の末、結ばれることはほぼ皆無でした。

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昔は相思相愛でも、社会的地位が対等で無い限り、結婚は許されなかったのです。

貴族同士の結婚は家の結びつきを強めたり地位を上げる目的で行われ、親が勝手に相手を決めてしまう事が殆ど。結婚式の日に初めて結婚相手を知る新郎新婦も珍しくありませんでした。

更に昔は一夫多妻制だったので、正妻後妻、正室側室の関係がドロドロしまくりです。そう考えると、これら4つの作品は、自由恋愛の風潮を切り開いたと言っても過言ではありません。

「白蛇伝」はツッコミどころ満載ですが、面白かったです。

皆様も機会があれば是非、読んでみてくださいねー^^

ではまたー。   



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