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2021ファジアーノ岡山にフォーカス47 「シーズン総括(GK編)」

 全文無料公開。選手の表記は、見易さの観点から省略させていただいていますが、○○(選手)の意識で、全ての選手や監督、読者(サッカーのサポーター)の方々に最大限のリスペクトをもって、文章にさせていただいています。そして、目標としているスタイルは、理に訴えることで、前向きになれる批判。厳しく褒めていくスタイルです。よろしくお願いいたします。

1、 2021シーズン出場記録

GK:42試合(36失点)
1椎名 一馬(1試合)
13金山 隼樹(18試合)
21馬渡 洋樹(0試合)
31梅田 透吾(24試合)

2、 各選手個別評価

背番号・選手名:貢献度(高:A~E:低)

1椎名 一馬:C(1試合)

まず、13年間ファジのために有難うございました。そして、最終節記録上は2分の短い時間での出場でしたが、まるで20分間もあったかのように、時がゆっくり過ぎるように流れていると感じるほど、1つ1つのプレーが、印象的で濃密な時間でした。そのプレーする姿は、目に焼き付いていて、ファジサポであり続ける限り、忘れる事はないでしょう。そして、あのファジへの愛が溢れるほどの挨拶は、ファジに関わる全ての人に伝わり、引き継がれて、継承されていくと思いますし、この気持ちが持ち続ける限り、全ての人の想いに寄りそう温かく情熱的なクラブとして、上を目指して戦っていくことができると思います。そういった気持ちの大切さを教えてくれた1椎名 一馬には、次のステージでの挑戦の場が決まり、再びその力を発揮できる日が来ることを、心より願っています。本当に、13年間有難うございました。

13金山 隼樹:B(18試合)

ファジの前半戦の堅守を支えた守護神。シュートへの抜群の反応や、正確なポジショニングやハイボール処理、最後尾から鼓舞する姿は、まさしく守護神でした。後半戦は、チーム戦術がより、繋ぐ形にシフトして行く中で、出場機会から遠のきましたが、リザーブメンバーとして、ベンチからチームの勝利を願って、準備とピッチも見つめる姿は、印象に残っています。こういったチームで戦う姿勢、1椎名 一馬の言っていた声を出すという部分を体現してくれた選手の1人。本当には、岡山のGKは、試合には1人しか出ることができないポジションだが、4人で戦ってきたというのを体現してくれた。今季は、SNSでも発信続けて、コロナ渦でもチームのために尽くしてくれた。

21馬渡 洋樹:―(0試合)

今季は、リザーブメンバー入りの試合が1度のみとなった。その中で、チームのためにしっかり戦ってくれたシーズンではないかと。GKというポジションの大変さを1椎名 一馬が、語ってくれましたが、1椎名 一馬や21馬渡 洋樹といった3番手や4番手のGKがいることで、正守護神のGKも体を張る事ができるし、普段の練習でも質の高い練習ができる。そういった意味で、感謝の気持ちは強い。来季も岡山でプレーすることがあれば、出場を目指して、新監督の下で、切磋琢磨しつつ、チームのために、そして、出場機会を目指す中で、苦しい時もあると思うが、最後までやりきって欲しい。

31梅田 透吾:A(24試合)

ファジに新しいGKのプレーモデルを掲示した新進気鋭の若きGK。3人目のディフェンダーでありながら、GKとしてもJ2屈指のセーブ率を誇る、31梅田 透吾が、正守護神になると、最終ラインからのビルトアップは、飛躍的に向上し、危険なシーンでさえも、危険に感じないセーブを魅せる事で、岡山の堅守をより高みへと導いた。スーパーセーブを、普通にやってのけるGKとしてのセーブ技術、そして、強烈なシュートも弾き出すパワー、そして、そのセーブを可能とするインテリジェンス溢れるポジショニングや駆け引きの巧さ、GKとしての欠点は、もはや近代のGKとしては身長が低いことぐらいだが、それすら感じさせない身体能力。飛び出しの判断やスピードまでも速く、まさに完全無欠。守護神であり、パスやセーブで、試合を作れるゲームメーカーでもある。そのゲームを作る右足の精度もJ2標準以上で、滅多にラインを割ることもなく、高確率でフィードやパスを通すことができる。まさに完全無欠の守護神で、将来日の丸を背負っても不思議なく、これからの成長と飛躍が楽しみなGKの1人。

3、 GK総括

総合評価:B

 今季のファジのサッカーの方向性が、GKというポジションで見ると、シンプルに出たシーズンとなった。前半戦では、受ける守備の中での、セカンドボール回収を狙って行く中での堅守を築いた。ただ、前に出て行くという積極的な守備という観点では、終盤戦に及ばなかったのも事実。シーズン最初から31梅田 透吾から始まるサッカーの形を展開できていれば、また違った景色を見ることができたかもしれないが、13金山 隼樹から31梅田 透吾に代わる中で、どういった変化があったのか?

 それは、やはり一番は、DFラインを高く保てるという事である。13金山 隼樹の時は、どうしてもGKとDFラインの間というのは、危険で、松本戦では、あわや失点というシーンもあった。開幕から31梅田 透吾ではなかったのは、その時のメンバーやチーム戦術の熟成度がそこまで高くなかったのが、一番理由ではあるが、選手が揃って行く中で、怪我のアクシデントさえ、チーム戦術の浸透の機会にする中で、ハイラインで、よりコンパクトにするというサッカーが可能となった。

 そのサッカーで、31梅田 透吾が、3人目のデュフェンダーとして、ビルトアップに参加し、守勢に回った時は、守護神として壁として立ち塞がる。数的有利と守り易い状況を作るという工夫がGKとDFの間で行われた事で、チームとして堅守という形で、安定を生み出した。そういった変化をGKというポジションで見ると、分かり易かったシーズンであったという先ほどの結論に至る。

 その中でも、記録上の2分でGKのあるべき姿の1つを見せた1椎名 一馬。0-3からの1点のように、気持ちとして戦うチームであるという認識を、監督、選手、サポーターといった中で、共有することも出来た。一年を通して、GKで見ても、最初から最後まで濃い一年となった。このシーズンが、1椎名 一馬の13年の想いの継承を受けた2022シーズンに、どういったメンバーが揃い、どういったサッカーを展開していくのか、GKというポジションから、来季も見守っていきたい。

 少なくとも今季は、ゴールをシャットアウトする13金山 隼樹。頭を作って、攻守で、存在を示す新しいGK像を作った31梅田 透吾。GKの声というのは、フィールドプレーヤーを鼓舞することが出来た後ろから鼓舞できるポジション。GKの可能性を感じた一年となった。来季のGK陣が、1椎名 一馬抜きで、どういったチームを構築していくというのは、ルーキーの谷口 璃成君が、どういったGKになるか含めて、楽しみなシーズンとなる。

文章・図=杉野 雅昭
text・picture=Masaaki Sugino

自己紹介
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりを広げていくことが楽しみ。

情熱的な部分での代名詞となるレビュー
2021ファジアーノ岡山にフォーカス46 J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉 「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」
URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907
URL:https://twitter.com/sugi8823/status/1467877281721102336?s=20

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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。