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中間管理職不足を解消するための方法-分析・採用・育成-

こんにちは!普段は名古屋でフリーランス人事をしている「すごい人事(※)」情報局のゆいです。

私が採用のお手伝いをする中で、どの会社も苦戦しているのが「中間管理職の採用」です。
社内メンバーだけでは人手が足りないから採用したいと思っても、自然な応募はほぼ無いし、エージェントに相談したりデータベースを見たりしても「なかなかマッチする人がいないですね!」と言われてしまうことが多いようです。

今回は、現場が疲弊する原因の一つである「中間管理職不足」について、採用市場と現場で何が起こっているのか具体的にイメージができるようにお伝えしていきます。

※すごい人事…「採用トレンド」を理解し「アジャイルな(変化に対応できる)組織づくり」ができるVUCA時代の引っ張りだこ人事!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・中間管理職不足で困っている経営者、人事担当の方
・中間管理職採用に困っている採用担当の方
・「いい人」が集まる採用の仕組みをつくりたい経営者、人事担当の方
・「本質的な採用活動」の仕組み作りをしたい人事担当の方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・中間管理職不足問題についての解像度が上がる
・中間管理職不足に対して何をすべきかのきっかけを掴むことができる
・採用活動の質が向上し、選考遷移率等の改善に役立つ

中間管理職候補がいない

「中間管理職」と検索すると「きつい」や「板挟み」というワードと一緒に検索されることが多いようです。
そんな中間管理職とは、上司と部下に挟まれている管理職、いわゆる係長や課長クラスのことです。

経験を積み、上司のサポートを受けながら部下をマネージメントしていくのは、おそらく30~40前半歳の方が多いのではないでしょうか。その世代の就業者数は今、減少傾向にあります。

もしかすると、あなたの会社の従業員ピラミッドと似ているかもしれませんね。事業部長・部長クラスと若手クラスの間の人たちが少ないので、世代が離れてしまい育成に困ってしまう…というお話をよく聞きます。

”あるある”ということは、多くの企業で中間管理職不足が発生しているということです。つまり、この世代の採用は激戦区だと言えます。

まずは中間管理職が辞めない組織作りを

次期管理職を育てていくのであれば、採用難易度が高いという理由以外に、社内事情を把握していて順応が早いというメリットがあるので、社内から抜擢する方が良いと思います。

まずは、今いる中間管理職の方が「きつい」や「板挟み」と感じさせない組織作りをしてほしいです。
実は中間管理職と人事とで、課題認識に食い違いがあるという調査結果があります。

人手不足や後任者不在について、解決策は採用だけではありません。
外部リソースを使ったり、人員配置を見直したり、DXを行い業務工数を減らしたりと、人手不足や後任者不在課題にアプローチする方法は様々です。

人事・上司視点だけではなく、中間管理職本人からも課題感をヒアリングした上で、適切な対応を行うことが重要です。
現場が疲弊する前に対策を取り、本来中間管理職に期待している業務に集中してもらえるような環境作りをしてください。

中間管理職の役割

先ほど「本来中間管理職に期待している業務」と書きましたが、中間管理職の業務自体も、現場とのすり合わせが必須です。
プレイングマネージャーでカバー範囲が広い人を求めがちですが、全方位何でも出来る人はほぼいないので、中間管理職に期待する業務を明確にし、その人に求める業務の優先順位を決めて評価をしたいところです。
おおよそ、次のような業務が求められることが多いです。

目標達成に向けて推進

会社の事業計画に基づき各部署の目標が設定されます。中間管理職は、自分が担当する部署・チームの目標を達成するために業務を推進していくことが求められます。
そのために、自部署の課題把握・業務フロー整備・人材リソースや工数の管理・経費等のお金の管理能力などが必要です。
目標達成に向かう途中、上司からの要望と部下からの要望の板挟みとなる点がストレスになりやすいです。

部下育成

部下と直接接している中間管理職は、部下の育成を任されます。
業務量・難易度の調整や残業時間の把握、仕事のやり方指導だけでなく、メンタルケアやキャリア形成のための1on1面談もあります。それらを実施するためには、傾聴力や柔軟性、状況把握力が求められます。もちろん、会社として若手にどう育って欲しいかの方針も把握していなければなりません。

実務(プレイングマネージャー)

マネジメント業務だけでなく、自分自身にも目標が設定されて現場で動くことが求められます。
若手の頃よりも難易度が高い業務を任されるので、自分自身のスキルアップが必要となるのですが、先述した中間管理職と人事の食い違いランキングを見てみると、4位に「学びの時間の確保困難」が挙げられている点から中間管理職の苦労を感じます。

中間管理職の採用

中間管理職の役割を明確にし優先順位を決めた後、応募者に期待したい業務・スキルを求人票に落としていきます。
求人票の書き方はこちらを参考にしていただけたらうれしいです。

中間管理職の採用はレッドオーシャンなので、こちらから働きかける採用活動をオススメします。

【能動的な採用手法】
スカウト・リファラル・アルムナイ

3つの手法に共通するのは会社側から声をかけるということです。
そのため、なぜその人に声をかけたのかを言語化して伝えると、応募の意向が上がります。

面接時には、自社の課題を把握してもらった上で応募者がどう考えているのか、また応募者は何を自社に期待しているのかをヒアリング出来ると、入社後のすれ違いを少なくすることができます。

・会社(部署)の状況、課題
・求めている人物像
・候補者が自社にマッチしていると思うポイント

これらを具体的に伝えられるように準備をしなければ、中間管理職の採用は難しいのが現状だと思います。むやみやたらにスカウトメールを送ることはやめた方が良いでしょう。

中間管理職のオンボーディング

採用した中間管理職候補のオンボーディングも手が抜けません。
入社直後、立場によって期待値や求めていることが異なってしまったがために早期退職に繋がってしまうことも…。

【入社直後すれ違いあるある】
・人事:経験者採用だからあとは任せよう!
・現場上司:お手並み拝見。
・現場部下:自分と相性いい人だといいな。上司ガチャ当たってほしい。
・本人:早く現場理解して組織に馴染み結果を出したい。でも社内ルールとかよくわからないな。メンバーは接しやすいといいな。人間関係どうなっているんだろう。

例に挙げたあるあるだと、誰も入社した中間管理職をフォローしていません。経験者だからと期待値が高すぎて放置してしまうと、前職とのギャップが埋まらないまま結果が出ずに退職されてしまうかもしれません。

マネジメント経験が長くても、組織に馴染むためには誰でも時間を有するので、現場メンバーだけでなく人事もフォローアップが必要です。
私は中途で入社した方は、最低3ヶ月はオンボーディング面談をしていました。細かいところで会社独自の暗黙ルールがあり、誰に聞いたらいいかわからないということがよくあるので、オンボーディング面談は実施すると良いでしょう。

最後に

「中間管理職にはなりたくない」という言葉がネット上で散見されるのは、幅広い業務をカバーしなければならず負担が大きいことにあります。
全部の業務を網羅的にこなせる人材はほとんどいませんし、いたとしても負担が大きすぎて体調を崩す要因になる可能性があります。

本当に求めているスキル・業務は一人で担当しなければならないのかを再検討し、分散させることができるのであれば、中間管理職だけでなく上司や部下、もしくはもう一人の中間管理職に振り分けていくと負担を減らすことができます。

限られた人件費だとは思いますが、適材適所の配置・業務量や期待値の調整は人事の役割だと私は思います。組織を活性化させるためにも、業務の見直しをしてみてください!

それでは次回もお楽しみに!

ライター:西田ゆい
名古屋の老舗企業とベンチャー企業で人事を経験後、独立してフリーランスの人事になる。現在は5~6社に入り、採用・労務・組織開発など幅広い業務を担当している。「誰もが楽しく働ける社会へ」を個人ミッションとして日々邁進中。

「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe
「すごい人事」では、ESG観点からみた人的資本における企業価値向上支援を行っています。具体的には、成長企業向けプロ人事支援サービス「すごい人事」、内発的動機での入社を促す「採用ストーリーブック」制作、エンゲージメント向上 HRtech「ミライチズ」を提供。「この会社を受けてよかった」採用体験づくり、「家族に自慢したくなる」従業員体験づくり支援をおこなっております。
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