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【22卒最新版】オンライン採用における内定者フォローのトレンドまとめ

こんにちは!
今日も筆者と一緒に「すごい人事(※)」を目指し、いっぱい吸収していきましょう!
前回、採用CX(候補者体験)の概要についてお話させていただきましたが、時期的に今回は「オンライン採用」における「内定者フォロー」について、ピックアップしてみようと思います!

※すごい人事…VUCA時代(変化の激しい時代)における「アジャイル組織(=学習する組織)」をつくれる、引っ張りだこ人事!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・「いい人」が集まる採用の仕組みをつくりたい経営者、人事担当の方
・「本質的な採用活動」の仕組み作りをしたい人事担当の方
・採用CXに取組みたいものの、イマイチ現場まで落とし切れず苦戦している人事担当の方
・面接に入るものの、もっと良い求職者との関わりを模索するマネージャーの方
【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・22卒新卒採用、およびオンライン採用における最新情報がわかる
・「採用CX(候補者体験)」をあげるフォローの関わり方がわかる
・オンライン採用における内定者フォローの実行戦略イメージが湧く
・採用活動の質が向上し、選考遷移率等の改善に役立つ


1-1.22卒新卒採用において「オンライン採用」が激増!

 22卒新卒採用において、オンライン採用を取り入れた企業はなんと全体の98%にのぼるというデータが出ました。

 学校でのオンライン授業化も進んだことから、学生さんのオンライン選考へのハードルも下がり、一次面接では6割以上が オンラインでの実施を希望しています。
場所に関係なく就職活動ができるという点でも、一次面接から移動を伴う就活ではなく、まずオンラインで接点を持ってからより企業のことを詳しく知りたいと思う学生さんも増え、この傾向はコロナ後も変わらない可能性が高くなっています。

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 結果、企業側としても、今後もオンライン採用の選択肢を用意することは、スタンダードになっていくと考えられます。


1-2.22卒新卒採用のエントリー数3.5倍増とのデータも

 2022年卒新卒1人あたりのエントリー数は2021年卒新卒と比べて約3.5倍にもなったというデータが出ました。

・企業側もオンライン採用へ移行 → 応募ハードルの低下
・コロナ不安 → 選択肢を多く持ちたい
といった心理的状況の変化などから、学生さんのエントリー数が増加したと考えられます。

その結果、学生さんの1社あたりへの志望度が分散

 接点(オンライン)およびエントリー数の増加による関係の希薄化
から、学生さんが辞退の連絡をする際の「心理的ハードル」も 低下

 企業側としては初期接点における選考基準の見直しや、選考歩留りの見直しを前提とした選考フローの改善、一定の辞退者を見越した内定だし、および内定者フォロー体制の構築の必要に迫られています。

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2-1.内定の意思決定が後ろ倒しになっているという声多数!

 前述の通り、エントリーへの心理的ハードルが下がり、エントリー数が増えた結果、学生さんの脳内シェアが分散。人事ご担当者の皆さんもその変化について気になっているようです。

●各社人事ご担当者の声
- 22卒新卒採用において、 内定承諾の意思決定の先送りを相談されるケースが増えた印象。
- 21卒は内定者フォロー活動に積極的に取り組んでいなくとも承諾率が高かったが、22卒新卒採用に関しては内定辞退が増え、フォローの手法の見直し を余儀なくされている。
- 昨年までの新卒採用状況をみた歩留り予測と今年は異なり、選考途中での辞退者が増えた印象。
- オンライン中心の選考だったため、学生さんへの承諾への導き方、オンラインの内定者フォローの打ち手 が分かりかねている。

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 上記データを見ても、22卒新卒採用において「業界理解不足の学生が増えた」「企業理解不足の学生が増えた」と感じる人事ご担当者はそれぞれ 5 割前後。
 「そう思わない」と回答 した2割前後を大幅に上回りました。学生さんの活動量が増えた分、1 社ごとの理解が浅いと感じる人事ご担当者が多いようです。

 「就業意識や企業理解などが高い学生と低い学生の差が開いた(二極化が進んだ)」と感じる人事ご担当者は 7 割に上り(69.3%)、インターンシップなどで早期から動いていた学生さんとそうでない学生さんとで差が顕著だったという意見が多く挙がっています。


2-2.内定保留率・就活継続率も高いのが22卒の特徴

 上述の通り、時間が経って選考が進むにつれ、辞退率が例年以上であるという人事ご担当者の声が増え始めました。22卒新卒学生さんがより多くの企業に、気軽に応募するようになった結果、後半になって選考辞退する学生さんが増えているようです。

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 21卒の大学3年2月時点での「内定保留」率は48%であったのに対して、22卒同時期の「内定保留」率は73%になっており、この時期 における内定保留率の高さはここ数年で最大とのこと。
また、直近の調査でも約55%の学生さんが6月以降も就活を継続しており、人事として内定者フォローの重要性が増しています。


3.オンライン採用に移行したことで「自己分析」機会も減少?

 ここまで、22卒新卒採用においてオンライン採用が増えた結果、エントリー数が増え、内定保留率や辞退率が高まっているというお話をしてきました。

 他に大きな変化として筆者が気になったのが、「自己分析」機会の減少です。オンライン採用が主流になる前と、後で比較してみました。

【Before】オンライン採用 導入前
●説明会 参加数
1〜2回/日(移動を伴う)

●自己分析
✔︎説明会帰りの電車の中での内省
✔︎周りの就活生との情報交換
✔︎就活支援会社の行うグループワーク
✔︎学校で行うグループワーク

【After】オンライン採用 導入後
●説明会 参加数
1〜4回/日(移動を伴わない) →エントリー社数3.5倍

●自己分析
✔︎自己分析ツールなどによる分析
✔︎オンラインイベントなどによる分析

 対面の就職活動が主流だった際には、帰りの電車でパンフレットを見返したり、就活友達をつくって情報交換をしたり、説明会内容などを脳内で振り返ったりする「余白」があったと思います。

 しかし、オンライン採用に移行してからは、極端な話、オンラインの説明会に出た後すぐYoutube見る、など、脳内シェアが他のものに奪われやすい状況であると言えます。

 エントリー数も増加し、自己分析機会もじっくり取れない中で、1社あたりのことを考える機会が減っているのは、当然のことと言えるかもしれません。


4.企業情報の量が減り、オンライン上の「情報収集」が活発化

 また、22卒新卒採用では情報収集方法の変化も非常に顕著に感じます。こちらもオンライン採用導入前後で見ていきましょう。

【Before】オンライン採用 導入前

✔︎会社や会場の雰囲気
✔︎担当者の雰囲気や振る舞い
✔︎周りの就活生の様子
✔︎会社説明資料(手元に残るもの・パンフレットなど)
✔︎会社説明資料(投影されるもの)

【After】オンライン採用 導入後

✔︎会社説明資料(投影されるもの)
✔︎口コミサイトでの評判確認
✔︎SNSなどでの口コミ
✔︎ネット上にある企業情報

 対面での企業説明会に足を運んでいた時には、データでみられない、雰囲気などといったソフト面の情報も得ることができました。周囲を見渡して、他の就活生の様子なども伺って、第三者目線での情報も収集できていました。

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 しかし、オンライン説明会に移行し、周りの就活生の状況も見えず、説明が終わってから見返せる手元資料もなく、企業が発信する情報を一方通行で受けて終了、というパターンが非常に多く散見されます。

 また、オンライン採用に伴って、オンライン面接ツールの導入などを行った企業は増えたものの、採用サイトに載せている情報量でいくと、オンライン採用以前と大きく変更していない企業が多く見られます。

 

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 そのため、22卒の新卒学生さんが得られる企業情報が圧倒的に減ってしまったのは言うまでもありません。その結果、オンライン上の口コミサイト上や、SNSで情報収集する新卒学生さんが急増したのも、22卒の顕著な特徴といえるでしょう。

5.22卒内定者フォロー、各社の動き

 上述したとおり、オンライン採用に移行したことで、様々な複雑な要因が絡み合い、22卒新卒採用においては、内定辞退が非常に起こりやすく、今まで内定者フォローに力を入れていなかった企業においても、内定者フォロー施策の検討が迫られました。

 こういった状況を受け、各社の内定者フォローの傾向を見てみると、「接触回数はミニマム1ヶ月に1回以上行う」という企業が急増していくことが考えられます。

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 とはいえ、人事というのは社内的に見ると、非生産部門、間接部門と呼ばれるように、売り上げを直接的に伸ばすわけではないと言う捉え方をされるケースも多く、常にリソース不足であるケースが大半です。

 筆者も事業会社内で人事を担っていた経験があるのですが、その時には単純計算で1名の人事で40名ほどの承諾者をフォローしなければならず、内定者も合わせると実に80名ほどの進捗を1人で追っていました。

 そんな中でフォロー回数を増やすだけと言うのは現実的でない…という人事ご担当も多いのではないかと思います。そのような中でも内定者フォローを成功に導くポイントを考えてみました。


6.22卒内定者フォロー成功のポイント

 口コミやSNS等で知らない間に信憑性の薄い情報が行き来する前に、先手で特別感(個別性)のある情報を提供し、なるべく多く接点を持つ(露出する、目に付く状態を目指す)ことが、22卒新卒採用において非常に重要なファクターとなります。

●情報不足
 → オンライン上の情報充実=情報のオープン化
● 自己分析機会の減少
 →決めかねている学生さんへ納得度の高い内定者フォロー
●繋がり希薄化(エントリー増)
 → 接点回数を増やして脳内シェアを獲得する 

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 リソースが限られた中でなるべく多くの接点をもち、情報をしっかり届けるには、オンラインの力も駆使してフォローをしていきましょう。
具体的な打ち手イメージは以下です。

【打ち手イメージ】
●内定者がログインしやすいチャットツールなどで繋がり、コンテンツを定期配信
 →学生さんは、意思決定するほどの情報量を持っていないため、まずは接点回数、露出量を増やして、脳内シェアを上げに行くことが非常に重要です。特に、聞きづらい情報が口コミの火種になることが多いので、なるべくハード面の情報(残業時間など)は正直に先手で公開すべきでしょう。もちろん、公開しづらい情報でも、取り組み状況を正直に伝えることで、憶測の情報拡散が防げます。

<発信すべき情報のポイント>
①懸念払拭
 →コンテンツを考える際、②の魅力訴求から入ってしまうことが多いのですが、オンライン採用においてWEB上のコンテンツが少ない場合、口コミやSNSでの情報に流されてしまうため、①から着手すると良いでしょう。よくある質問などをまとめて事前に配信できると、安心感に繋がります。

②魅力訴求
 →先輩の入社理由、エモーショナルなメッセージなど、より意思決定の後押しとなるような情報発信や、実際に働いているイメージを想起させられる情報を届けることで、意思決定の促進材料になります。

●内定者向けZoom背景のプレゼント
 →筆者が人事時代は、内定者に名刺を作ってプレゼントすることで、仲間である気持ちの醸成や、間接的な親御さんへの安心感の醸成、他の学生さんの紹介などを促進していました。22卒においては、オンラインで使える、貴社ロゴの入った、できれば個人の名前の入ったZoom背景をプレゼントした上で座談会を実施するなどして、会社としてあなたを迎えている!と言うことを全力でアピールできるといいかもしれません。

●オンラインでの個別フォロー
 →オンラインだとしても、例え15分だとしても、どう?と一声かけるだけで気にしてくれていることがわかるので、学生さん印象に残ります。

●オンライン座談会
 →現場で働く人などとの交流の場や、内定者同士の横の繋がりを多く作ることで、間接的に、貴社のことを想起する機会が増えます。


 その他、今回紹介した情報や、細かいポイント、打ち手などは、資料にもおまとめしたので、よろしければぜひご参考ください。


7.まとめ

いかがでしたでしょうか?
採用CX(候補者体験)の考え方もベースに、学生さんが意思決定するために必要な情報の整理なども行なってみると、より学生さんの欲しい情報を届けられ、内定者フォローが有効なものになると思います。
今の時期は、23卒と22卒が並行して非常にお忙しいと思いますが、貴社の採用活動がより成功に近づくような情報提供ができていましたら幸いです!

次回もお楽しみに!!

「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe 
Crepeでは、ESG観点からみた人的資本における企業価値向上支援を行っています。具体的には、採用CX(候補者体験)向上ための採用戦略コンサルティング、採用ストーリーブック制作、研修トレーニング、EX(従業員体験)向上のための組織コンサルティング、エンゲージメント向上 HRtech「ミライチズ」などを通して、より良い個人と企業の関係の質向上支援を行っています。
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