23歳が倒産寸前の会社を立て直した話 第5話 #事業の信頼度
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23歳が倒産寸前の会社を立て直した話 第5話 #事業の信頼度

杉山やすたか
父の事業の経営立て直しを行うことにした私は第一に父自身の人件費すなわち実家の生活費を改善することにしました。すると、父に所得税と健康保険料の延滞分が500万円あることが発覚し経営立て直しは予想以上に過酷なものであることが判明したのです。

所得税と健康保険料の延滞金はいわゆる罰則な訳ですからかなりの金利がかかります。本来であれば金利の安い金融機関から借換えをして所得税と健康保険料を一括完済し金融機関へ返済をした方が良いのですが、破産した過去がある父の名前で融資を受けるのは現実的ではありませんでした。当然、当期分の消費税が支払えず私に相談してきたのですから、他に貯金があるはずもありません。

母の協力もあり月に3万円程度ですが人件費の削減をすることができました。しかし、引き続き経費削減を試みるも人件費の他に固定費には家賃などがありますが、これらを削減するには引越しや敷金礼金の支払いなど経費がかかりますので今すぐの削減は難しいものでした。

そこで私は変動費の削減、すなわち、材料仕入れ値の削減に取り掛かることにしました。

現金取引と掛け取引

まずは取引をしている業者とその業者との取引形態を全てリストアップすることに。するとある事実が見えてきました。

材料の購入などの取引には大きく「現金取引」と「掛け取引」の2つの取引形態があります。

現金取引とは・・・材料購入の際に現金をその場で支払う取引形態。
掛け取引とは・・・材料購入の際は現金を支払わず伝票を発行し、事前に取り決めた締日と支払日のスケジュールに則ってまとめて支払いをする取引形態。

掛け取引は材料を購入して支払いをするまでの間、一時的に借金をしているような状態になります。従ってお互いの信頼関係がとても重要です。しかし、掛け取引の場合通常よりも安い特別価格で取引を行えるケースも多いのが事実です。

父の事業はたまにイレギュラーな注文があり、その材料は普段取引をしている業者とは別の業者から仕入れていました。そのような業者は信頼関係はありませんので現金取引(材料購入の際にその場で現金を支払う)になっているのはわかります。しかし、普段取引をする業者とも現金で取引をしていたのです。

掛け取引のメリット

そもそも掛け取引にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

まず販売側からすれば前述の通り一時的に材料費を肩代わりしているような状態になりますからリスクになりえます。しかし、掛け取引の場合はいちいち現金が動きませんので購入側は大量購入や頻繁な購入がしやすいというメリットがありますので、その販売店を使用しやすくなります。

すると、販売側は受注量が増えますのでメーカーなどの生産側からより安く仕入れることができるようになります。そうすると、購入側へより安く提供できるようになりますので購入側もその販売店をより使用するようになります。

このように掛け取引はリスクはありますが大きなメリットも含んでいるのです。

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掛け取引するには

では掛け取引に至るにはどうしたらよいのでしょうか?それは大きく2つの条件があります。

まず一つ目は前述の通り、購入側と販売側に信頼関係があることです。信頼とは取り決めたスケジュール通り必ず支払いをするということ、すなわち財力があるという証明です。あなたも支払い能力がない人にお金を貸したくありませんよね。そのために決算書や確定申告書など販売側が求めるものを提示する必要があるケースがあります。

二つ目は安定した発注量があることです。販売側は受注量が増えることを見込んで掛け取引を行います。しかし、安定した受注量がない購入者と掛け売り契約を結んでもそれが見込めずリスクを負うだけですから販売側もあまり敬遠してしまいます。そのために最初のうちは現金取引で購入を続け一定の発注量があることを示すのが効果的です。

削減できない材料費

以前の記事にも記述しました通り父の事業は自転車操業でした。すなわち、現状では信頼関係を築ける状態にありません。また、発注量も十分にあるとは言えない状態でした。したがって材料費の削減は無駄の削減程度しかできないという現状だったのです。

このままでは時間の問題でまた破産の危機を迎えてしまいます。慌てて私は実際の業務の改善を試みたのでした。

続く

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それは私の責任です、ということが言い切れてこそ責任者たりうる。
杉山やすたか
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