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獲物の分け前〜売野雅勇「砂の果実」

 単行本で買わなければ!と思いつつも買い逃していたものを文庫本になって購入するとメチャクチャ入り込んでしまうことがありますよね。
この本はそんなパターンの典型的な例です。とにかく買わなければと思った理由には大瀧詠一さんや山下達郎さんとのエピソードがあったり、伊藤銀次さんがソロ活動を再開した時期の作詞家が売野さんということがあちなたからなんですよね。
じゃ、行ってみよー。

・売野雅勇「砂の果実」(河出書房新社)

 まず、密林さまで最近出た本のことを調べていたら、おすすめとしてこの本が出てきたのでした。
あー、文庫で出たのなら、この機会に買うしかないか、と思ってポチッとした次第です。

 読んでいてビックリしたのは河合夕子さんの名前が出てきて、しかもかなりの分量で触れていることでした。
デビュー曲の「東京チークガール」はお気に入りの曲でしたし、アフロヘアーに丸メガネ姿が印象的でしたから。
その後、NHKでライヴをやっているのを見たら、彼女はアフロヘアーではなくなっていて、メガネ姿ではなくなってました。
「東京チークガール」と「不眠症候群」を歌っていたので、河合夕子さん?と思いながら夢中になって見ていました。
確かその直後に「GORO」のグラビアに登場した記憶があります。懐かしい。
グラビア展開という点ではEPOさんや松原みきさんもしてましたね。これまた「GORO」だったはずです。

 大瀧詠一さんや山下達郎さんに伊藤銀次さん(ナイアガラトライアングルVOL.1の御三方という偶然)さんとのエピソードにはやはりワクワクしました。
特に伊藤銀次さんとの関わり具合にはその後を考えても、興味深いものがあります。
銀色夏生さんと売野雅勇さんはポリスターレコード時代の伊藤銀次さんの作品で重要な位置にありますからね。
そのスタッフの方々にもちゃんと触れられているのも素晴らしい、と。

 芹澤廣明さんとのコラボレーションはリアルタイムで触れていましたが、個人的好みとは少し離れた作品が多かった印象があります。
中森明菜さんは「少女A」よりもデビュー曲「スローモーション」の方が圧倒的にすきでしたしねー。来生たかおさんえつこさん姉弟コンビの作品は知っている殆どの作品はお気に入りでした。

 売野さんの中で重要な位置を占める作曲家として大沢誉志幸さんの名前が出てくるのも興味深いところですね。
大沢さんの作詞家として連想されるのは銀色夏生さんの方が強いのですが、売野さんとのコンビもかなり作品を残しているわけですからね。

 この本を読まなくても、ナイアガラ側と売野さんの接点と、売野さんと細野晴臣さんや坂本龍一さん〜YMO側の接点は知っているつもりでしたが、より立体的に感じることができて、かなり満足です。
でも、分厚くない文庫本でも定価は1000円近くになってしまうんですね。そのことにビックリしました。そんな感じです。

 ではまたー。


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