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2020年劇場映画No.1ヒット確定。 劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編

公開前ながら、最早「確定」と言って良いだろう。

コロナという未曾有の事態に陥った世界経済。その中での今年の映画興行。マスク着用必、換気徹底、座席スペースの余裕確保など、映画館側のさまざまな対応がなされはしたが、この未曾有の事態による今年の興行へのダメージは計り知れない。

国内における現在までの2020年劇場作品最大ヒットは「今日から俺は!!劇場版」の53.3億円である。

ちなみに昨年は年間を通じて興収50億円を超えた作品は12作品ある。「天気の子」のメガヒットに加え、豊作だったディズニーラインナップなどが全体興行を押し上げ、年間興行収入が過去最高を記録した。まさかその翌年にこうも真逆の事態になろうとは、、世の無常さを思い知らされる。

さてそうした中、今週16日金曜日より全国公開されるのが「劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編」だ。

昨年からの鬼滅旋風は止まることを知らない。少年ジャンプでの連載時はそこまで世の中ごと化されていなかった本作は、アニメ化xストリーミング配信体制の整備、主題歌LISA「紅蓮花」のヒット、UfotablexAniplexタッグによる迫力あるアニメーション描写(個人的には10数話まで我慢したけど..)、漫画版での最終話への怒涛の展開、など様々な要因が折り重なり、単行本累計発行部数が既に8000万部を突破するなど、爆発的なヒットと化した

鬼滅のヒット分析において参考になるコンテンツを以下貼っておきたいと思う。

※中田さんによる解説で特に素晴らしいと感じたのは、「歴代ジャンプ的な男子が好むモチーフ(侍、刀)を纏いながら、常に家族を省みる(ある種女性的な)優しい内面性を持つ主人公」であるという所か。

※アドタイ、Real Soundの記事では、本作品によるアニメ化が如何にしてヒットを拡大させたか(特に19話がターニングポイントになったこと)がよくわかる。

アニメのエピソードを見終えて知ったことではあるが、これまで放送されたアニメ版はまだ本作単行本の半分にも達していない訳ではあるが、ヒットを加速させる劇場映画展開にアニメ放送・配信の正統続編を繋ぎ込んできたことが、個人的には非常に驚いたことであった。※詳しくは調べきれていないが、オリジナルアニメ作品においては「シーズン」アニメ展開の後に、オリジナル映画版の展開はよくあると思うのだが、単行本が先行している漫画作品のアニメ化においては、基本的にはシーズン展開後の映画版は通常「総集編」もしくは「映画オリジナル作品」的な位置付けの展開が多かった印象がある。(ex. 進撃の巨人、ワンピース、名探偵コナン)むしろこうした展開は「Fate」のヒットを創出した「Anniplex x Ufotable」の手法による影響が大きくある様に感じる

そしてちょうど配信で追っかけ視聴を終えた後に、本劇場作品の予告編を見たのだが、視聴回数が当時半年ほど前で既に1000万回前後に達していたことに驚くとともに、劇場版のヒットを確信した次第だ。そして第二弾に関しては現状既に2000万回を超えているのである。

ただそのヒットがより記録的なものになることを悟ったのはこの数日である。

この1〜2週の間での怒涛の露出は目を見張るものがある。企業コラボしかり、紙面露出、コンビニ店頭コラボ、さらには公開前のフジテレビでのアニメ総集編放送。(第二夜は公開後)先日の東京タワーでの点灯式、鬼滅列車SLコラボ、などなど本作がここ数日メディアをざわつかせなかった日はない。

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※ここまでやるか・・と思わされた出前一丁x鬼滅の刃コラボ (筆者撮影)

極め付けは昨晩のこれだ。

結果的に上映回数が非常に多いこともあり、チケットは無事に確保できそうではあるが、劇場側の気合の入れようも凄まじい。そしていずれにしろ、多くの人がこの作品の劇場公開を待ち望んでいることは間違いないはずだ。

ちなみに今月の日経エンタテインメントでも特集が組まれており、これを拝読すると、鬼滅の刃の世界的な人気の広がりや、ファン層が性別年代に偏らないという極めて特殊な傾向も語られている。

昨年の盛り上がりを経て、現在進行形の上記の様々な取り組みが、劇場公開というリアル体験によるヒット加速装置での展開に集約されており、この公開が更なる作品のピークを創出するという爆発の予兆をびしびしと個人的には感じている。。(こうした取り組み・調整を図られた関係各社・各者の皆様の多大な尽力と戦略的な取り組みにはとにかく頭が下がる)

最後に過去のアニメ興行収入の参考値を挙げておきたい。

最早国民的コンテンツとなった名探偵コナンシリーズは、最高興収は、昨年の「紺青の拳(フィスト)」93.7億円である。一方ワンピースは、2012年ながら「FILM Z」が68.7億円を記録している。(次点は2019年のSTAMPEDEの55.5億円)

公開前段階での話題性、視聴層の広さ(お子様含めファミリーでの鑑賞も期待できることを踏まえると)で言えば、最早「今日から俺は!」は超えることは確実だろう。

そして公開はまだながらも、世界中にいるファンに本作品の公開情報が国内の鑑賞者のSNSを通じて広がれば、逆風的に鬼滅に関する投稿も海外でも増え、本作の人気をより一層後押しすることとなるだろう。

また個人的に本作の作品興収を押し上げる上でポイントとなるのは、ファンがリピートしたい作品となるかどうかであると考える。Fate作品でいえば、まさにそれは映像表現の限界に挑むかの様な圧巻のバトルシーンだったり(ライトファンからすればだが)する。今作も、製作は同様のufotableでもある故、見るものを釘付けにする魅力的に表現されたバトルシーンが確実にあるはずだと期待する(それこそ描かれるであろう煉獄さんと上弦との戦いには期待している)。個人的には、FILM Z 68.7億円は最低でも超えると予想するし、公開初週末はSNSで投稿が吹き荒れ興行もすごい記録を叩き出すだろう。

これまで想像以上に世の中へインパクト残してきた作品だけに、エポックメイキングな結果を残すことは間違いないだろう(コロナでそもそものエンタメのオプションが少ないこととSNSを中心とした露出の連鎖が続けば100億円越えなどもあり得るのではないだろうか。)

さて、公開日まであと72時間をきった。

炭次郎が乗り込んだ劇場版という名の無限列車は、果たしてどこまで駆けていくのだろうか。


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