杉菜カズアキ

30代半ば、自営業。2024年5月から小説執筆にチャレンジ

杉菜カズアキ

30代半ば、自営業。2024年5月から小説執筆にチャレンジ

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「ツイスト・イン・ライフ」第1話(全22話) 創作大賞2024応募作品

あらすじ登場人物第一話:松尾誠司 その一「いやぁー……今日はしんどかったっすよ」  松尾誠司は、無機質な骨組みに囲まれた空間でマールボロに火をつける。彼の鮮やかな赤い髪の毛とは対照的に、その顔色は疲労で青白くなっている。 「この業界にいると、労働基準法なんてものは絵空事だって、つくづく思い知らされるんだよな」  手島清志の切実な思いが紫煙に交じって吐き出される。 「もしかして手島さんって明日もこんなスケジュールなんですか?」  松尾がそう聞くと、手島は笑いながら答える。 「あ

    • 小説「俺の人生は失敗なのか?」第3話【創作大賞2024応募作】

      「自己分析、か……」  先日、寺川純也は、転職エージェントの吉田香織と自身の転職についての話をした。  寺川は、新卒で入社した株式会社木丸製作所に骨を埋めるつもりであり、転職など自身とは無縁のことだと考えていた。  そこで吉田から「転職活動は、改めて自己分析をすることを強くオススメします!」と言われた。  自己分析は、大学時代の就職活動でやったことはあったが、思い返せばあまり本気になってやっていなかったように思える。  と言うよりも「機械工学科なのだから機械づくりの仕事に

      • 小説「俺の人生は失敗なのか?」第2話【創作大賞2024応募作】

         株式会社木丸製作所で発生した「財布の盗難事件」が知らされたその日から、寺川純也は全くと言っていいほど仕事に身が入らなかった。  一週間経っても、寺川はうわの空でCADの画面をボーッと見つめる時間が増えた。  ふとしたタイミングで我に返っては仕事に取り掛かるも、明らかに仕事の進捗は芳しくなかった。幸い、現在はあまり仕事も多くなく問題になるほど滞ってはいないようだ。  寺川はこの日もモヤモヤとした一日を過ごし、定時になるとすぐに帰りの準備をする。  帰り際に「こんな日もあるよ

        • 〆切間に合うかわからないけど創作意欲が止まらないので二作目にチャレンジ!でも皆さんの作品も読みたい!よくわからないテンションだからジムで筋トレしてくる!

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        「ツイスト・イン・ライフ」第1話(全22話) 創作大賞2024応募作品

        • 小説「俺の人生は失敗なのか?」第3話【創作大賞2024応募作】

        • 小説「俺の人生は失敗なのか?」第2話【創作大賞2024応募作】

        • 〆切間に合うかわからないけど創作意欲が止まらないので二作目にチャレンジ!でも皆さんの作品も読みたい!よくわからないテンションだからジムで筋トレしてくる!

          小説「俺の人生は失敗なのか?」第1話【創作大賞2024応募作】

          あらすじ 木枯らしが褐色の絨毯を散らす十一月の朝、寺川純也は国道を西へ向かい自転車を漕いでいた。背後から朝陽が光の筋を落とし始めるのが日に日に遅くなるのを感じる。  同じく西へ向かう自動車の排ガスの温もりをかすかに鼻先に感じながら「明日からは手袋をした方がいいな」と考えている。通学中の中高生もすっかり冬の装いだ。  目的地へと直進する寺川の心は、迷いに満ちていた。  交差点の信号待ちで行き交う車を眺めながら、己の人生を回顧し、その行く末を案じていた。  思考を巡らせている

          小説「俺の人生は失敗なのか?」第1話【創作大賞2024応募作】

          X(旧Twitter)の創作用アカウント作ろうかな……元々ツイ廃だったけど罵詈雑言で荒れまくりのおすすめタブとか、大切な情報に群がるインプレゾンビとか、色々と使ってて疲れることが増えて離れたんだよな

          X(旧Twitter)の創作用アカウント作ろうかな……元々ツイ廃だったけど罵詈雑言で荒れまくりのおすすめタブとか、大切な情報に群がるインプレゾンビとか、色々と使ってて疲れることが増えて離れたんだよな

          「自分って疫病神なのかな?」と思ったら読んでほしい

          「自分がたまたま入ったお店がことごとく潰れていく」 「たまたま話題にした有名人が亡くなる(または引退する、逮捕される)」  こういった経験をしている人はいないだろうか?  今から十年以上前、大学生時代の私がまさにこのようなタイプで、悩んでいた経験がある。  もちろん、毎回このようなことが起こっていたわけではないし、その当時だって完全なる偶然だったのかもしれない。  しかし、こういうことが繰り返し起こると、どうしても気になってしまうものだろう。  そんな私も 「俺って疫病神

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          仕事の休憩中☕️ 自分の作品を読み直してみると「何その文」とか「何その改行」みたいなツッコミどころが結構見つかる……あまりにおかしいものはその場で直してるけど、一度イッキに読み直してみた方がいいかも

          仕事の休憩中☕️ 自分の作品を読み直してみると「何その文」とか「何その改行」みたいなツッコミどころが結構見つかる……あまりにおかしいものはその場で直してるけど、一度イッキに読み直してみた方がいいかも

          拙作の「ツイスト・イン・ライフ」というタイトルは、結末まで書き上げたところでようやく決まった。 気に入ってるけど「もっと分かりやすいタイトルにすればよかったな……」と、魅力的なタイトルの作品を見つけるたびに思ったり……。 皆さんタイトルは先につけるのでしょうか?

          拙作の「ツイスト・イン・ライフ」というタイトルは、結末まで書き上げたところでようやく決まった。 気に入ってるけど「もっと分かりやすいタイトルにすればよかったな……」と、魅力的なタイトルの作品を見つけるたびに思ったり……。 皆さんタイトルは先につけるのでしょうか?

          B'zの『今夜月の見える丘に』の「ある一節」から、創作のヒントを得た話

          ※ この記事は、曲の世界観の解釈や考察ではありません。タイトル詐欺のように思われた方は申し訳ありません。  私はB'zという音楽ユニットが大好きだ。  小学生くらいの頃に、親が車の中で金色のベストアルバムをよく聴いていた。これがB'zを知ったきっかけである。  中学時代の同級生にB'zファンが数名おり、彼らの影響もあって私もハマっていった。  そこから現在まで聴き続けている。  一度参戦したLIVE-GYMでの『恋心』の一体感は忘れられない。  そんなB'zが2000年に

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          生まれて初めて「物語を完結させた」感想 + 小説を書こうか迷っている人々へ(創作大賞2024)

           人生で初めて、小説を完結まで書くことができたのでその感想を書いてみたい。 ↓拙作です。もしお時間あれば是非  今年の4月下旬からnoteを始め、創作大賞2024なるものの存在を知り  勢いで5月の頭から小説を書き始め、5月6日のオフラインイベントにも参加してモチベーションを爆上げし、昨日7月6日にその作品が完結した。 ↓このイベント。本当に勉強になりました。YouTubeのアーカイブも残ってます  私は現在30代半ばだが、ずっと小説というか「物語を作ってみたい」とい

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          「ツイスト・イン・ライフ」第22話(最終話) 創作大賞2024応募作品

          最終話:ツイスト・イン・ライフ 「……」  松尾誠司は都内にあるスタジオに向かい、愛車のアルテッツァ・ジータを走らせている。  BGMはエンヤである。興奮する心を落ち着かせるためだ。  今の松尾がメタルやロックなどを聴こうものなら間違いなく覆面か白バイに捕まってしまう。 「俺の腕でそんなすごい奴らを満足させられるのか……?」  佐野涼平は、ハンドルを握りながら大きな独り言を言う。 「パパなら大丈夫だよ。ホントすごかったもん」  助手席の妻、佐野瑠璃子はそれに反応する。  ド

          「ツイスト・イン・ライフ」第22話(最終話) 創作大賞2024応募作品

          「ツイスト・イン・ライフ」第21話(全22話) 創作大賞2024応募作品

          第二十一話:佐野涼平 その五 「どうすべきか……いや、俺の中で答えは決まっている。いや、でもなあ……」  佐野涼平はベッドに身体を横たえ、考えを巡らせている。  凄腕ギタリスト松尾誠司とのセッションの余韻に浸りつつ、何かを迷っている。 「ああ! くそっ! なんでこうも決断できないんだ! 情けない。『大きなトラブルほど早く言え』って会社でも教わった。だから今回も早く言ってしまうのが筋なんだ。頭では分かってる。遅くなればなるほど相手に迷惑をかける」  隣では中学校の同窓会から帰

          「ツイスト・イン・ライフ」第21話(全22話) 創作大賞2024応募作品

          「ツイスト・イン・ライフ」第20話(全22話) 創作大賞2024応募作品

          第二十話:藤吉礼美 その五 「はぁ……最近お酒飲みすぎかも」  藤吉礼美は先日の講師交流会以降、お酒が大好きになってしまったようだ。  その後の「バー・ツクシ」でのひとときも本当に夢のような時間だったため、現在まんまと週に二日程度のペースで「バー・ツクシ」に通うようになった。  中でも、その日に出会った越智弘高と高木忍というカップル、そしてバーのマスターである進藤正信とは非常に仲良くなった。  特に、忍とは「今日ツクシ行く?」などのラインのやり取りまでするような仲になった。

          「ツイスト・イン・ライフ」第20話(全22話) 創作大賞2024応募作品

          「ツイスト・イン・ライフ」第19話(全22話) 創作大賞2024応募作品

          第十九話:松尾誠司&佐野涼平 その二 「へぇー俺らタメなんですか。じゃあ俺に敬語いらないですよ」  佐野涼平は、居酒屋の向かい側の席に座る松尾誠司に言う。 「じゃあ遠慮なくタメ口でいくね! そっちもタメ口でよろしく!」  その日、佐野は松尾から飲みのお誘いを受けていた。  妻の瑠璃子に、その話をしたところ「誰かと飲みに行くなんてすごい久しぶりだね。いってらっしゃい」と快諾してくれた。  一言二言、交わしているうちに生のジョッキが二つ運ばれてきた。表面に霜が付いて白くなって

          「ツイスト・イン・ライフ」第19話(全22話) 創作大賞2024応募作品

          素敵なエッセイに出会って心を洗われた朝。俺も頑張ろうという気持ちになった。今週中に「ツイスト・イン・ライフ」を完結まで投稿したいな。

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