見出し画像

2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」Part1:監督・GK編

1、 前書き

今回は、2021シーズンの開幕前の編成についてフォーカスを当てたいと思います。Jリーグ全体でのファジアーノ岡山についての編成評価が、客観性が高く理想ですが、私が一番良く見ているファジアーノ岡山の歴代の選手(監督)と比べて、どうかという視点での評価していく事で、より分かり易いのではないかと思い、今回のフォーカス記事を書いていきたいと思います。

また、記事を分割して投稿していきたいと考えており、完成した場合は、同様の内容の記事を1つに統合したものを再アップ予定です。その点は、ご了承下さい。

【 評価基準 】

A・B・C・D・Eの5種を使います。
良:A~E:悪

実際に見ることが出来ていない選手は、選手自身のインタビューや、実績、動画、過去の選手名鑑などを参考に、評価を書きたいと思いますので、ご了承下さい。
また、ポジション毎に評価基準の厳しさは違いますので、同じAやEであっても違う評価の場合もある点もご了承下さい。
加えて、表記上、監督や選手という文言を一部省略させて頂いていますが、プロの監督や選手として、最大限の敬意を持った上で、書かせて頂いていますので、その点もご理解頂けると幸いです。

それでは、宜しくお願いします。

2、監督編

有馬 賢二:総合力A・期待度A

有馬 賢二

・監督成績

通算(153試合:41勝43分69敗)

J2(84試合:30勝25分29敗)
J3(69試合:11勝18分40敗)

3、監督編(考察)

・バランス重視のチーム方針

攻守のバランスの良い監督だと思います。ややポゼッションを意識したチーム作りをされていますが、ポゼッションだけという事はありません。その時のチーム状態に応じたチーム作りをされている印象です。また、対戦相手に応じて、ベースの4-4-2を基軸に、スタメンや戦い方をシンプルに変更し、幅広く対応可能な点は、強みと言えると思います。

・幅広く選手を起用されるので全選手に出場の可能性有り

J3の地域密着クラブの「Y.S.X.C横浜」や、世代別日本代表の監督の経験を活かし、結果を出しつつも育成を怠らないチーム作りができる。結果を出す事を長期的な視点で考えられていて、結果を出すための育成ができる監督。最終的には、結果を出すという事を基軸にされているので、若手だけではなくベテランの良さをも引き出し、選手の長所を伸ばす事で、選手に留まらず、チームを育てる事で、結果を出せる監督です。

・シーズンの終盤戦でも強い

岡山の歴代の監督は、得意な戦術があり、そこを追及する事で、結果を残して来ました。しかし、シーズンの序盤から中盤にかけて安定していますが、最終的には、行き詰り終盤での勝ち星が伸びないという傾向になりがちでした。その点、有馬監督は、色々な角度からの改善点を見つけ出し、終盤戦でもチームをアップグレート出来た初めての監督です。

・監督総評:充実度(A)

選手の持ち味を引き出すのが巧く、長所を伸ばすチーム作りに長けた監督。同時に、チームに合う選手の補強も巧く、強化部との連携も◎。過密日程の中、ロングパスに頼った攻撃から、組み立ても出来るチームの土壌を構築。有馬色の強い選手が揃った3シーズン目に、資金力や下部組織のしっかりした他チームに、どこまで戦える楽しみであり、チームが噛み合えばプレーオフ以上進出という結果に、期待したい。

4、 GK編

IN:31梅田 透吾
OUT:ポープ・ウィリアム

31梅田 透吾:総合力B・期待度A

31梅田透吾


・個人成績

通算(17試合0得点)

J1(17試合0得点)

・しっかり繋げる現代的GK

31梅田 透吾は、事前情報や動画を見る限り、足下に優れ、反応の良いGKではないかと思います。しかも世代別日本代表に選ばれるぐらいなので、この世代のトップクラスの実力のGKです。有馬ファジでの補強したGKの21馬渡 洋樹や昨季所属したポープ・ウィリアムを考えても、足下に優れるスタイルのGKが多く、その辺りが、凄く楽しみです。ただ、ポープ・ウィリアムの基準に慣れたサポーターの期待にどれだけ応えられるかという点は、監督より厳しい目で見られるかもしれません。

13金山 隼樹:期待度B・総合力B

13金山隼樹

・個人成績

通算(140試合0得点)

J1(2試合0得点)
J2(117試合0得点)
JFL(9試合0得点)
リーグ杯(5試合0得点)
天皇杯(7試合0得点

・第二GKの脱却へ正統派GKの勝負の2021シーズン

13金山 隼樹も多くのチームで出場機会を掴んでおり実績では一番。プレースタイルとしては、ハイボール処理も得意で、反応が良く、ビックセーブが多いです。ただ、少し足下やスローイングに多少のもたつきがある場面や、ポジショニングや反応が遅れあっさり失点を許す場面などもあったので、多少安定感に欠けますが、岡山のGKとしては、高いレベルにあるので、正直今までもセカンドGKであるのが、信じられないぐらいです。出場機会を掴むことが出来れば、試合勘も戻って来るので、不安定に感じたパフォーマンスも安定してくると思います。

21馬渡 洋樹(GK):総合力?・期待度D

21馬渡洋樹

・個人成績

通算(4試合0得点)

J2(1試合0得点)
天皇杯(3試合0得点)

・2020J1王者の川崎の目に留まった未完のGK

21馬渡 洋樹に関しては、実績や動画でも確認出来ませんでしたが、恐らく川崎フロンターレからの期限付き移籍中なので、足下の技術に優れる選手かと思います。身長もありますし、ハイボール処理も心配なさそうです。恐らく第3GKとなると思いますが、練習でアピールすれば、出場する可能性は、十分あると思います。

1椎名 一馬(GK):総合力D・期待度E

1椎名一馬

・個人成績

通算(28試合0得点)

J2(3試合0得点)
JFL(6試合0得点)
中国(14試合0得点)q
天皇杯(5試合0得点)

・岡山の志を繋ぐ守護神

1椎名 和馬は、岡山の元気印です。試合で活躍する選手が一番かもしれませんが、同じだけ練習の雰囲気を盛り上げる事も大事です。試合のための練習であり、練習が良くなければ、試合で実力を発揮する事は難しいでしょう。正直、試合での貢献を考えると、選手としての待遇は、良くないと思います。それでもチームのために尽くしてくれる1椎名 和馬選手の存在は大きいと思います。チームよっては、GK3人体制のチームもある通り、第4のGKを確保する事は難しい事です。今後も岡山のために、岡山の所属選手の最長記録を作ってくれるぐらい岡山のために戦ってもらえると、嬉しいです。今年もよろしくお願いいたします。

5、GK編(考察)

・正守護神争い

正守護神は、恐らく13金山 隼樹と新加入の31梅田 透吾の2人の争いになると思います。ただ、全体的に実績面では、少し心細く、ポープ・ウィリアムの穴をどこまで埋める事が出来ているか。ハイボール処理では、13金山 隼樹。足元だと13梅田 透吾。実績がなく、実力が不明ですが、両方持っている可能性のある21馬渡 洋樹にもチャンスがあるでしょう。コーチングの1椎名 和馬も虎視眈々とスタメンを狙うという構図になりそうです。岡山で、ブレークするGKも多く、31梅田 透吾や21馬渡 洋樹といった選手も、そうなって欲しい。

・ポープ・ウィリアム路線継続か?

昨季の正守護神は、ポープ・ウィリアムの一番の武器は、足元の技術の高さに裏打ちされたフィード精度。一本のキックで、一気にゴール前というシーンも演出してきた。31梅田 透吾も新加入会見でも後ろからのビルトアップに積極的に参加する事が武器だと語っています。ポープ・ウィリアムの後釜として、期待も大きく、編成を見ても足元の技術をかなり重要視している事が伺えます。

・進化を続ける岡山のGK

岡山で強いインプレッションを残した歴代のGKは、抜群の反応で神セーブを見せた中林 洋次。驚異的なキック力を持った櫛引 政敏。抜群の反応と高いフィード精度を誇った一森 純。そして、昨季のハイボール処理、高いセーブ率、高精度フィードと初の3拍子揃ったポープ・ウィリアム。近年はフィードに特徴のある選手を中心に+αの選手が、中心選手として、活躍している。今季の31梅田 透吾が、どういった正統進化と言える活躍を残せるかどうかは、注目ポイントである。

・GK総評:充実度(B)

編成を見ると、総合力が高く、豊富な経験を持った13金山 隼樹、将来性と戦術適合率の高い31梅田 透吾。岡山を良く知る1椎名 和馬。未知数だが、21馬渡 洋樹も控える編成。岡山のGKの強化方針は、実績より将来性とチームスタイルを重視している傾向にある。今季は、昨季の正守護神が移籍し、不安もあるが、編成選手の実績やプレースタイルを考えると、例年に負けない可能性もある。4人体制でもあるので、31梅田 透吾次第では、A評価にも成り得る。他ポジション以上に若手の活躍が光ってきた岡山だけに今季のGK陣にも期待したい。

文章・図版=杉野 雅昭
text・plate=Masaaki Sugino

関連記事
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」Part2:DF(CB・左右SB)編
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」 Part3:MF(DH・CH、左右SH・OH)編
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」 Part4.FW(ST・WG、CF)編
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」

自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。