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実感よりも先に来たつわり
妊娠に気づいたのは、2015年7月上旬のこと。あれ、まさか? という感じだったのだけど、検査薬の判定線を見たときはものすごく落ち着いていたのを覚えている。自分の身体のことだから、どこかで覚悟ができてたのかも。(でも、あとで彼に報告するときはなぜか緊張が押し寄せて、検査薬を持つ手が漫画みたいに震えた!)
その週末に病院で妊娠6週を告げられ、まだぺったんこのお腹に思いを馳せてみるも、うまくいかない。やっぱりまだ、なかなか実感がなかった。
でも、それからほどなくして、体調には変化がではじめる。
永遠になんとなく気持ちが悪い。頭が重い。手足がだるい。めちゃくちゃ息切れする。歯磨きでえづく。5分立ってるだけで貧血を起こす。吐き気はあるけど吐くまでいかなくて、永遠にすっきりしない。
最初のうちは、自分の身体とどう付き合っていけばいいかがわからなくて、失敗もした。新宿の紀伊國屋で立ち読みしていただけで、あらがえないほど血の気が引いて、真っ白な唇で座り込んだり。おいしくごはんを食べようとしてわざとお腹をすかせていたら、空腹が気持ち悪くて吐きそうになったり。
食べられないものとかダメな匂いは一切なかった。一番つわりがひどいと言われる妊娠3~5ヶ月でさえ、毎週焼肉に行けるほど元気だった(まじで行ってた)。お腹がすくと気持ち悪くなるから、いつも何か食べていたけど、それもひどかったのは1ヶ月くらい。
とはいえ、だるくてだるくて、そのころ日常的にしていたランやウォーキングはできなくなるし、家では寝てばかり。たった1週間で体重が1.5kg減り、体脂肪率が3%も上がって、悲しかった。
家にいると何もする気になれないけれど、仕事はいつもどおり出かけた。立ちっぱなしがつらかったので、適当によく座っていたけれど、もともとそんな感じだったから特につっこまれず……。ライターだからよかったものの、カメラマンとかだったらきつかったと思う。ひとと話していると気が紛れるから、とにかく取材がうれしかった。(ちなみに、ちょうどつわりがピークのときに書いたインタビューがこちらです→ NewBalance『FIND YOUR BETA』)
地味にきつかったのは、朝から晩まで頭が重かったこと。頭が膨らみすぎて、たぶんいまの5倍くらいあったのではなかろうか。超絶大きいヘッドギアをかぶってるみたいな、背中のほうから頭を引っ張られ続けているような不快感があって、パソコンに向かうのが結構つらい。寝つきも悪い。毎晩ベッドに入ってから、彼がひたすら頭をマッサージしてくれたのが、本当にありがたかった。
夏が終わるころには、ほとんど気持ち悪さがなくなった。一般的には相当つわりの軽いほうだったと思う。妊娠の実感がわくより先に体調不良が来て、上手な付き合い方を見つける前に去っていった。そして、少しずつふくらんでくるお腹。なんだかようやく、新しいことが始まる気がしたのでした。
Photo: 2回目の検診で撮ったエコー写真。白くて小さいのが3.6mmの赤子
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