地政学③チョークポイント

日本のような海洋国家の国防でとても重要な概念でチョークポイントというものがあります。


チョークというのは英語で相手を苦しめるという意味があり海洋国家でチョークポイントを取られてしまったとても苦しくなります。

チョークポイントとはシーレーン(海の道)上貿易などでとても重要になってくる要所の事です。 貿易の際に使うシーレーンで狭い海の道(海峡や運河など)などのことでありホルムズ海峡やスエズ運河などがそうです。

又チョークポイント一つ抑えても意味がありません。 シーレーンというのは点と点を結んだものがシーレーンであり海上ルートなのです。
その点がチョークポイントなのです。 電車でいうところの駅のことです。 駅を一つとっても意味がありませんよね。 駅と駅を繋げることで線になるのです。 陸地と考え方は一緒です。 陸上と違うのは線路がないので少しずれて走っても駅につけば問題ありません。 だからこそ駅チョークポイントを抑えれば実質シーレーンを確保したのと同じになるのです。

何故チョークポイントが大事かというと例えばインドを通る時に敵対関係にあったとします。その時インドの近くを海を支配していても少しずれて通れば良いですがスエズ運河などとても狭くその場所しか通れない場所は封鎖されてしまったらどうにもなりません。 そういった要所なので重要と言われているのです。 

日露戦争の際もバルチック艦隊を日本海に持ってくる際にイギリスがチョークポイントを支配していたので最短で来ることができず世界一周くらいした後に戦ったので負けてしまったという例もあります。 貿易だけでなく軍事にも大事なことが分かったと思います。


主なチョークポイント

 スエズ運河(エジプト)
 パナマ運河 (アメリカ)
ベーリング海峡(ロシア・アメリカ)
 バシー海峡 (台湾 フィリピン)
 マラッカ海峡 (マレーシア)
 ホルムズ海峡 (イランオマーン)
バブエルマンデブ海峡(アラビア半島
ジブラルタル海峡(スペインアフリカ
 宗谷海峡 (日本・ロシア)

などがあります。

日本は中東から石油を8割依存しているのでホルムズ海峡であったりマラッカ海峡などがとても重要でありそのため自衛隊唯一の海軍基地であるジブチがあり海賊などから守っています。
日本と中東というのはとても仲が良いです。
アメリカが敵対していても仲がいいのはそういった意味合いもあるのかもしれません。


この中で一番チョークポイントを握っているのはアメリカです。 日本はアメリカがシーレーンを守ってくれているのでなんとか貿易ができています。 しかしアメリカが敵対関係になってしまってはほぼの確率で日本が崩壊します。

海洋国家はチョークポイントがとても重要ですが大陸国家というのはあまり必要ではありません。 しかし今日海上輸送が増加していてグローバル化が進んでいるので大陸国家も日々重要性が増しています。

大陸国家がチョークポイントを抑えてしまえば海洋国家は太刀打ちできません。大陸国家がチョークポイントを抑えることで海洋国家への脅しにもなり首を掴まれているような感じになります。大英帝国やアメリカが繁栄できていたのもチョークポイントをしっかり抑えていたというものがあるのです。

余談になりますが世界を滅ぼす方法で一番簡単なものは物流をアメリカが止めることです。
アメリカがシーレーンを確保しているのでそれを止めてしまえば一気にユーラシア大陸で戦争が始まっていきます。 中国なんかはアメリカに食料を依存しているので食料を求めて戦争又は内部分裂が起きます。 中東なんかも石油を売れないので厳しいでしょう。 EUなんかも食料に力を入れていますが難民なんかも大量に押し入れられて厳しいです。 日本なんかは食料もなく石油もないので半年持てば良い方でしょう。 一番持つのはロシアですが中国が戦争を仕掛けてくるかもしれませんし難民が大量にやって来て混乱の中滅んでいくでしょう。

だからアメリカというのは最強と言われているのです。 自給自足ができてさらにシーパワーの力を持っている。 いわゆるチート国家です。アメリカを滅ぼす方法はせいぜい移民くらいでしょう。 それぐらい最強なのです。 軍事力も1位ですがそれ以上に物流を支配しているのが最強なのです。 

北極海航路

近年地球温暖化の影響で北極の氷が溶けて北極海航路というのが期待されています。 日本や中国などは北極海航路を使った方がヨーロッパから近くさらに海賊なども少ないのですごく注目されています。 その中で宗谷海峡やベーリング海峡などのチョークポイントが重要性が増しています。

しかし現在北方領土問題がありロシアとの国境がありません。 自分の意見ではありますが北方領土をある程度妥協して解決してロシアと手を組み管理することが重要だと思います。 北方領土は日本の地政学上ではそこまで重要ではありませんし現在日本人は住んでいません。
日本からすればロシアと仲良くしていく方が利益があるのです。

ロシアは2島だったら返すといっています。日本も4島にこだわるのではなく昔出た2島先行返還論のようにするのがベストなのです。
右翼や世襲などに負けない強い政治家が出てくれればいいのですが、、、

日本は、シーレーンの確保が必須であり生命線であります。 なのに自国だけで確保できているかは微妙なラインです。 アメリカから本当の意味で独立したと言えないかもしれません。
今現在の作戦としてはチョークポイント近くの国とは外交でなんとかしていくしかありません。 

日本の外交官というのは優秀なので現在大丈夫ですがこれから東南アジアでも中国寄りになりつつありもし女系天皇ができてしまえば皇室関係で仲が良い中東方面でも悪化が警戒されます。 日本人全体で世界の事を考えていく必要があります。

日本ではどうでも良いと思っても世界ではどうなのか韓国や中国が嫌い天皇なんかどうでも良いと思ってても世界的に見た時にどうなのかなども考えて行くことが今現在重要になってきているのだと考えました。

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