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23歳が倒産寸前の会社を立て直した話 第6話 #スケジュール管理

病院に勤務しながら父の事業の経営改善に取り組むことにした私でしたが、現状の固定費・変動費ともに削減が難しいことが判明しました。そこで、資金面からの改善はこれ以上は見込めないと判断し実際の業務改善により収益を増やす方法に着手したのです。

当たり前ですが利益を増やすには二つの方法があります。売上を増やすか、支出を減らすかです。

コスト削減による経営改善は直接支出が減るのですぐに結果が出やすい傾向にありますが、業務改善による方法は直接売上が上がるわけではないのですぐには結果が出にくい傾向にあります。

すでに自転車操業である父の事業では結果に直結しやすいコスト削減をしたかったのですが現状ではそうもいきませんでしたので、収益を増やす方に舵をきったのでした。

定まらないスケジュール

まずは父が現状どのように働いているのか把握する必要がありました。そこで、まず直近の予定を紙に書き出してもらうことにしました。翌日、父から受け取ったのは真っ白なスケジュールでした。

一体どういうことなのか。父の真相を尋ねると、なんと今行っている案件の工程も次の案件の予定がわからないのです。現在の案件がいつ終わるのかも、次の案件がいつ始まるのかも分からないのです。これでは売り上げが伸びず自転車操業になるのも無理ありません。

ここまでいい加減な働き方でよく今までトラブルにならなかったものだと不思議でなりませんでした。いや、もしかしたら私が知らないだけでトラブルになっていたのかもしれません。とにかく、こんな状況では経営云々の次元ではありません。私は早急にスケジュール管理の改善に取り掛かりました。

予定の組み方

父は昔から仕事人間かつ古い考えの持ち主でしたから「父たるもの休まず仕事をし続けるのが一番の子育て」という考えの人でした。実際小学生の運動会や卒業式、習い事の大会など父が登場人物にあった記憶がありません。

そんな性格からか父は目の前の仕事に精一杯になってしまい、他のことを考えるのが苦手だったのかもしれません。しかし、先の仕事のことを全く考えなくて言い訳がありません。そこでスケジュール管理に関しては私が担当することとしました。しかし、父の仕事は病院勤めの私にとっては全くの異業種。私一人でスケジュール管理をすることはできません。

とはいっても父の仕事をする姿は小さい頃から見てきましたから、多少なりとも父の仕事のことはわかります。まず、案件の依頼がきたら私がその仕事の概要を書き出します。夜仕事が終わり帰ってきた父にそれらにかかる日数を計算してもらいます。その後私がその案件の全体の日数を計算します。そうすれば次の案件はいつから入れることができるのか、逆にいったらいつ仕事が切れてしまうのかわかるようになりました。

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もう一つの課題

これで案件ごとにかかる日数は把握できました。現在の案件の終了予定が分かれば次の案件の予定を組むことができます。先が見えるようになれば自分自身も作業がしやすいですし、依頼をしてくれる元請けや顧客からの信頼も大きくなります。

しかし、父にはもう一つの問題がありました。それは「私が組んだスケジュールを把握できない」ということでした。

父は今まで目先のことだけを考えて仕事をしてきました。ですから、私が組んだスケジュールを把握しその通りに作業を進めるということができないのです。

当然スケジュール通りに進む案件ばかりではありません。天候に左右される案件や他社都合による遅延、むしろ予定よりも早く進んでいる案件などさまざま。私には本業もありますから父の仕事の進捗をいつも気にはしていられず、父も私の組んだスケジュールから遅れているから少しペースを上げたり早まっているから次の案件の準備を早めるなどの行動をとることができませんでした。

次に私は本業での経験を思い出しこの課題を乗り越えるべく更なる改善に取り組んだのです。

続く

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