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今月の獲物の分け前~風『-風 LIVE Vintage-SPECIAL EDITION』編。

 今のところ、この風『-風 LIVE Vintage- SPECIAL EDITION』が一番最近買ったばかりのCDなんですが、とにかくすごい内容です。
風は割とリアルタイムで好きなグループだったんですが、例によって1980年前後にテクノ・ニューウェイヴの波に飲み込まれてしまって、隠れてしまったというわけですね。
中学に入ったばかりの頃はオフコース、チューリップに風が私にとっての三大グループだったわけなんですよね。真面目な話。

 オフコースやチューリップは割と大学に入ったりや30歳近くになって、その辺を好きな友達ができて、またよく聴くようになったのでした。
風は「ささやかなこの人生」がドラマに使われてから、そういえば風を昔好きだったなーという感じで聴き直した私です。

 ま、その後色々ありまして、2000年前後から伊勢正三さんのソロや風の編集盤などをCDで買うようになったわけです。

・風『-風 LIVE Vintage-SPECIAL EDITION 』(FLCF-4525/フォーライフ)

 で、このCDを買った理由は風の未発売ライヴ音源がCD化されて、会場限定だったのが一般発売となったのがこのCDなんですねー。
Amazonで何かを探していたら、偶然このライヴ・アルバムが新品なのにプライス・ダウンしていたので、ついつい買ってしまったというわけです。
代表曲の「海風」が入っていることがとにかく大きかったですね。

 このCDに収録されている1977年の日本武道館での演奏です。
風の特異さは伊勢正三さんと大久保一久さんという2人のヴォーカリスト、ソングライターがいるわけですが、レコーディングのクレジットを見るとアルバム『windless  blue』以降は、お互いがセルフ・プロデュース&ディレクションをしているようで、相手のレコーディングにはほとんど参加していない感じなのでした。
例えばオフコースでも、小田和正さんと鈴木康博さんがお互いの作品でセルフ・プロデュース&ディレクションだと思いますが、鈴木さんはギタリストとして、小田さんはキーボーディストとしてはお互いの楽曲に参加してますから、これはかなり極端だなと思いました。

 この風のライヴ音源を聴くと、お互いの作品に参加していますから、上手く言えませんが、やっぱりグループとしての作品になっているんですよ。
例えば「海風」のレコードに残されたヴァージョンの女性コーラスを大久保さんが担当したり、水谷公生さんがリードギターを弾いているし、アコースティック・ギターは伊勢さんが弾いているということで、大久保さんはなんとパーカッションを担当しています。
大久保さんはもちろんギタリストがメインですが、実は猫(というバンドがあったのです)時代からマルチ・プレイヤーだったので、ライヴでは伊勢さんの楽曲でマンドリンなど担当していたのでした。

 風のライヴ音源や映像を発表する予定はないと伊勢さんがベスト盤のライナーに書いていたのを翻したのは、風のライヴを再開する予定だったのが、大久保さんが病に倒れて中止になったことが大きいと推測できます。
形に残すことで大久保さんにエールを送るというのと、このCDによって印税が派生することになるだろうという意味があったはずです。。

・伊勢正三『伊勢正三 LIVE BEST ~風が聴こえる~』(FLCF-4512/フォーライフ)

 ちなみに風のライヴ音源が音盤化されたのはこれが初めてでして、1枚目が伊勢さんが風時代の楽曲を取り上げた「風ひとり旅」、2枚目は風の未発売ライヴ音源、3枚目は伊勢さんのライヴとゲストに大久保さんを迎えたライヴ映像が収録されています。

 風の録音の中心は1977年の渋谷公会堂と日本武道館のライヴですね(渋谷公会堂ではホーンセクションが入っているのが最大の違いかと)。
SPECIAL EDITIONと楽曲の重複は「22才別れ」「ほうづえをつく女」「3号線を左に折れ」「君と歩いた青春」「ささやかなこの人生」ですが、全て演奏会場違い(早い話別テイク)ですね。
伊勢さんと大久保さんの声がとにかくよく出ていますし、レコードと比べてアグレッシブな演奏が展開されています。
もし、リアルタイムでライヴ音源が発売されていたら、風の受け止められ方が変わっていただろうと思ってしまう私です。
個人的には渋谷公会堂と日本武道館のライヴ全曲を聴いてみたいですね。
そして、風が所謂叙情派フォークからサウンドを強化する方向にシフトチェンジしたのはクラウン・レコードのハウス・ディレクター中根康旨さんが担当になったからと推測しています。
中根さんはティンパンアレーやムーンライダーズも担当していた、クラウン・レコードのキーマンだと思ってますから、いつかじっくりと研究したいですね。

 実はこの他にも『THE 伊勢正三』というかぐや姫~風~ソロの未発売ライヴ音源がまとめられた4枚組のライヴ・アンソロジーが発売されてまして、非常に欲しいのですが、なかなか難しいのでした。。
なんとか入手したいなぁ。もちろん、入手したらここで報告させていただきたいと考えております。

 ちなみに水道橋博士が初めて買ったレコードとは風のシングル「ささやかなこの人生」だったということを知った時、ちょっと感動してしまいましたね。真面目な話。

 水道橋博士がツイキャスを始めたのが、1年前のこの時期だったというのも偶然だとは思うのですが、こうして「ささやかなこの人生」が収録されたCDについて書いているのもなかなか面白いことだと思います。

 風の伊勢正三さん、大久保一久さん、そして水道橋博士に深く感謝します。


 明日はそろそろ「ケースから一掴みの5曲」を復活させたいと考えていますので、お楽しみに。

 ではまたー。


 






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