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シュール過ぎるクラシック演奏会?

※当記事は、2020年1月26日のコンサートの記事です。下書き保存されたままだったのですが、修正して公開しました。

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「今回は、あやのちゃんが好きそうな絶望的で救いがなさそうな曲目リストアップしといたよ」と天使のような微笑みを浮かべるピアニスト佐藤圭子ことKeipyan。


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私が好きそうな「絶望的で救いがなさそうな曲」とは一体何のことなのか・・・、何はどうあれ、期待感しかない。

今考えれば、この時からすでにカオスが始まろうとしていたのかも知れない。


当日、私が店に駆け込んだ時には、お二人はリハーサル演奏の真っ只中。
それが、私が初めてチェリストの片山智夫さんとお会いした瞬間だった。

というのも、私の日程調整の勘違いで、同日午前、市の生涯学習センターでの哲学対話の司会進行をさせて頂くことになっていた。まさかのブッキング。
お二人の楽器の搬入や会場のセッティングには間に合わないので、代わりに母が先に店の鍵を開けてくれていたのだ。

片山さんの真剣な様子やかっこいい演奏、渋い雰囲気に圧倒され、一歩二歩、後ずさり。
ちなみに、間近でチェロという楽器を見たのも初めてだったので尚更だったかもしれない。

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邪魔をしないでおこうと、そっと消えることにして、挨拶のタイミングが来るまで他の雑務をこなす事にした。

「片山さんはね、ファンも多いのよー」というKeipyanの言葉が脳裏に蘇る。


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そうか、凄い人なのか・・・・。


一通りリハが終わったのか、目があって初めての挨拶をかわす。

あれ・・・思ったより気さくな人だな、とその時はそれぐらいのイメージだった。

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Keipyanのトイピアノやおもちゃたちは今回は控えめだった。


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続々と入場されるお客様も着席され、いざコンサートが始まった。


美しい音楽がTetugakuya一杯に満ちて、目を閉じて酔いしれる方も。

一曲目が終わり、Keipyanの曲についての解説?いやコメントが入る。

「この曲は、救いがない・・・絶望的な・・・」

ん・・・?

本日のKeipyan は一体どこへ向かっているのか・・・。


そして、何なんだ・・・渋カッコよく演奏されていた片山さんが、演奏が終わる度に、ヒヨコのようなホヨッという顔をして逐一Keipyanを振り返る様子が、可愛らし過ぎる・・・。

気のせいだろうか。いや、絶対に気のせいじゃない。
チェリストの片山さんは、演奏中に突然、お花畑でも見えたかのように、お一人でにんまりされるのだ。

ま、まさか片山さんもKeipyanの類友で妖精系だったのか。

「片山さんのファンが多い」という話が急に腑に落ちてきた。

これは・・・ギャップ萌え・・・?


「次の曲は、火曜サスペンスのラストシーンでちょうど船越英一郎さんが崖の上で、待て!!!早まるんじゃない!!!と叫んでいるところでよく流れていて・・・ちょっと曲の雰囲気が変わるところでは、昼ドラのドロドロした感じの・・・・」

「続いての曲は再び皆さんをどん底に突き落とす感じに・・・・」


デスメタルか何かなのか?と思われるようなKeipyanのコメントを間に挟みつつ、美しいクラッシック演奏は続いた。

執拗に地獄のような暗さを強調するKeipyanのコメントが投入され、お客さんは大丈夫なのかやや心配になり観客の方々の表情を確認するも真剣にコンサートに聴き入っておられる方ばかりだった。

一方、片山さんは、そんなKeipyanと一緒に、ふわふわニコニコしている。

色んな意味でシュールすぎるクラシックコンサートだが、お二人の演奏が優しく美しいために、カオスが無色透明化されたのだろう。





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